人材採用

残業上限規制とAI・ロボ導入で変わる「働き方」【主要人材コンサルティング会社アンケート「2018年 人材需要と採用の課題」】

少子高齢化による労働力人口の減少で人材不足が慢性化する中で、企業は働き方改革による生産性向上を迫られている。2018年の日本の雇用情勢と企業の人材採用数の予測を、企業の人材採用を支援する主要人材コンサルティング会社50社を対象にアンケート調査で聞いた。

●2018年 日本の雇用情勢・人材採用の増減(回答集計)

日本人材ニュース

本誌が実施した企業の採用を支援する人材コンサルティング会社への調査では、2018年の日本の雇用情勢は良くなるという回答が70%、横ばいが27%、悪くなるが3%となった。企業の採用数の予測も増加するとの回答が過半数を占め、若年労働人口の減少も重なり、今年も企業の人材採用はさらに困難を極めることになりそうだ。

このような人材需要について、リスの木村亮郎社長は「急速な少子高齢化による人口減少と年齢別人口のアンバランスさが東京五輪やリニア新幹線のインフラ整備などの関連需要を背景に、地方の中小・零細企業や知名度が低いBtoBの中小・零細企業を中心に正社員はもちろん、全ての雇用形態において、さらに人材不足は深刻になってくるものと思われる」と分析する。

少子高齢化による労働力人口の減少ですでに人材不足は慢性化している。また、働き方改革では残業時間の上限規制などの法改正が進んでいくため、労働生産性の向上は企業にとって早急に取り組むべき課題だ。

すでに生産性向上への取り組みは始まっている。昨年、メガバンク3行は大規模なリストラ策を打ち出したが、業務のスリム化を可能にするのは、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の導入による事務作業の大幅な効率化を見込んでいる。AI(人工知能)やロボットなどのテクノロジーを活用することによって、これまで人が時間と手間を掛けて行ってきた仕事をどれだけ減らせるかを本格的に検討しなければならないだろう。

こうしたテクノロジーの導入が人材採用に与える影響について、ジェイ エイ シー リクルートメントの松園健社長は次のように指摘する。「各業界では業務改革を進めるためAIを導入する企業が増加しているが、この動きは加速することが見込まれる。今後、業務や事業モデルの構築をAIなどの先端技術と人の特性を生かした棲み分けが重要になってくる。その上で明確な事業化や生産性向上のための人材採用の計画が必要となるだろう」

様々な場面でテクノロジーの導入が本格化し、仕事の見直しや働き方改革が進む中で、同時に自社の事業運営に本当に必要となる人材の採用や育成を考える年になりそうだ。

新卒採用

リクルートワークス研究所の19年大卒採用見通し調査によると、採用数が前年より「増える」と答えた企業は15.8%で、比較可能な11年卒以降で最高となった。本誌の調査でも19年卒の採用活動は18年卒以上の求人増が見込まれており、売り手市場の状況が続く。

19年卒の採用活動は、3月広報開始、6月選考開始、10月正式内定というスケジュールが継続されるが、インターンシップや業界・業種説明会など、広報活動開始前の取り組みに注力する企業が増え、実質的な採用活動はすでに始まっている。

早期化が進む中で、学生に対して認知度の低いBtoB企業や中小・ベンチャー企業で採用に成功しているのは、独自のインターンシップに取り組んだり、学生との接点を増やすための工夫を行っている企業だ。

プライマリー・アシストの石山知良社長は「若年層の仕事探し志向が大きく変化し、企業規模、給与などの条件以外に、働く環境面を重視する学生が増えており、企業も対応を迫られている」と訴える。

採用成功企業は自社の魅力を伝えて共感を生むことで意欲の高い優秀な学生を採用できており、内定辞退も少ない。もはや賃金や処遇だけが魅力の採用活動では意欲の高い学生を確保できない。経営者、社員が様々な機会を通して会社の魅力を全社を挙げて伝えていくような採用活動が必要だ。

中途採用

中途採用も人材争奪戦が継続する見込みだ。人材コンサルティング会社の8割以上が今年の求人は増加すると回答しているためだ。

中途採用市場について、リクルートキャリアの佐藤学執行役員は「人材紹介サービス『リクルートエージェント』において、17年の求人数は過去最高を更新し、人材不足が顕著だった。経営幹部、次世代リーダー、スペシャリスト、メンバークラスの人材など、全てのクラスに対し採用ニーズがあり、業界でみても全方位的に採用意欲が高かった」と話しており、あらゆる業種・職種で人材を奪い合っている状況だ。

中でも人材争奪戦が激化しているのは新たなテクノロジー領域で、「AI、ロボティクスなど新たなテクノロジーを実際のビジネスにつなげ、活かせるようなスキルを持つ人材へのニーズがますます高まり、企業の中でいわば『人材の入れ替え』ともいえる要請が高まる」(アクシアム渡邊光章社長)などの声が上がっている。

また、グローバル人材の需要も引き続きひっ迫している。「事業のグローバル展開やコーポレートガバナンスを強化する企業の動きが顕著になっているため、それらをけん引する次世代リーダーのアセスメントや育成ならびに優秀な人材の確保といった取り組みがさらに広がるだろう」(日本コーン・フェリー・インターナショナル妹尾輝男社長)と指摘する声もあり、海外事業をはじめ新規事業を担うリーダー人材のニーズ拡大が予測されている。

優れたスキルと経験を持つ人材には複数企業のオファーが集中し、従来の採用手法では人材を確保できない企業が続出するだろう。

そのため、社内では外部労働市場を意識した処遇の見直しが必要だ。より早いキャリアアップの機会を与えることも候補者には魅力的な条件となる。人材会社の活用では、人材紹介の成功報酬フィーの見直し、リテインド・サーチの活用、採用キャンペーンの実施などが先進企業では当然のごとく実践されている。全社を挙げたダイレクト・ソーシングの推進など打ち手は多い。

