調査・統計

“後継者難”倒産は初の400件超、調査開始以降の最多を更新

2021年度の後継者不在に伴う“後継者難”倒産は404件で、4年連続で前年度を上回り、調査を開始した2013年度以降では初めて400件台となったことが東京商工リサーチの調査で明らかとなった。

2021年度(2021年4月~2022年3月)の“後継者難”倒産は404件(前年度比13.8%増)で、4年連続で前年度を上回り、調査を開始した2013年度以降で過去最多を記録した。

“後継者難”倒産は、負債1000万円以上の倒産全体(5980件)の6.7%を占め、前年度の4.9%より1.8ポイント上昇し、過去最高を更新した。

要因別にみると、最多が代表者などの「死亡」の207件(前年度比22.4%増)で、調査を開始した2013年度以降で初めて200件台となった。“後継者難”倒産に占める構成比は51.2%で、前年度(47.6%)より3.6ポイント上昇した。

「体調不良」は132件(前年度比3.9%増)で、4年連続で前年度を上回った。

代表者などの「死亡」と「体調不良」は合計339件(前年度比14.5%増)で、2020年度の296件を超し、過去最多を更新。“後継者難”倒産に占める構成比は83.9%で、前年度の83.3%より0.6ポイント上昇した。このほか、「高齢」が47件(同67.8%増)で、2年ぶりに前年度を上回った。

産業別にみると、10産業のうち、「農・林・漁・鉱業」、「製造業」、「金融・保険業」、「運輸業」を除く6産業が前年度を上回った。

最多は、「サービス業他」の95件(前年度比28.3%増)で、2年ぶりに前年度を上回り、過去最多を記録した。

このほか、「不動産業」24件(同33.3%増)は4年連続、「建設業」88件(同17.3%増)、「小売業」42件(同7.6%増)は3年連続、「卸売業」70件(同16.6%増)は2年連続、「情報通信業」13件(同44.4%増)は5年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。

一方、「農・林・漁・鉱業」4件(同33.3%減)は3年ぶり、「製造業」56件(同5.0%減)、運輸業12件(同14.2%減)は2年ぶりに、それぞれ前年度を下回った。

金融・保険業はゼロ(前年度1件)で、2年ぶりに発生がなかった。

【産業別 “後継者難”倒産件数】
農・林・漁・鉱業 4件(前年度比33.3%減)
建設業 88件(同17.3%増)
製造業 56件(同5.0%減)
卸売業 70件(同16.6%増)
小売業 42件(同7.6%増)
金融・保険業 0件(同100%減)
不動産業   24件(同33.3%増)
運輸業 12件(同14.2%減)
情報通信業  13件(同44.4%増)
サービス業他 95件(同28.3%増)

業種別にみると、「飲食料品卸売業」が22件(前年度比22.2%増)で5年連続、「飲食料品小売業」が11件(同83.3%増)で2年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。また、機械器具卸売業が22件(同100.0%増)で倍増、受託開発ソフトウェア業(3→8件)を含む情報サービス・制作業が13件(同44.4%増)と、それぞれ増加した。

一方、コロナ禍で動向が注目される飲食業が20件(同20.0%減)、宿泊業1件(同75.0%減)と、それぞれ前年度を下回った。

資本金別にみると、1千万円未満が224件(前年度比14.8%増、前年度195件)で、初めて200件台となった。“後継者難”倒産全体に占める割合は55.4%(前年度54.9%)だった。

このほか、「1千万円以上5千万円未満」が169件(前年度比14.9%増)、「1億円以上」が2件(前年度1件)と、企業規模を問わず、後継者の育成・事業承継が大きな課題となっている。

調査は「人手不足」関連倒産(後継者難・求人難・従業員退職・人件費高騰)から、2021年度(2021年4月-2022年3月)の「後継者難」倒産(負債1000万円以上)を抽出し、分析した。

エナジード
経営者JP

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