2017年7月10日

HRテックの最新動向 高機能・低価格で大幅に生産性向上

 HRテックを取り入れる企業は近年拡大傾向にある。その背景には安価でかつ安全なサービスを取り入れることで、人事部門の生産性向上や社員の働きやすさ向上につなげる意図がある。新卒採用、中途採用、労務管理、タレントマネジメント、教育・研修、組織診断、社内SNSの7つの分野の日本におけるサービスを取材した。

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 HRテックの市場は急速に拡大しており、企業の投資額は年間2000億円に達するといわれている。HRテックとは、「ヒューマン・リソース×テクノロジー」のことであり、採用、労務管理、組織開発、タレントマネジメント、教育・研修といった人事業務のプロセスをITに置き換えたサービスのことである。AI、ビッグデータ、フィンテックなどの用語とともに頻繁に使用されるようになったが、ご存知の通りこれまでも人事業務システムは存在している。最近のHRテックの特徴は、多くのサービスがクラウドやSNSを活用しており、スマートフォン(スマホ)やタブレットなどモバイルを含むマルチデバイスで使用可能で、使い勝手が格段に向上しているところだ。これまで大手企業でしか使うことができなかった導入に数千万から数億円掛かっていた人事システムとほぼ同様の機能が、中小零細企業であっても安価な価格で手軽に導入できる画期的なサービスが多い。
 手軽なのは導入方法だけではない。社員情報の登録や各種パラメーターの設定など、これまでは時間がかかっていたプロセス管理が簡単な設定でできてしまうため、必要な情報の抽出や様々な情報分析も驚くほど容易になっている。そのため、大手企業でも従来の人事システムとは別に導入する企業もでてきているほどだ。また、これまでのパッケージシステムとの連携も可能なものがあるなど進化を遂げつつある。このようなHRテックの活用によって、人事部門の生産性が大幅に向上することは間違いないだろう。
 生産性向上は人事部門内だけにとどまらない。これまで管理が難しかった現場社員の働き方そのものを変えることが可能なサービスが出てきている。リアルタイムな残業時間の管理や業務間インターバルの管理、マネジャー間の施策の共有、育児休業からの職場復帰など社員の生産性を向上させるための工夫やデータの分析が簡単にできるようになっている。
 HRテックが拡大してきている背景には、情報セキュリティーに対する企業の考え方の変化もある。金融機関ですらクラウドを活用する時代に人事情報を社外に出すのは不安だという企業が減り、クラウドで人事情報を管理することに抵抗がなくなってきているのだ。企業を標的としたハッキングが頻発する中、情報セキュリティーに独自に取り組むよりはクラウドを活用した方が安全かつ安価と判断する企業が多くなっている。

 一方で、さかんに言われているAI、ビッグデータの活用は、HRテック分野ではまだまだこれからだ。しかし、サービスの拡大とデータの蓄積によって今後活用事例が増えていくことになるだろう。
HRテックはさまざまな人事業務を効率化する

HRテックはさまざまな人事業務を効率化する

◆新卒採用

 人事業務の中でも、人材採用は早くからIT化が進んでいる分野である。特に採用プロセスの管理は、説明会の実施から複数回の面接を経て内定出しに至る、応募者情報、選考、評価、合否という一連のプロセスを管理するシステムが既にあり、効果を上げている。HRテックではこのような採用プロセス管理に、SNSを活用した内定者管理システムなどが新たに加わった。内定辞退を防止することを目的としたアクセス数の減少による辞退予測のほか、AIを用いてテキストから辞退の可能性を予測することもできるという。
 Institution for a Global Society社の「GROW」は、新卒採用に360度評価を取り入れた。スキルが明確でないだけに難しい学生候補者の評価に、身近にいる第三者からの客観的な評価によって潜在的な本質や適性を見極めミスマッチが生じないようにした。タレンタ社が提供するデジタル面接システム「HireVue」は、スマホにも対応し海外、地方を問わずどの場所からでも面接をすることができる。リアルタイムの面接以外でもあらかじめ用意した課題に動画を録画して回答してもらうことができるため、場所と時間という制約を越えて新卒採用でも中途採用でも優秀な人材の応募を受け付けることができる。最終的には、面接者と入社後の活躍や評価を紐づけることで優秀なリクルーターが分かる。