働き方改革で多様な人材の活躍を推進

18年は、有期契約労働者の無期転換、同一労働同一賃金や残業規制など、政府による働き方改革を後押しする動きが進んでいく。

フジキャリアデザインの森英昭取締役は「人材派遣など無期雇用化の時機到来により、派遣労働者の契約社員化、タイムシフト、シェアワーク、ダブルワークなどの動きも加速し、働き方が多様化していく」と予測する。

キーンバウム ジャパンの鈴木悦司社長は「外国人、女性、高齢者の受け入れを可能にするダイバーシティマネジメントの達成、主に女性の社会進出の障壁となっている残業時間の削減などが引き続き解決すべき課題となろう」と見る。多様な人材の活躍を推進していくためにテクノロジーを活用し、テレワークやモバイルワークなどの導入を検討する企業も増えるだろう。

採用力の強化に向けて

18年も採用が難しい状況が続くが、レックスアドバイザーズの岡村康男社長は「採用チャネルの開拓」を企業の人材採用の課題に挙げる。テクノロジーを活用した新たな人材サービスが多数生まれ、求職者の活動が多様化していることが理由だ。従来の採用手法だけでは、自社の採用ターゲットと出会うことが難しくなっている。

人事業務にテクノロジーを活用するHRテックの動きが進みつつあり、例えば、場所と時間という制約を越えて応募を受け付けるために、スマホに対応し、どの場所からでも面接ができるツールを活用する企業も出てきている。採用におけるAIの活用事例も増えてくるだろう。

人材不足の中で採用計画を達成するためには、採用条件の見直しも必要だ。ロバート・ウォルターズ・ジャパンのデイビッド・スワン社長は「候補者のスキルセットと職務内容が完全には合致しない場合でも、トレーニングを介せば有用になるスキルを持つ人材を代わりに採用するなどの柔軟な姿勢を示すことが有効」と助言する。

また、テクノプロ・キャリアの北川太社長は「欧米系企業の多くに見られる『Talent Acquisition』と言われる人材の育成、採用部門の『リクルーター』の育成・登用を進めるといった手法をはじめ、採用手法や情報の見直し、採用体制の改善などの改革を進める必要が高まっていくと思われる」と指摘する。

採用を成功させるには、求める人材に応じた採用手法の使い分けが必要だ。そして採用プロセスのスピードアップも図らなければならない。このような手段を講じると同時に、採用担当者のスキルアップと全社で人材採用に取り組むような社内の協力関係を作り上げていくことが欠かせなくなっている。

主要人材コンサルティング会社に聞く「企業の人材需要と採用の課題」

(1)企業の人材需要
(2)企業の人材採用の課題
(3)2018年の人材業界の展望、自社の事業・サービス展開

ロバート・ウォルターズ・ジャパン

ロバート・ウォルターズ・ジャパン
デイビッド・スワン 代表取締役社長

(1)最新IT技術の実用化が広範な業界で広がっている。これに伴い足元ではAI、IoT技術の実用化を担えるエンジニアと、その技術を国内外に売り込めるバイリンガルの営業スペシャリストが圧倒的に不足している。
 同時に、「○○テック」のような新興分野では新しい仕事が生まれている。ビジネス拡大、新領域への参入を目的に即戦力人材を求める企業が多く、経験値と専門スキルが十分なバイリンガルの中堅・シニア層の採用は従来以上に活発化している。

(2)候補者のスキルセットと職務内容が完全には合致しない場合でも、トレーニングを介せば有用になるスキルを持つ人材を代わりに採用するなどの柔軟な姿勢を示すことが有効。
 同時に採用プロセスを効率化し迅速に内定を出すことで、競合他社に優秀な人材を獲られることを避けなくてはならない。競争力のある給与水準だけでは優秀な人材を引きつけるには足りず、柔軟な働き方を受け入れる制度・企業文化、組織内でのキャリアパスなどを能動的に売り込むことが一層求められるだろう。

(3)グローバリゼーション、テクノロジーの進化に伴って、日本でもグローバルやクロースボーダーのビジネスが一層加速しており、業界に隔てなく広範な分野でグローバルのビジネス慣習と英語に堪能な人材を据えたいという企業が増えている。求められるスキルセットを持ち合わせた人材の供給が需要に満たないことから、業・職種での専門性が高いバイリンガル人材が転職内定時に提示される給与額も高まっている。当社では世界最大級の日英バイリンガル人材データベースと30の専門領域に特化したコンサルタントで、企業の採用サポートを強化していく。

経営者JP

経営者JP
井上和幸 代表取締役社長CEO

(1)2017年に拍車のかかった全方位的な人材需要の過熱状況は、2018年においても沈静化する要因が見当たらず、不測の自然災害などの発生がない限り、構造的な人材ひっ迫状態はそのまま継続し、さらに厳しさは増すと思われる。
 経営職・幹部職領域においては、即戦力リーダー人材の調達成否がそのまま事業打ち手の実行可否につながる状況であり、「事業、経営の成否」=「人材採用の成否」がより鮮明となり、話題にも多くのぼる1年となるだろう。

(2)経営職・幹部職層の人材供給がひっ迫する中で、一方では「肩書き>実力」幹部人材についてのミスマッチ(実際のマネジメント力が期待値に満たないため、ポジションを充足したくとも採用決裁できない、あるいは採用後に執行で問題となり問題となる)が頻発することが予想され、企業においてはどの基準・水準で幹部採用を行うか、転職者については期待値通りの成果を出せるポジションに着任しているかが、従来以上に問われる1年となると見ている。

