チームビルディング研修が人材育成の一環として、今あらゆる企業に注目されています。そこで、本記事ではチームビルディングの目的や効果、オンライン・オフラインで行う研修内容の具体例、事例、成功させるポイントをご紹介します。これからチームビルディング研修を導入する企業や人事担当者の方はぜひご参考ください。
目次
チームビルディングとは
チームビルディングとは、チーム内のメンバー同士が協力しながら、個々のスキルや能力・経験を最大限に発揮し、目標達成できるチームを作り上げていくための取り組みです。チームビルディングによって、チーム内のコミュニケーションが活性化し、生産性の向上が期待できます。
最近ではコロナウイルスの影響でリモートワークが増え、社員同士が直接会う機会が減ったことから、社内でのコミュニケーション不足が深刻な問題となっています。そのため、チームビルディング研修によってチーム内の交流を活性化し、生産性の向上につなげようとする企業が増えています。
チームビルディング研修の目的
会社がチームビルディング研修を行う目的には以下の3つのものが考えられます。会社や社員個人にとって研修を通して身に付けたい内容を解説します。
チーム力の向上
チームビルディング研修を通じて、チームメンバー同士が理解を深め、共通の目標達成に向けて協力することでチーム力を高めることにつながります。チーム力が向上することで、組織全体のパフォーマンスを上げることが期待されます。
コミュニケーションの活性化
さまざまな雇用形態や多様な社員をかかえる企業にとって、社員同士のコミュニケーションの活性化は重要な課題です。チームビルディング研修では、普段コミュニケーションをあまりとらない社員ともコミュニケーションを取ることができます。この結果、社内のコミュニケーションが活性化され社内の組織力向上が期待できます。
生産性の向上
チームビルディング研修を通じて、チームメンバーの理解が進み、各個人の強みと弱みを把握できます。その結果「自分の強みはどのように生かせるのか」「チームの成果を最大化するにはどのようにすればよいか」などと言ったことを考えることにつながります。普段の業務でもこの考え方を生かした働き方を行うことにより、会社としても生産性向上が期待できます。
チームビルディング研修で得られる3つの効果
チームビルディング研修ではチーム力や生産性の向上、コミュニケーションの活性化ができることが分かりましたが、ここでは研修により期待できる効果についてより詳しく解説します。
チームで目標達成する意義を理解できる
チームビルディング研修を通じて、共通の目標に向けて協力する重要性が理解できます。個人で成果を出そうとしていた社員にとって、他のメンバーと協力することで一人では達成できなかった課題を克服できたという体験は、今後、より組織全体を考慮して働くためのきっかけになるでしょう。研修の過程で他の社員との相互理解を深めることもできます。
組織のコミュニケーション力向上
チームビルディング研修では、積極的な意見交換を行い、お互いを理解し合うことが目的達成のために重要です。前述のようにチームで目標を達成する意義を理解することによって、組織内での交流が活性化し、結果的にコミュニケーション力の向上につながるでしょう。
個人のパフォーマンス向上
チームビルディング研修によって、互いの強みや弱みが分かり、自分の強みや役割が明確になることで常に組織のために何をすべきか考える視点が身につきます。そして、やるべきことが明確になることで個人のパフォーマンスが向上し、組織全体の生産性向上も期待できるのです。
オンラインで行うおすすめチームビルディング研修3選
チームビルディング研修の内容はアイデア次第でさまざまなものが考えられます。ここでは、オンラインで開催できる具体的な研修内容を3つご紹介します。
オンラインエクササイズ
チームビルディングの一つとして、エクササイズがあげられます。エクササイズは健康的な観点からもニーズが高まっています。例えば、Zoomを使いながらチーム内でエクササイズを行えば、社員同士の交流も促進できるでしょう。社員の健康促進とチーム力の向上につながるため、注目されている研修方法の一つです。
共通点探しゲーム
共通点探しゲームは、チームメンバー同士が話し合って、共通点を探すものです。地元や趣味といった話題から始め、類似点を見つけていくことで、お互いの理解が深まります。このように、共通点探しゲームを通じてお互いの理解を深められれば、チーム内のコミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。
条件プレゼン
条件プレゼンは、与えられた条件の中で最も面白いプレゼンをしたチームが勝利となるゲームです。面白いと思わせたチームが勝利するため、参加者同士が切磋琢磨します。条件プレゼンゲームは、会話の構成力・プレゼン力・チームの雰囲気があがるチームビルディングといえるでしょう。
オフラインで行うおすすめチームビルディング研修5選
対面で行うやり取りでしか育めないチームワークもあるでしょう。本章では対面で行うチームビルディング研修のアイデアを5つご紹介します。
ジャングルからの脱出
「ジャングルからの脱出」は、アメリカで人気の研修教材です。この研修のゴールは、97個のパーツを使ってヘリコプターを完成させることです。チームメンバーは、ヘリコプターを完成させるため、意見交換をしながら、見本のヘリコプターに近づけなければなりません。そのため、チームメンバー同士が協力する姿勢が身につくでしょう。
