シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナーは連続起業家と訳され、新規事業をいくつも立ち上げる起業家のことを指します。シリアル(serial)には「連続した」、アントレプレナー(entrepreneur)には「起業家」という意味があります。

シリアルアントレプレナーは、立ち上げた事業のうち成功した事業を売却することによって得た資金や、成功体験をもとに投資家からの資金援助などによって、新規の事業を立ち上げることを繰り返しています。新規事業はすべてがうまくいかなくても、失敗を無駄にすることなく新たな事業へとチャレンジし続けるのです。ひとつの事業を成功させること自体が難しいですが、それをいくつも成功させるシリアルアントレプレナーは優秀な起業家であるといえます。

シリアルアントレプレナーの目標としているものは、起業の成功だけではありません。事業を売却して資金を生み出し、新たな起業を視野に入れています。まだ競合が少ない市場を見抜き、ビジネスモデルを創出して成功させることが役割です。

シリアルアントレプレナーには、アイデアの創造性や、市場を嗅ぎ分けるアンテナや嗅覚、チャレンジ意欲などの資質が備わっている必要があります。少ないものを増やすことよりも、ゼロからイチを誕生させる才能があり、常に新しいことを考え続けることが得意です。類い希な人材であることや人を納得させる力があるため、周囲から評価が高く資金も集まりやすいのが特徴です。その資金でさらに新規事業を興すことが、繰り返して実行できます。

日本の概念では、売却する側の企業は「失敗」のイメージ、合併や買収をする側の企業には「乗っ取り」のイメージがつき、いずれにしてもネガティブな印象を与える風潮がありました。しかしながら近年では、事業の売却は企業の戦略の一つとして捉えられるようになっているのです。

シリアルアントレプレナーが事業を売却する理由には、変化の目まぐるしい今の時代において、事業を維持成長させ続けることが困難なことが挙げられます。ある程度軌道にのってそれ以上の成長が見込めないと判断した場合に、事業を成長させる余力のある企業に売却するのです。シリアルアントレプレナーにとっても、買収した企業にとっても有益につながる仕組みがあります。

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