(3)逆説的だが、2018年は、従来以上に経営人材・幹部人材候補者の選定基準値を引き上げ、また依頼いただく経営職・幹部職ポジションについての職務要件の明確化と望ましい候補者人材像の掘り下げ提案を徹底強化する。また、当社ならではの現職執行者へのリーダー人材としてのレベルアップと中長期的キャリア開発について新サービスを含めた事業強化を図ることで、結果として「足元の人材市場過熱状態に負けない」骨太のエグゼクティブ・サーチおよび人材コンサルティングを提供していく。

リクルートキャリア

リクルートキャリア
佐藤学 執行役員 エージェント事業本部 本部長

(1)当社が提供する人材紹介サービス「リクルートエージェント」において、2017年の求人数は過去最高を更新し、人材不足が顕著であった。経営幹部、次世代リーダー、スペシャリスト、メンバークラスの人材など、全てのクラスに対し採用ニーズがあり、業界でみても全方位的に採用意欲が高かった。特にITや新技術分野のエンジニアのニーズが一段と強まり、2018年もこの状況に大きな変化はないと見ている。

(2)労働人口は減少の一途をたどっている。一方で企業は生産性の向上を求められている。今後は、より採用した人材が定着し、その企業でいかにイキイキ働き活躍してもらえるかが重要となる。当社は業界最大のデータの利用や、様々なサービスを通じて採用のみならず、定着、活躍までも支援していきたいと考えている。

(3)求人ニーズ、転職ニーズは引き続き強く推移すると考える。その結果、人材業界自体は活況が続く。その中において、当社は「テクノロジー」と「ヒト」をうまく結びつかせ、より一層求人企業と求職者のマッチング精度を追求し続けることで、事業を進化させたい。

テクノプロ・キャリア

テクノプロ・キャリア
北川太 代表取締役社長

(1)2018年も採用は最重要の企業課題となる。自動運転の開発に伴うAIのエンジニア、走行制御・画像認識の組み込みソフトウエアエンジニア、EV(電気自動車)のモーター、インバーター、リチウムイオン電池の開発に伴う電気系エンジニアなどが依然として採用ニーズが高く、新技術、IoTやIoEの発達、増産に伴う設備投資の増加などを背景に、自動車や産業用機械をはじめ、幅広い業界で人材獲得競争が続く。生産技術、制御設計、品質管理に関わるエンジニアも求められる。開発設計のエンジニアは全般的に不足し、これまで多かった、技術者派遣会社への依存から、直接採用への切り替えが生じており、経験者の獲得競争が一層激化するだろう。

(2)優秀な候補者が複数の内定・引き合いを持っている環境において、採用を成功させるためには、人材の要件をより一層明確にした上で採用活動を行うことが不可欠。他社との違い・自社のアピールポイントだけでなく、入社後にどのようなキャリアプランが描けるか、具体的な給与はいくらになるか、どのような環境で働けるかなど、候補者目線に立った情報を明確に候補者へ提示する必要がある。欧米系企業の多くに見られる「Talent Acquisition」と言われる人材の育成、採用部門の「リクルーター」の育成、登用を進めるといった手法をはじめ、採用手法や情報の見直し、採用体制の改善などの改革を進める必要が高まっていくと思われる。

(3)テクノプロ・グループでは、企業の海外技術者の直接採用を支援するため、外国人技術者の就転職ニーズと企業の採用ニーズをウェブ上でマッチングするオンライン採用プラットフォームサービス「talent hub」を開始。SNS連携・コミュニティ機能やスキル判定テスト機能、マッチング支援機能を有することで、外国人技術者の国内での就転職におけるミスマッチの解消、企業の要求スペックに的確・迅速に対応する。また、外資系を中心としたエグゼクティブ・サーチを行うBoyd&Moore Executive Search、シンガポールを拠点とし、アジア各国に強みを持つHRnetGroupとの資本業務提携により、アジアを中心とした人材獲得力の強化を進めている。グループ全体の人材紹介機能の強化により、技術系人材プラットフォームを目指していく。

ジェイ エイ シー リクルートメント

ジェイ エイ シー リクルートメント
松園健 代表取締役社長

(1)海外各国、特に中国で自動車のEV化が進む中、自動車関連業界や自動車業界進出の他業界含めて人材需要が多様化。東南アジアでは、ベトナムが製造業に加えて日系サービスおよび小売業が伸張。ただし、各国で外国人に対する雇用規制が進む傾向があり、現地採用化と日本人に関しては高額帯に進むと予測。国内においては、引き続き景気に支えられた人手不足感も顕著になっていることから人材ニーズの高まりは継続するだろう。引き続き、グローバル化、イノベーション、地方創生などに加え、東京五輪関連やインバウンド需要が続き高いことから、語学力を有する人材ニーズも一層高まる。一方で、AIなどの導入によりメガバンクを中心に人員削減の計画が進み、他業界も先端テクノロジー(AIやIoT関連、ロボット、自動車の自動運転など)により代替される職種も増えるが、人材需要全般は引き続き高いまま維持するだろう。

(2)グローバル化とイノベーション、地方創生などにかかわる人材が慢性的に不足していることから、この二つに関連する人材の採用と育成が課題。各業界では業務改革を進めるためAIを導入する企業が増加しているが、この動きは加速することが見込まれる。今後、業務や事業モデルの構築をAIなどの先端技術と人の特性を生かした棲み分けが重要になってくる。その上で明確な事業化や生産性向上のための人材採用の計画が必要となるだろう。全般的には、より企業の多様な人材の採用と、人材の流動化が進んでいかないと世界の流れに後れを取ってしまう。現状、景気の影響もあり優秀な人材の確保する難易度が上がっている一方で、自社の優秀な社員のリテンションに手を打つことも必要だ。