◆中途採用

 中途採用で注目されているのがダイレクト・ソーシング(ダイレクト・リクルーティング)を社内で展開するためのリファラル採用だ。ダイレクト・ソーシングを社内で本格展開するためには社内の協力体制づくりや採用担当者の負担増、進捗管理の難しさなど様々な課題があった。インテリジェンスの「MyRefer」やリクルートキャリアの「GLOVER Refer」は、社員紹介をより効率的に実施するためにLINEやFacebookなどのSNSにも対応させることで社員の負担を軽減しており、これまで難しかったダイレクト・ソーシングの社内展開を容易にしている。

◆労務管理

 労務管理では、社員情報の登録、社会保険手続き、勤怠管理、残業時間管理などの一連の業務がHRテックによってプロセスが簡素化され、改善のための管理業務も容易になっている。

 SmartHR社の「SmartHR」やネオキャリア社の「jinjer」では、これまで社員が提出した情報を人事部門で入力する場合が多かったが、クラウドの活用によって社員が直接パソコンやスマホなどの端末から入力することが可能になった。これによって入力ミスも減少して人事担当者の業務が大幅に軽減されている。この情報に基づいて社会保険手続きに必要な申請書類は自動的に作成され、電子申請も可能だ。スマホでの入力が可能なことから、店舗が多い会社やアルバイトが多い会社では情報を現場で入力できるため労務にかかわる手間が大幅に簡素化されている。
 勤怠管理では、個人の残業時間だけでなく部署ごとの残業の傾向がリアルタイムに分析される。人事担当者だけでなく現場マネジャーが仕事の改善を即座に指示することができるなど、マネジメントにも活用されて全社の生産性向上に役立っている。
 チームスピリット社の「TeamSpirit」は、売上情報や経費精算、労務管理情報とを連携することによって、部門を構成する社員一人一人やチームのパフォーマンスを一目で把握できる。これまでは人事部門だけの情報だった労務管理情報が、経営情報として経営層から部門マネジャーまで様々なマネジメント層が活用できるようになっている。さらに働き方改革で注目されている36協定や残業時間の上限管理、勤務間インターバルなどを設定すればリアルタイムで実態を把握できるなど、マネジャー層はたえず最新の情報を把握して手を打つことができる。

◆タレントマネジメント

 タレントマネジメントでは、人事評価や実績、経験・スキルなどの社員情報から適正な人材の配置・登用・育成をしていくための情報を一元的に管理できるようになった。カオナビ社の「カオナビ」は個人の評価や実績、勤務状況などを社員の顔写真とともに表示することができ、これまで名前だけでは思い浮かばなかった人物評価を経営陣が直観的に把握できるようにした。サムトータル・システムズ社の「SumTotal TalentExpansion Suite」は、タレントマネジメントと会社が用意したeラーニング教材とが結びついており、目標達成に必要なスキルやキャリア開発を社員自ら効率的に行うことができる。インフォテクノスコンサルティング社の「Rosic」は、将来の要員や人件費のシミュレーションなどの機能を強化して人事のKPIマネジメントをサポートする。
 人材の適正な配置・登用・育成は、グローバル企業でも中小ベンチャー企業でも課題であり、従業員情報は経営情報として重要になっている。正社員からアルバイトまで様々なヒューマンリソースを把握して、その能力を活かし、高めていくことが企業成長のためには必須である。
人事の課題解決にHRテックの活用が期待される

人事の課題解決にHRテックの活用が期待される

● 組織・人事領域で重視する課題(優先順位をつけて3つまで選択)

(出所)日本能率協会「日本企業の経営課題2016 調査結果」

◆教育・研修

 教育へのテクノロジーの活用は、Edテック(エデュケーション×テクノロジー)といわれる。社員教育でのこれまでのeラーニングはパソコンの前に座って学習するしかなかったが、スマホやタブレットの活用で場所や時間の制約がなくなり、自宅や通勤電車の中でも手軽に学習の機会をつくれるようになっている。チェンジ社の「CHANGE UP」は、スマホにも対応する教育アプリ教材になっており、従業員自らが手軽に学習を始められるように工夫を凝らしている。特に若手社員は受験勉強からスマホに慣れ親しんでおり、抵抗なく学習を進められる。最近は自宅にパソコンがない社員やアルバイトも多く、スマホを活用した教育・研修は今後さらに本格化していくだろう。

◆組織診断

 若年労働者の減少による人手不足、働き方改革による生産性向上など、働き方の変化とともに組織のあり方も変えていかなければならない。従業員を定着させることで人手不足を解消し、社員がパフォーマンスを発揮できる働きやすい環境づくりに取り組む必要がある。