「ジャングルからの脱出」研修ついて詳しい取り組みはこちらから
わがままカードワーク
わがままカードワークでは、参加者が「大切にしたい本音」を書いたカードを作成します。そして、メンバー同士がカードを共有しながら、相互理解を深めていきます。この研修によって、多様な価値観の発見とチーム内のコミュニケーションが期待できるでしょう。
チームワーク創造ワーク
チームワーク創造ワークは、メンバーが自分自身の強みと弱みを認識し、他のメンバーの弱みを補い合いながら、チームワークを最大限に高める研修です。この研修では、お互いの強みや弱みを認識し合う方法を体験できます。研修終了後は、メンバー同士が協力する姿勢が身につき、チームワークの向上が期待できるでしょう。
もやもや共有ワーク
もやもや共有ワークは、参加者がそれぞれ感じている問題意識を共有し合うワークです。このワークは、心理的安全性のある関係性を作りながら行うため、安心して発表し合えるのが特徴です。また、もやもやの先にある「チームの理想」について、全員で考えるきっかけになるため、チームの進むべき方向性も見えてきます。
チームの問題解決ワーク
チームの問題解決ワークは、理想の状態を実現するための手法を学ぶ研修です。この研修では、「問題は何か」「理想の状態は何か」について、チーム内で共通認識を持ち、それぞれが主体的な研修への参加を促します。研修終了後は、チーム内の問題解決力および結束力が向上するでしょう。
「わがままカード」「チームワーク創造」「もやもや共有」「チームの問題解決」研修について詳しい取り組みはこちらから
チームビルディングの事例
大手企業の中にはすでにチームビルディング研修を取り入れているところもあります。ここでは、誰もが知っている有名企業の取り組み事例をご紹介します。
サミット株式会社
サミット株式会社は、例年、新入社員に対して合宿研修を行ってきましたが、感染症の影響で2020年は座学のみで時間も短縮された研修となりました。その結果、研修で期待されていた新入社員のつながりや交流が不足する課題が残りました。
こちらの課題解決のため、新入社員同士のつながりの形成を軸に、チームで取組める研修項目として「ボッチャ」という障がい者のために生まれたスポーツを導入。ボッチャは「パラスポーツで誰もが平等に参加できること」「常に変化する状況に応じて、物事を考えられること」「チーム内の交流が図れること」などの特長があります。結果として、この研修によって新入社員の交流の場になったとともに考えて行動する力が向上する効果がありました。
株式会社タニタ
株式会社タニタでは、研修前の課題として、営業力や組織力の強化がありました。また、案件の難易度が高い場合、諦めがちな風潮もありました。そこで、「ビジネスゲーム」を通じて、課題の改善に注力しました。
ビジネスゲームは、4~5人でチームを組み、別のチームと交渉を行いながら、自分たちの事業を発展させていくゲームです。研修内では、コミュニケーション力・思考力・協調性などが学べます。結果として研修終了後には、社員が積極的に意見・提案を出すようになり、難しい案件に対しても主体的に職場内で協力しながら仕事を進めるようになりました。
チームビルディング研修を成功させるためのポイント
チームビルディング研修を成功させるには、ポイントを押さえることが重要です。まず、参加者が「面倒くさい」「やらされている」と感じないよう、事前に研修の目的を共有します。
同時に、参加者が不安にならないよう、研修内での役割を説明します。
そして、研修のゴールが個人の活躍ではなくチーム力の強化であること理解してもらいましょう。競い合ったり、逆に遠慮しすぎた状態で研修に参加すると逆効果となってしまいます。
チームビルディングに関するQ&A
チームビルディングとチームマネジメントの違いは何ですか?
それぞれ主体となる人が異なります。どちらも目的はチームをうまく機能させることで共通していますが、チームマネジメントは、マネジャーからの働きかけを指す一方で、チームビルディングは、チームのメンバーも含めた全員で行う活動を指します。
タックマンモデルとは?
タックマンモデルは、アメリカの心理学者ブルース・ウェイン・タックマンが作り出した、チームビルディングのモデルケースです。提唱したモデルは、チームが現れる時期とその過程を以下の5つの段階に分類しています。
形成期:チームが結成されたばかりの段階 混乱期:チームが成長する過程で最も多くのトラブルが発生する時期 統一期:混乱期を過ぎたチームは、お互いを支える統一期に突入 機能期:チームが最も成長している時期・メンバー同士の能動的な行動が期待できる 散会期:目標を達成したチームは活動を終了 |
以上のように、チームの時期と過程を5つの段階に分類することで、チームがどのような状態にあるかを明確にします。
チームビルディング研修を効果的に実施するために
チームビルディング研修には、組織のコミュニケーション力向上や問題解決力向上など、さまざまなメリットがあります。また、コロナウイルスの影響により、従来のオフラインの研修だけでなく、オンラインで行う研修スタイルも生まれて行いやすさも向上しました。
チームビルディング研修はアイデア次第でさまざまな内容を行えますが、自社だけで研修成果をあげるのは非常に難しいでしょう。実績のあるコンサルティング会社に依頼することで、研修の成果を最大化できます。
以下では、人事関係者から推薦された、チームビルディング研修に強みを持つ人事コンサルティング会社をご紹介しています。