(3)職業安定法の改正により人材紹介事業者はコンプライアンスやガバナンスの強化が求められることになるが、これにおいては人材紹介業がより健全なビジネスに発展することにつながるきっかけになると考えられる。また、質の高いサービス提供に取り組んでいかないと景気減退期には、ダメージを受けるだろう。当社ではコンプライアンスとガバナンスを強化し、質の高いサービスに取り組んでおり、さらにこれらに注力することで業界を牽引する存在でありたいと考えている。なお、当社では事業の拡大に向け優秀なコンサルタントの確保・育成などに注力するだけでなく、エグゼクティブ領域、外資系企業に特化したJAC Internationalも強化し、人材紹介業として規模拡大を図るための人材への投資を行っていく。

A・ヒューマン

A・ヒューマン
高橋英樹 代表取締役社長

(1)伝統的企業では、「市場の拡大」的発想でM&A経験者、海外展開経験者、海外現地法人CxOなどのニーズが増加すると予想している。一方、イノベーションこそが生き残りのための最重要テーマと考える革新的企業は、テクノロジーを梃子にした新規事業/新規サービス開発者、既存事業変革者を外部から採用するとみている。

(2)全体感としては需給のギャップ。企業側からの人材需要に対して供給が追い付いていない状況が続くと思われる。とりわけ技術革新の分野での AI、VR、IoT関連のシステム開発技術者や基板系開発技術者は争奪戦の状況で採用が非常に困難になっている。

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ
岡村康男 代表取締役

(1)昨今の若年労働力不足を背景に、2018年の企業における人材の需要はますます高まっている。それに伴い、企業では、女性やシニア・外国人など多様な労働力の活用の検討や、多様な人材の働きやすさを考えた労働環境の整備、様々な人材を採用するための採用チャネルの開拓など、多くの課題を抱えている。
 また、限られたリソースの中で企業の生産性を高めるべく、適切な配置転換・評価を行うための人事システムの導入や、従業員の能力・満足度向上のための研修プログラム検討など、人材における企業の課題もますます多様化していくと考える。

(2)労働力を確保するため、採用チャネルの開拓が企業の一番の課題であると考える。ITのますますの発達により、逆求人サイトやSNS型求人など、新たな人材サービスが多数生まれており、それ伴い求職者側の活動方法も多様化している事が要因だ。採用ターゲットである求職者はどこにいるのか、その求職者にはどのようなアプローチが効果的か、といった戦略的な採用の実行が必要不可欠となるだろう。また、優秀な人材獲得の為の社内整備も合わせて行っていく必要がある。

(3)経理・財務職の中途採用動向に関して、上場企業は日本企業のM&A案件の増加を背景に、未上場企業は業績好調によるIPOに備えた形での求人数が増えている。当社は、株式公開支援のコンサルティングからスタートした、公認会計士・税理士をはじめとする管理部門に専門特化した人材紹介会社だ。求人企業が必要とする人材に対し、経営的な側面から詳細なヒアリング・アドバイスを行うことで、今後も新しい産業作りへの貢献や、成長性のある企業を支援していきたいと考えている。

リス

リス
木村亮郎 代表取締役社長

(1)急速な少子高齢化により人口減少と年齢別の人口のアンバランスさが2020年東京五輪やリニア新幹線のインフラ整備などの関連需要を背景に、地方の中小・零細企業や知名度が低いBtoBの中小・零細企業を中心に正社員はもちろん、全ての雇用形態において、さらに人材不足は深刻になってくるものと思われる。製造、建設、IT技術者、宿泊・飲食・流通などの業種は、2017年度に引き続き求人難が拡大基調で推移することは明らかだ。地域偏差に関しても若年層の大都市への労働流入が続き、地域バランスの拡大が深刻な状況になってくるものと思う。

(2)自分で望まない非正規労働者の減少や紹介予定派遣の減少などから類推できるように、正社員採用を中心に人材採用を多角的に大企業だけでなく中小・零細企業も捉えていかなければならない。大手企業であればIoTやシステムなどの新技術への開発投資も比較的容易と思われるが、中小企業では同じようにはできない。そのためにはインターンシップやSNSなどのインターネットを活用した企業情報だけでなく、情報発信の強化、短時間労働のシェアリング、定年の延長、退職金制度の充実、自由な会社イベントや福利厚生、在宅ワークなど様々な手を各種補助金も視野にいれて打っていかねばならない。女性労働者・シニア人材・外国人労働者など多様性をもった採用が必要になってくるだろう。

(3)2018年は法改正による人材業界激変の年度と言える。4月は労働契約法の無期雇用転換の5年問題、9月は派遣法における特定派遣の廃止及び組織単位の抵触日の3年問題があり、求職者不足の中で各人材会社の競争は激しくなると思う。当社は、既存登録人数83万人超え・月間新規登録5000人平均・日次登録200人超え(平日)の「しごとナビ」をプラットフォームとして開放し、人材会社の大同団結を提唱し進めていく。個々の力は小さくともグループとして、営業情報・人材情報を共有するプラットフォームによって、全国サポート体制を強化していけると考える。

日本コーン・フェリー・インターナショナル

日本コーン・フェリー・インターナショナル
妹尾輝男 代表取締役社長

(1)事業のグローバル展開やコーポレートガバナンスを強化する企業の動きが顕著になっているため、それらをけん引する次世代リーダーのアセスメントや育成ならびに優秀な人材の確保といった取り組みがさらに広がるだろう。