 ヒトラボジェイピー社の「チェンジ」は残業体質を可視化して効果のあった施策を解析し、そのノウハウを管理職が共有することで全社の体質変革を支援する。

 アトラエ社の「wevox」は組織診断を支援ツールで手軽に実施することができる。組織の状態をエンゲージメントを指標とした数値で示し、改善や下降の度合いを色で表現しているため、管理職は一目で状態が把握できるようになっている。結果は、入社年、役職、男女など、必要な情報でクロス分析が簡単に行える。リクルートマネジメントソリューションズも簡便な組織診断ツール「HR Glass」の提供を始めた。回答項目を導入企業と共通化することで、自社だけでなく他社との健全性の比較もできる。

◆社内SNS

 社内SNSも様々な利用方法が生まれている。これまでは新卒採用において内定者とのコミュニケーションなどに利用されることが多かったが、育児休業中の社員とのコミュニケーションや経営層と従業員のコミュニケーションにも利用されるようになっている。働きやすい環境づくりや社員の定着に活用されている。

 EDGE社の「airy」はタイムラインで全社員にメッセージを送ることができ、事業方針や狙いを共有できるなど経営層と従業員の対話を促進する。従業員が直接経営層やリーダーへ気軽に返信でき、従業員同士のコミュニケーションや職場内の飲み会の案内にも利用されるなど、コミュニケーションが不足しがちな職場環境で効果がでている。
 現状のHRテックは、人材採用、労務管理、教育・研修、組織診断など分野ごとに開発が進んでいる。既に各社とも提携によって補完し合うなど、統合人事管理システムへの進化が始まっている。HRテックがさらに販売や会計システムなどと連携するようになれば経営や現場により近い価値観が人事部門内に生まれ、これまでの人事業務を大きく変えることになりそうだ。
HRテックサービスを強化する企業が増えている

HRテックサービスを強化する企業が増えている

● 最近のHRテックサービスに関する各社の取り組み

◆◆HRテックの最新動向 分野別サービス紹介◆◆

GROW 360度コンピテンシー評価で応募者と企業をマッチング【適性検査】

 Institution for a Global Society社が提供する新卒採用ツール「GROW」は、学生応募者の他者からの客観的な評価情報をもとに、人工知能が応募者と企業をマッチングするサービスだ。本サービスでは登録した本人が周囲から客観的な360度評価を受けることで、他者から応募者がどのように見られているのかが分かる。また、ゲーム形式の潜在的性格診断モデル(特許取得済)によって、応募者の潜在的な特性が明らかになる。これらの内容をもとにコンピテンシー情報と企業が求める人材像を人工知能がマッチングし、企業から応募者に直接スカウトメールを送ることができる。

 今まで採用担当者は応募者本人の自己評価しか知り得なかったが、このサービスを利用することで本人も気づいていない潜在的な本質が分かるため、入社後のミスマッチを未然に防ぐ効果も期待できる。また企業にとっては、優秀な人材の周りにいる同じく優秀な人材ともコンタクトをとることができるため、効率的に自社に合う人材を探すことが可能だ。

 導入企業は50社に上り、大手商社などでも利用されている。東京大学などと続けている共同研究で応募者のスキルについても評価できるようなシステムを構築し、19年卒採用からサービス提供を開始する予定。

MyRefer 採用プロセスのデータを蓄積・分析して採用力を強化【リファラル採用】

 社員からの紹介で採用する「リファラル採用」に取り組み始める企業が出てきている。リファラル採用には、採用コスト抑制や入社後の定着率向上などのメリットがある一方、人事や社員の手間が増えたり、採用効率を上げていくための改善が進まないといった課題も見られる。

 インテリジェンスは、こうした課題を解決するためにリファラル採用のプラットフォーム「MyRefer(マイリファー)」を提供し、従業員10万人超の大手企業からのスタートアップ企業まで、現在300社以上に利用されている。

 「MyRefer」に人事担当者が求人を登録すると社員のマイページがリアルタイムで更新され、社員はワンクリックでFacebookやLINEなどのSNSを介して友人に求人を紹介できる。また同社の求人メディア「DODA」と連携しており、「DODA」に掲載されている求人は「MyRefer」にも自動的に登録される。

 「採用プロセスのデータを蓄積して改善サイクルを回していくために、社員の求人紹介や応募の状況をトラッキングして分析する機能が充実している」(鈴木貴史同社 MyRefer 事業責任者)ため、採用活動のボトルネックを発見して対策を講じることで、自社の採用力を継続的に高めていくことができる。

