経営理念とは、経営者の価値観や思いを表したもので、会社が存在する目的や意義、社会に対する貢献などを示すものです。経営理念は、会社の方向性や目標を明確にし、社員やステークホルダーに共感や信頼を得ることを目的としています。経営理念は、企業が最終的に目指す理想像を明文化したものでもあり、全社員が共有するために重要で、会社の軸とも言えます。ビジネス書や他の企業が掲げた経営理念を真似ても意味がなく、自社目標、顧客満足、社員の幸せなどから自分の会社が一体何を大切にしているかを考え、その想いを言語化したものを指します。
経営理念は、使命＝Mission、志＝Vision、価値観＝Value、行動指針＝Wayという4つの要素で構成されており、これらを明文化していくことが重要です。ission（使命）は、経営者が目的を明確にし、使命として従業員が受け止めるようにするために設定されます。Vision（志）は、企業の将来の姿を具体的に見通し、どうするべきか構想を定めるものです。Value（価値観）は、企業活動においての判断基準と価値観を決め、Way（行動指針）は、実現に向けて具体的な行動を示します。
会社の信念、そして行動の指針を伝えることが目的の経営理念は、社員のモチベーションを高め、顧客や社会からの共感を得ることが期待されます。経営者にとっては迷った時のよりどころにもなります。良い経営理念は経営の軸となり、企業の安定的な成長にもつながります。
しかし、一部の経営者は経営理念を作成しても意味がないと感じている人もいます。経営理念を作成すると、従業員の価値観がバラバラになる可能性があることや、設定するまでに時間を要する場合があるからです。ただし、経営理念は企業の持つ大元の価値観であり、経営理念を定めていない場合、企業の方針やビジョンが明確でなくなり、共有しにくくなります。
経営理念は社会や顧客に対してどう貢献するかを言語化したものが多いため、経営理念を持つことで社会的責任を果たしやすくなります。したがって、経営理念はあったほうがよいですが、それぞれの企業によって必要性や重要性は異なります。企業自身が自己分析し、自分たちに合った形で取り入れるべきでしょう。