(2)AIなどデジタルテクノロジーを用いた事業構造の改革に取り組む企業が増える中で、デジタルを理解し活用できるエグゼクティブ人材が少なく採用難であること。

(3)①ビジネス・トランスフォーメーション(アセスメント&タレントマネジメント、リーダーシップ開発、デジタル人材のサーチ、人事制度の再構築)、②グローバル化(グローバル人材の育成、採用)、③コーポレートガバナンス(後継者育成計画、エグゼクティブアセスメント)を主なテーマにクライアントの課題解決を支援していく。

プライマリー・アシスト

プライマリー・アシスト
石山知良 代表取締役

(1)人生100年時代構想の方向性にもある通り、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えている。加えて少子化の傾向は大きく変わらず「生産年齢人口」の減少は引き続き加速している。これによる労働力の減少、労働力の高齢化により働く環境を変化させていくことが求められており、あらゆる分野における労働力の確保は、会社の規模を問わず経営課題であることに変わりはない。働き方改革による労働環境の整備に加え、働きがい改革も求められてきている。

(2)新卒採用においては、近年若年層の仕事探し志向が大きく変化し、企業規模、給与などの条件以外に、働く環境面を重視する学生が増えており、企業も対応を迫られている。法定雇用率の改定、障がい者採用、さらにはLGBTまでと採用の多様化が求められてきた。「健康経営優良法人」を取得した企業が、一般企業に比べて4倍近い母集団形成を実現した実例も出ており、それぞれの企業、事業展開を考慮した採用戦略は避けて通れない。採用力の差が、事業運営に大きな影響を及ぼす時代となってきている。

(3)業界全般では引き続き好況が続くと思われますが、サービスに特徴を持った会社とそうでない会社の差がますます広がるタイミングに来ていると感じる。当社では、創業から一環して「健康経営」の普及、推進支援を手がけており、それに伴う「産業医療職」に限定した人材サービスを展開している。自らも「健康経営優良法人」を取得し、そのノウハウを中堅・中小企業まで広めるべく取り組みを推進し、予防・未病のプロフェッショナルである産業医・保健師・看護師から心理職まで、健康経営実現を支える人財の供給に取組んでいる。

テクノブレーン

テクノブレーン
能勢賢太郎 代表取締役社長

(1)人材需要はほぼピーク。ここまで至ると雇用をせずに業績を伸ばすことを真剣に考え始める。

(2)優秀人材の確保。

(3)徹底的に優秀人材獲得の手法を磨いていく。

MS-Japan

MS-Japan
中園隼人 取締役 J事業部長

(1)2018年も2017年からの流れが継続し、首都圏を中心に企業の人材需要は増加していくと予想している。新卒・中途採用共に正社員ニーズは増加し続ける一方で求職者が不足している売り手市場が続き、意欲・能力の高い働き手を確保するために、働き方の多様性がさらに重要視されていく傾向が強まるだろう。そのため正社員に限らず、アルバイト・パート、派遣社員といったワークスタイルを敢えて希望する求職者も増加するのではないだろうか。

(2)求人数に対して求職者が不足する傾向が鮮明になり、人材採用活動の難易度は更に高くなっていく。特に、20代~ 30代前半の人材採用は最も難易度が高くなる。一方、40代後半~ 50代の人材に関しては、求職者不足にはなっていない。また経験豊富な即戦力も多いので、柔軟な組織構築や受け入れ体制整備が可能な企業は、積極的に40代後半~ 50代の人材採用を検討して、人手不足を解消することができる。

(3)職業安定法が改正され2018年1月1日より施行されることになるが、今後、さらに、法令による規制が厳しくなっていく。法令順守した雇用条件の明示など、今まで以上に真摯に向き合っていくことが求められるため、大手エージェントと中小エージェントとの格差が表れてくる可能性があるのではないだろうか。当社は数少ない株式上場しているエージェントとして、利用者が安心してサービスを利用できる環境の充実も大きな使命だと感じている。

エリメントHRC

エリメントHRC
狩野洋輔 代表取締役

(1)2017年に続き、堅調に推移していく。全体的には、人口減少=人不足からシニアの有効活用に乗り出す企業が増えていく(再雇用・定年延長・顧問など)。メディカルヘルスケア業界においては、ヘルステック(ヘルスケア事業領域におけるIoT・AI)の推進やこれに関わるIT人材の活用などが期待される。

(2)中途採用は、新卒採用と同じく、人材争奪戦の様相が予想される。若年層においては然ることながら、直近のトレンドとしてミドル・アッパークラスにおいても、優秀人材は引く手数多=売り手市場となっている。企業は定着性の観点から、在宅・テレワークやフルフレックス・LGBT問題など、求職者にとって自社をどうアピールしていくか、優秀な人材をどう確保していくかが課題となる。

(3)2017年末、厚生労働省は薬価制度の抜本的な改革案(従来に比べ大幅な引き下げ~後発薬への加速化推進)が固まった。製薬メーカーは「画期的な新薬開発」に余念がない。ポジションとしては開発ポジションの増加やCRO・CSO=アウトソーサーをいかに上手く使っていくかで、今後の成長・生き残りが顕著に分かれる。メディカルヘルスケア業界全体の採用は、昨年よりさらにダイバーシティ(多様性)・ポジティブアクション(女性活躍推進)が期待される。当社においては、E&P(Executive&Professional)Teamを強化し、企業の採用ニーズを満たしていく。

フジキャリアデザイン

フジキャリアデザイン
森英昭 取締役人材紹介部長

(1)表向きの好況感と東京五輪への景気上昇期待により人材需要は多く見込まれるが、実際には売り手市場による併願での内定辞退がより求人倍率を上げている面もあり、必要な&優秀な一握りの人材を求めての獲得競争が続くと思われる。2018年問題のひとつ、人材派遣など無期雇用化の時機到来により、派遣労働者の契約社員化、タイムシフト、シェアワーク、ダブルワークなどの動きも加速し、働き方が多様化していく。