インテリジェンス「専門性の高いコンサルティングを追求し、 クライアントの事業成長を共に目指します」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

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勝野 大 執行役員 人材紹介事業部長

wevox エンゲージメントが指標、組織状態の把握と改善を図る【組織診断】

 昨今の労働力不足においては新しい人材を採用するだけでなく、従業員の定着を図ることが急務である。

 アトラエ社が提供する「wevox」はエンゲージメントを指標とした組織診断ツールであり、組織状態の把握と改善が目指せる。集計結果は組織ごとに一覧で示され、前回から改善された項目は青いマーク、下降傾向の項目には赤いマークが付くなど、直感で経年の結果が判断できる。また、結果の分類は入社年、役職、個人など、様々なカテゴリで見ることもできるため、角度を変えて集計結果を見ることも可能だ。現在はIT、広告、飲食、小売、医療業界など80社以上の企業が導入しており、「結果を受けて人事制度を作った」「UIが分かりやすく回答しやすい」という声が集まっている。

 今後はどのような施策が結果に結びついたのかを表示できたり、他社の取り組み事例をオープンにしていくなど、さらに組織作りに活かせる情報を開示していく予定だ。
色の濃度で数値の上下が一目で分かる

色の濃度で数値の上下が一目で分かる

HR Glass 事業推進や組織開発に組織診断を活用する【組織診断】

 昨今の組織診断は、従来の労務管理的な目的に加え、企業の事業推進や組織開発を指向する使い方が増加している。

 「HR Glass」は組織や個人の成長度を簡易に計り、事業推進や組織開発に活かすことができる診断だ。本サービスはリクルートマネジメントソリューションズがマーケティングベンダーと協業し提供している。
 「HR Glass」では組織の成長度、個人の成長度の双方の成長バランスを見ることで、より個々の人材育成を含めた組織づくりに活かすことができる。本サービスは回答項目がしぼられており、取り組み時間が1人10分目安と簡単に取り組むことが可能なため、企業規模が小さくても導入することが可能だ。回答項目が導入企業同士で共通しているため、自社内の診断はもちろん他社と比較することもできる。

 ゆくゆくは取得した人事データをビッグデータとして活用し、今後の経営判断の材料にしてもらうことを目標としている。
HR Glassが目指す測定領域

HR Glassが目指す測定領域

チェンジ 残業体質を職場単位で可視化し、改善策の効果を測定【組織診断】

 働き方改革で残業時間規制が検討される中、 職場の残業体質を可視化し、生産性向上に向けた管理職の変革を支援するのが、ヒトラボジェイピーの診断ツール「チェンジ」だ。

 社員のストレス度合いを「会社」「上司」「本人」「業務」の要因で診断して職場単位の残業体質とリスクを把握した上で、管理職が残業体質の課題に対し改善アクションを策定する際の支援ツールやテキストマイニング技術を使い「効果のあった事例」を解析できるのが特徴。
 「残業体質の改善には管理職の役割が大きい。同じような課題に対して効果を上げている管理職のノウハウを横展開していくのが有効」(永田稔同社社長)なため、効果を上げている管理職のノウハウがデータベースに蓄積されるようにし、管理職がアクションプランを作成する際の参考にしてもらう。また社員から収集した職場や仕事に対する定性的なコメントは、課題ごとに分類されて分かりやすく管理職に示される。
「チェンジ」が提供するソリューション

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ヒトラボジェイピー「心理学の知見とテクノロジーで『 働き方改革』『人材育成』に貢献します」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

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永田 稔 代表取締役社長

CHANGE UP 研修を持ち歩く、スマホ型eラーニングアプリ【教育・研修】

 従業員のパフォーマンスを上げるために必要なのが、研修等の人材育成プログラムである。しかし、研修を行うためには人件費、場を準備する等のコストがかかり、生産性向上実現から遠のくことが危惧される。

 チェンジ社が提供する「CHANGE UP」は従来のeラーニングとは一線を画した教育アプリ教材である。従業員はスマホで手軽に学習を進められるため、コストの削減と生産性向上が期待できる。

 スマホでストレスなく進められるように、スクロールで学習内容が読み進められたり、動画での学習も加えたり等、コンテンツの見せ方を工夫している。また必要に応じて場で実践研修を行うことが可能。このように企業のニーズに合わせてコンテンツをカスタマイズできるところも魅力の一
つだ。

