
タイグロンパートナーズ
信藤 啓吾 取締役 マネージングディレクター
【PROFILE】Salem State Universityカウンセリング心理学修士。外資系大手人材サーチファームであるロバートウォルターズで金融マーケット専門のリクルーティングに従事後、2007年、当社の前身である英国アカマイフィナンシャルマーケッツ日本支社の立ち上げに参画。以来、投資銀行、不動産ファンド、PEファンド、そして、一般事業会社のM&A・戦略企画部門、ファンド投資先CFO、コンサルティング会社ファイナンシャルアドバイザリー等のポジションへの転職を数多く支援。産業カウンセラー。英語堪能。
現在の外資系金融機関の採用市場では、投資銀行を中心に人材獲得競争が一段と激しくなっています。背景には、日本企業の事業ポートフォリオ改革やカーブアウト、コーポレートガバナンス改革、PEファンドによる投資活動の活発化が挙げられます。
2025年の国内M&A件数は過去最高となり、PE投資額も過去最高水準に達しました。この流れは2026年も継続しています。
案件は大型M&Aに限らずミッド・スモールキャップまで裾野が広がり、投資銀行、M&Aアドバイザリー、FAS等でも採用ニーズを大きく押し上げています。銀行やアセットマネジメント会社においても採用は引き続き活発に行われています。
採用ニーズが急増する一方で候補者の母集団は増えておらず、深刻な需給ギャップが生じています。その結果、各社は採用対象の裾野を広げています。外資系投資銀行は日系証券の経験者を採用する動きが活発化し、日系証券は未経験者にも対象を広げています。特にFASは、新卒採用枠を大幅に増やし、中途採用ではM&A未経験の人材まで採用する動きが見られます。
求職者から見れば、これまで外資系投資銀行やPEファンドで選考通過が難しかった層にもキャリアの選択肢が大きく広がっています。従来の少数精鋭型の採用から、未経験層を含めて人員を確保しながら組織を拡大する方向へのシフトが現在の特徴です。
今後、採用を成功させるためには、「誰を採るか」という視点だけでなく、限られた母集団から人材を確保しつつ、「採用基準と組織の質をどう維持するか」が重要なテーマとなります。
未経験者や異業種からの採用が増える中、入社後の教育や育成体制の充実が不可欠です。自社の魅力を発信し、多様な背景を持つ候補者を惹きつける採用ブランディングも求められます。
2026年の外資系金融の採用市場は、組織全体の質的向上と育成の仕組みづくりが問われる局面にあります。この変化に柔軟に対応できる企業が、激化する人材獲得競争を勝ち抜いていくでしょう。