(2)2018年中は売り手市場が続き、必要な&優秀な一握りの人材を求めての獲得競争が続き、優位な企業は厳選出来るが、他は辞退に悩まされる状況が続く。人材不足が企業のAI化を早め、徐々に働き方の変革が起き、2020年以降&AI化後の将来を見据えた人事政策が課題になってくると思われる。

(3)人材不足とAI化により必要な人材がどんどん変化していくが、その時期の見極めで業績が左右されていくのではないか。当社ではニーズの先取りと手間隙をかけた丁寧な人材紹介を続けていく。

東京エグゼクティブ・サーチ

東京エグゼクティブ・サーチ
福留拓人 代表取締役社長

(1)2018年前半は2017年の流れをそのまま引き継ぐ形で全体的に「売り手市場」の一層の加速化が進む可能性が高いと見る。一部の不祥事や業界構造から来る業績不振からの立て直しを図っている一部の企業群を除いては設備投資を行いやすい環境が続くため、引き続き多くのポジションでジュニア~中堅上位の職位までの採用合戦が継続すると思われる。

(2)人員計画に沿って不足する要員を採用していくだけでなく、社員一人当たりの生産性などを意識し投資対効果を上げていく、緻密な採用を企業サイドも学習していくべきだ。好景気は永続せず、競争環境は厳しくなる一方なので採用&リストラの従来型の繰り返しだけでなく、科学的な人事管理手法を景気減速に備えて企業は学んでいくべきだ。

(3)ピュアサーチに特化したリテインドサーチを2018年も原理原則として、クライアントの特に採用難易度の高いプロジェクトに限定して提供していくことで付加価値を生み出し差別化を図ることを引き続き継続したい。またピュアサーチのノウハウを蓄積から派生した、各種リサーチ業務(レファレンス代行や、素性調査など)を関連事業として新規展開していく予定だ。

プロフェッショナルネットワーク

プロフェッショナルネットワーク
田口朗 人材紹介事業部長

(1)特定の専門性を持つ人材、グローバルに対応できる人材の需要は今後も旺盛な状態が続くと思われる。

(2)企業のキャリア人材需要は引き続き堅調に推移すると思われるが、特定の年齢層への需要の偏りはなかなか改善されない。このために、需要と供給のアンマッチ状態は続くと思われる。特に専門性の高い職種では人材の争奪戦のような状態となっており、1年かけても採用ができないポストも多く存在する。企業側には、活用できる人材の幅を拡げていくダイバーシティの推進と意識改革がさらに求められよう。

(3)昨年度より、中国の企業への人材紹介を開始し、高年齢ではあるが高度な専門技術を持つ人材の紹介成功事例が多くつくることができている。新年度についても自動車業界を中心に新たな紹介先の開拓ときめ細やかな対応(企業側にも紹介人材側にも)を心がけていきたい。

エススリー・ジャパン

エススリー・ジャパン
ハブグッド・グラント 代表取締役

(1)2018年に予定されている労働者派遣法と労働契約法の改正により、派遣社員の雇用に消極的になると懸念され企業へのコストの増大が考えられる。金融機関に対する法的圧迫が強くなってきている近年、コンプライアンス、リスク管理、会計士などの需要が高まってきていて2018年も増加する傾向にある。日本経済の改善傾向がみられており、アセットマネジメントや投資銀行の分野などでフロントオフィス経験者への需要が増加している。金融業界全体でデジタル化に力を入れる流れは続くだろう。ライフサイエンス・ヘルスケア業界では、新しい治療薬の開発がブームを迎えており、メディカルアフェアーズやメディカル・サイエンス・リエゾンなどの業務への需要が増加している。医師などがインターネットを通して情報などに耳を傾け始めたことによって、特殊なスキルなどを強いないMRの需要は下がる傾向にあるだろう。金融業界と同様に業界全体でのデジタル化推進によるデジタル領域の経験者への需要は強まるだろう。IT業界では、暗号通貨への注目が日々強まるフィンテックの分野でブロックチェーンと共にフィンテック関連の多数の会社が日本市場へと参入して、人材採用もより積極的に行われるだろう。サイバーセキュリティの分野は、2018年も成長し続けて需要がさらに高まるだろう。

(2)当社が採用の支援をしているライフサイエンス、IT、金融分野で共通して言えるのは、日本市場が改善の傾向がみられ、限られた人材の中からより多くの企業が積極的に採用に取り組み始めた。この需要に供給が追い付かない現状により、優れた方への企業が提示する金額が増加するだろう。五輪も間近に迫り昨年の流れに続いて2018年も企業にとって好ましい一年になるだろう。

(3)2017年は、一部の人材紹介会社が撤退したり、期待以上のサービスを提供できなかった企業がマーケットシェアを失ったりと人材業界にとって厳しい1年だったといえるだろう。当社では、最新のテクノロジーを駆使してコンサルタントが常にニーシュな分野のスペシャリストとして企業の採用に貢献できるよう努めている。また、多くの企業が人材紹介業者を利用する流れから社内採用担当者を採用する形に移ってきている傾向がみられる。そのため人材紹介会社の利用が低下し、企業の採用ニーズを深く理解して期待以上の成果を上げられる企業がうまくいくだろう。