 今後は大学でも導入できるよう、サービスの規模を広げていく方針。本サービスは新しく7月にサイトがオープンする予定だ。http://www.change-jp.com/change-up/
他者の進捗状況が見え、進める意欲につながる

他者の進捗状況が見え、進める意欲につながる

カオナビ 顔写真付き人事データで、従業員の個性と能力を可視化【タレントマネジメント】

 人事データはまだまだ人事部内でしか活用されていないケースが多い。それを現場の管理職や経営層が、経営情報として活用できるクラウド人材管理ツールが「カオナビ」だ。サービス名通り顔写真とともに名前が並び、直感的に人材を把握することができる。それだけでなく、個人の評価や実績、勤務状況など今までバラバラに保管されていた人事情報が、顔写真とともに一元管理できるため、業務の効率化も図ることができる。

 経営層は人事情報を実績や評価の軸で並び替えて可視化することで、顔ぶれを見ながら人材の配置や抜擢などの人事戦略を練ることができる。現場の管理職は従業員の顔と名前を一致させることで、従業員のマネジメントに利用できる。登録するデータは企業ごとに簡単にカスタマイズ可能。

 今後は本サービスをプラットフォーム化し、eラーニングや適性検査など他社製の人事サービスとの連携や機能追加をしていく予定だ。
顔写真アイコンのインターフェイス

顔写真アイコンのインターフェイス

Rosic 一元管理した人材情報で要員・人件費をシミュレーション【タレントマネジメント】

 テクノロジーをうまく活用することによって、人材の様々な情報が効率的に収集できるようになっている。情報を一元管理して時系列や事業組織単位などの多様な切り口でスピーディーに分析できれば、経営の意思決定に大いに役立つ。

 大手・中堅企業向けに「Rosic」人材マネジメントシステムを提供するインフォテクノスコンサルティングは、「要員推移分析」「要員シミュレーション分析」「人件費シミュレーション分析」「経営指標分析」といった機能を備える「Rosic Analytics」を提供している。

 「要員推移分析」では、過去から現在までの要員構成を時系列に可視化し、入社数・率、退職率、再雇用率などの実績値を得ることができる。その実績値と基準日時点の従業員属性データや昇格モデルを組み合わせることで根拠の明確な予測を実現するのが「要員シミュレーション分析」だ。さらに、要員シミュレーション分析結果とモデル賃金テーブルによって「人件費シミュレーション分析」で将来の人件費を予測する。

 また、人件費や労働時間などのデータと会社の重要数値の関係を示すのが「経営指標分析」で、経営陣は過去から将来のデータに基づいて人事のKPIを定めて最新状況を共有することができる。

Rosic「経営・人事・従業員の視点から必要とされる人材マネジメントを支援するシステムです」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

Rosic「経営・人事・従業員の視点から必要とされる人材マネジメントを支援するシステムです」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選
大島 由起子  セールス・マーケティング事業部長

SumTotal Talent Expansion Suite 人材育成とタレントマネジメントをつなぐ支援ツール【タレントマネジメント】

 サムトータル・システムズが提供する「SumTotal Talent Expansion Suite」は自己開発型の人材育成支援ツールだ。特徴は人材育成と人材管理とがつながっている点で、部下は能力開発のためにeラーニングで研修を受けられたり、自分の経歴を履歴書の形で残したりなどすることができ、上司は部下の評価や目標達成情報を一元管理し、経営層はタレントマネジメントに活用することができる。これらすべてが同じプラットフォームで実現可能だ。

 eラーニングの内容は目標に向けて必要なスキルに特化した内容となっているため、効率的に目標達成に向かうことができる。また、共有資料の保管に使うことができ、資料の開封有無が個人単位で分かる。

 本サービスはパソコン、スマホ、タブレットなど様々な媒体で使用でき、オフラインでも利用できる。UIの言語は世界の言語に対応しており、個人で変更することができるため海外に拠点を持つ企業でも本サービスが利用できる。
評価や目標達成を一元管理できる

評価や目標達成を一元管理できる

airy 経営層と従業員をつなぎ、リアルタイムで情報を共有【社内SNS】

 働き手が不足している現代において、従業員が経営層のメッセージを直接聞き、納得した上で業務にあたることは、離職率を低下させるのに有効だ。しかし、経営層と従業員のコミュニケーションは年々希薄になり、気軽にコミュニケーションをとることが難しくなってきている。

 EDGE社がサービスを提供する社内SNS「airy(エアリー)」はタイムライン上で簡単に全社員にメッセージを共有することができ、リアルタイムでコミュニケーションを図ることが可能だ。

従業員は、直接経営層、リーダー、メンター等のメッセージを受け取ることができ、そのメッセージに直接反応を返すこともできる。経営層にとってもメッセージに対する現場の声を吸い上げることができるため、人事まわりの経営課題にすぐに着手することができる。

 また、企画や部署ごとにコミュニティを作成することもできるため、必要な情報だけをまとめて確認することも可能だ。その他にアンケート機能や提出物の提出、ファイルの共有が簡単にできる機能も整備されており、メール等で個別にやり取りをしていた煩雑さが軽減される。
 本サービスはパソコンからだけでなくスマートフォンでも表示でき、働く場所を選ばず社内の情報がリアルタイムで得ることが可能だ。

TeamSpirit 働き方をリアルタイムで集計、生産性の見える化を実現【労務管理】

 勤怠管理、経費精算、工数管理など、毎日の業務遂行に必要な事務処理を一体で処理できるクラウドシステムが「TeamSpirit」だ。

 従業員は個人のスケジュール、タスク、作業報告、工数、経費などを1画面で管理することができ、毎日データに基づいたPDCAを高速で実現することができる。入力されたデータは項目ごとに集約され、チームや部署ごとにデータを一元化できるため、管理者は自社の働き方を客観的に把握して課題にいち早く対応することが可能だ。
また勤務間インターバルの監視や、36協定に抵触しうる従業員のみを表示することができるため、働き方改革に伴う安全な職場環境づくりにも有効だ。事務処理の時間削減だけでなく従業員の働き方を見える化することで、会社全体の生産性の向上が目指せる。

 システム基盤にはセールスフォース・ドットコムのForce.com (PaaS)を採用しているためセキュリティ対策も万全だ。
全社員のデータを一覧で見る事が可能

全社員のデータを一覧で見る事が可能

SmartHR 労務管理を自動化、入力から申請までクラウド上で容易に【労務管理】

 人事労務担当者が頭を悩ませる業務の一つが、従業員の社会保険・労働保険の手続きである。クラウド労務ソフト「SmartHR」は、煩雑でわかりにくい社会保険・労働保険の書類作成や役所への申請を自動化し、人事労務担当者の業務を軽減させる。

 今まで従業員が手書きで行っていた書類は、従業員に自身の情報を「SmartHR」へ入力してもらうことで、記入漏れや記入ミスを減らすことができ、書類をやりとりする手間もなくなる。UIはシンプルな設計になっており、管理者だけでなく従業員も迷わず使うことができる操作性だ。

 入力されたデータは人事情報として一元管理することができ、マイナンバーの収集や、年末調整の書類作成も簡単に行うことができる。また、個人情報を取り扱うことから、機密情報の暗号化やISO 27001(ISMS)の認証を取得するなど、セキュリティ強化にも取り組んでいる。

 SmartHR社の宮田昇始CEOは、「今後は他社サービスとの連携を強め、さらに労務管理がスムーズに行えるようなサービスを展開していきたい」と話している。2015年11月のサービス開始から約1年半で利用社数が5000社に上り、今後も業種や企業規模を問わず、利用社数を伸ばしていく予定だ。

jinjer 人事データを横断で管理、取得データをAI解析に活用【労務管理】

 人事データを横断的にマネジメントできるプラットフォームを提供するのが、ネオキャリアの「jinjer」だ。

 本サービスは、採用後の役所への各種申請、そして入社後の勤怠管理まで、人事データを一気通貫で管理することが可能。マルチデバイスに対応しており、従業員は出先からスマホやタブレットで勤怠を登録することができ、管理者も同じく対応可能だ。

 さらに、本サービスの特徴は従業員の情報をシームレスに管理することで取得できるビッグデータをAIが解析し活用する点だ。出勤時に従業員の笑顔の写真を撮影し、写真から個人の変調をAIが判定する笑顔判定機能や、打刻時間や残業、有給休暇取得の状況からAIがエンゲージメントを算出するエンゲージメントアラート機能など、蓄積されたデータを活用して人材の定着や育成、活性化を図ることができる。人事業務を効率化するだけでなく、ビックデータを得ることで、企業の人事戦略や経営戦略にも活かしていくことができる。

 今後は年度内に人事管理やマイナンバー管理のサービスを追加する予定。また他社とのアライアンスも視野に入れ、給与計算や福利厚生、人材教育など、さらに人事データを広く活用できるようサービスを拡大していく方針だ。
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