パーソルキャリア

パーソルキャリア
勝野大 執行役員 人材紹介事業部長

(1)需要は引き続き高止まりする一方で労働人口減少に伴い競争が激化。多様な働き方を受け入れていく意味も含め雇用ニーズは拡大する。

(2)採用チャネルの拡大とマーケットに合わせたターゲティング調整が肝。働き方の多様性にどう対応できるかも大きな鍵。

(3)より幅広い個人に機会を提供するためのサービス拡充、コンサルテーション価値の拡大を図る。

キーンバウム ジャパン

キーンバウム ジャパン/K.J. コンサルタンツ
鈴木悦司 代表取締役社長

(1)2017年10月の有効求人倍率は1.55倍と43年9カ月ぶりの高水準ということで、雇用者側の人材確保は厳しい状況となっている。採用に携わる我々としても、こうした状況は皮膚感覚として実感できる。このような状況は今年も続くであろうし、少子高齢化、労働人口の減少という問題を抱えた国内市場ではより顕著なものとなるだろう。

(2)このような状況の中で、企業の人事採用に関わりをもつ人事課題として、(外国人、女性、高齢者の受け入れを可能にする)ダイバーシティマネジメントの達成、(主に女性の社会進出の障壁となっている)残業時間の削減などが引き続き解決すべき課題となろう。また、専門技術、専門知識を持つスペシャリストの中途採用とそれによる組織の最適化が日本で問題となっている生産性向上の一助となるのではないだろうか。

(3)日本の人材紹介業者は、欧米の人材サービスの先進国と比べ、クライアント企業の業容を把握し、企業文化、風土まで理解した上で積極的に候補者にアピールする力に欠けていると感じている。この点を改善することで、業界全体の付加価値を高め、認知していただくことができるのではないだろうか。当社としては引き続き外資系企業のみならず、日本企業、特に優秀な製品、サービスをもつ中小企業を中心に、グローバル人材の発掘を通じ、日本企業の海外進出を人事面でサポートすることで社会貢献していきたい。

アクシアム

アクシアム
渡邊光章 代表取締役社長

(1)AI、ロボティクスなど新たなテクノロジーを実際のビジネスにつなげ、活かせるようなスキルを持つ人材へのニーズがますます高まり、企業の中でいわば「人材の入れ替え」ともいえる要請が高まると予測する。また、リモートワークを容易にする技術革新や、優秀な人材が高コストの東京にこだわらず海外や地方に目を向けるようになったことから、地方勤務での採用を拡大する流れが見られる。その流れは大企業に限らず、有望な中堅企業、ベンチャー企業、外資系企業でも強まるだろう。

(2)年功序列、年齢給に代表される旧来型の人事制度と決別できた企業が、優秀な人材の獲得に成功していくと思われる。実際の採用の場面になってから人事制度上の課題について一件ごとに対処療法的に解決するのではなく、より個人の能力・実績を評価するような魅力的かつ柔軟な人事制度を“事前に”用意できるか否かが分かれ目となるだろう。

(3)採用企業側にも、個人のキャリア相談者にも、より本質的なコンサルティング能力を高めていく必要がある。採用を成功に導くノウハウの提供と採用戦略の提案、長期視点を兼ね備えたキャリア構築のアドバイスなどがより求められている。また、地方の中堅企業を中心とした事業承継問題が深刻化する中、豊富なマネジメント人材とのネットワークを有する当社が橋渡しをし、地方産業の活性化の一翼を担いたいと考える。

マンパワーグループ

マンパワーグループ
池田匡弥 代表取締役社長

(1)当社の雇用予測調査2018年第1四半期の結果では、調査対象の1090社中、26%の企業が「2018年1月から3月の雇用計画について2017年10月から12月に比べて増員する」、「変化なし」が47%、3%が「減員」と回答している。これは、リーマン・ショック後の10年で最も好調な値だ。業種別では「運輸・公益」、次いで「鉱工業・建設」が昨年に引き続き、活発な雇用活動が予測されている。

(2)日本の人材不足、雇用のミスマッチは、企業にとって喫緊の課題とされている中、世界の労働市場では「次世代ワークスタイル(パートタイム、臨時職員、契約社員、派遣社員、フリーランス、個人事業主、オンデマンドのオンライン勤務)」を高く支持する国が増加している。当社の調査では、新興市場が「次世代ワークスタイル」を最も積極的に受け入れており、インドとメキシコでは、97%がフリーランス、契約社員、派遣社員、個人事業主に抵抗がないという結果となった。雇用率の高い成熟市場がこれに続き、転職が当たり前の米国や労働市場に柔軟性がある英国・イタリア・オーストラリアなどは、いずれも新たな就労モデルを受け入れ、雇用創出を促し、ワークフォースへの多様な参入経路を生み出している。日本は世界で最も「次世代ワークスタイル」の受け入に慎重という結果だが、人材採用の課題に対応するためには、世界のワークスタイルを検討・導入する取り組みも必要だろう。

キャリアエピソード

キャリアエピソード
備海宏則 代表取締役

(1)雇用形態問わず企業の人材需要は引き続き旺盛だと思う。なお、2018年で一番大きな変化としては派遣法改正の影響がどこまで企業側、働く側に出るかになると思う。業種による善し悪しよりも個別企業ごとの善し悪しの方がより鮮明に出てくると思う。職種、ポジションについては特にデジタルマーケティング、AI、データサイエンティストなど業種問わず急に需要が増している割に経験者が少ないマーケットが活況になると思う。

(2)「採用マーケットが活況過ぎて、なかなか良い人材が確保できない」というのが企業共通の課題になると思う。また、「ダイバーシティ」を掲げて女性社員の割合をKPIとして動いている企業などはそろそろ本気で取り組んでくるかと思う。採用手段もエージェント中心だったところから、ダイレクトソーシング、社員紹介などここ数年手段を増やして試してみたものの、成果がもう一歩だったケースも多く引き続き採用手段の多様化についてはトライアンドエラーになると思う。

(3)人材業界全体としては明るい展望があると思うが、これまでの単純な人材紹介・人材派遣サービス以上のソリューション提案ができない場合、多様化し難易度を増していく企業のニーズには対応できなくなってくると思う。当社としては引き続き人材紹介サービスとRPOを同時に行い、企業の中と外からの視点でクオリティー高いサービスの提供をさせていただければと思う。

パソナ

パソナ パソナキャリアカンパニー
久保昭仁 取締役専務執行役員

(1)好調な業績と人手不足の両面で人材需要は活況と予想する。人口動態的に若手は採用難なので年齢や性別への縛りがゆるくなる。50代や60代にもチャンスあり。

(2)採用が苦戦するので、リテンションや定着、教育に注力する企業が多くなる。また社員紹介(リファーラル)にも注力する。

(3)転職者集客と顧客目線のサービスが鍵を握る。マーケットには求人情報が溢れており転職者は本当に欲しい情報が提供できるかや、なぜこの求人を薦めるのかなどをしっかり言える会社が良い評判を獲得すると思う。

島本パートナーズ

島本パートナーズ
秦一成 執行役員 パートナー

(1)企業は業種、規模を問わず熾烈な国内外競争を生き抜き、企業成長を実現して行くために、海外進出や新規事業展開などを一層加速していくだろう。そうした分野では、自社内人材では対応しきれない場合が多く、外部の即戦力人材需要はますます拡大することが見込まれる。

(2)AI関連人材やロボット関連人材などの人気分野は需要過多状況の継続が予想され、採用企業は報酬面や勤務地面などで、従来の体制にとらわれない相対的に魅力ある対応策を柔軟に講じることが必要になる。今後は、当該企業経営陣の中途人材採用に対する関与度、覚悟が一層問われることになるだろう。

(3)当社はヘッドハンティング専業であるが、近年、顧客企業数・案件数が急増してきている。その背景には、企業が上述の様な戦略的人材補強をする際に、人材紹介会社に対して当該高度人材の発掘力や採用実現力を求める傾向が強まっていることがある。今後も、こうした状況は継続することが予想され、当社は創業来20年間にわたって培ってきたノウハウ、ネットワークを活用し真摯かつ徹底的に対応していく。

メイテックネクスト

メイテックネクスト
河辺真典 代表取締役社長

(1) 技術者の採用ひっ迫度は採用充足率の低い状態が継続している地方においてさらに高まると思われる。

(2)そもそもIT業界内でIT人材獲得競争が激化しているにもかかわらず、異業界からもIoT化のトレンドに伴い、IT人材募集が積極化してきている。IT人材採用は困難を極める方向にある。

(3)紹介業者に対する契約企業からの紹介フィー交渉(値上げ)も含めた積極要請の高まり。新卒採用の見直し(拡大)に対するサービスへの要望高。高い顧客要望に応える体制づくり(人材採用による対応力の拡大、拠点展開、人材集客広告への積極的投資)を進める。

コンコードエグゼクティブグループ

コンコードエグゼクティブグループ
武中康泰 社長室/エグゼクティブコンサルタント

(1)2017年に引き続き、即戦力の経営者人材を求める傾向は一層強くなるだろう。ビジネスサイクルの短期化やグローバル化に伴う競争スピードの激化に伴い、企業の大小を問わず、海外進出やM&Aによる業容拡大、インターネットやAIを活用した新規事業へ生き残りをかけて取り組む必要が出てきている。こうした各分野でビジネスを加速させることのできる即戦力の経営者人材は、さらに引く手数多となるであろう。特に、AIを活用した事業立ち上げを検討する企業は非常に増えているため、AI技術に関するスペシャリストはもちろんのこと、AIを活用した事業立ち上げ経験者に関する需要はさらに増すと考えられる。

(2)経営者人材やAI系の事業立ち上げ経験者へのニーズがひっ迫するに伴い、そのような人材に対して転職市場で提示される年収水準が上がってきている。そのため、十分な給与水準のオファーを用意できなければ、優秀層の採用に苦戦することとなるだろう。また、そのような競争の激しい人材の採用に固執せず、経験豊富で即戦力となる優秀な女性やシニア・エグゼクティブ人材の採用を進める必要がある。ダイバーシティや、柔軟で多様な働き方・勤務形態を整備し、その魅力を伝えられるかが採用上の重要なポイントとなるだろう。

(3)当社は、次世代リーダー人材の紹介に加え、シニア・エグゼクティブ層の人材紹介を一層加速していく。日本の経済発展を支えてきた大企業や世界的に著名な外資系企業、新進気鋭のベンチャー企業から採用に関する問い合わせを数多くいただいている。当社の積み上げてきたネットワークを駆使し、一流のエグゼクティブ人材を紹介することで、企業の躍進に大きく貢献する事例がさらに増えていくだろう。人材紹介事業以外では、キャリア教育活動への取り組みを拡大させていく。2017年秋にはキャリア戦略に関する書籍「未来をつくるキャリアの授業」を出版。また、東京大学で3・4年生と院生を対象とするキャリア設計の授業「キャリアマーケットデザイン」(全12回)を開講した。2018年以降は他大学や中学校、高校へとさらにキャリア教育活動を広げていく。また、スタートアップへ投資を行う「コンコードキャピタル」を通じて、社会起業家の支援を行っており、引き続きこのようなソーシャルスタートアップ支援活動を加速させていく。

フォーリープ

フォーリープ
山際尚徳 代表取締役

(1)最も顕著なのはデータサイエンティストやAI技術者の採用ニーズだ。より一層のDigitalizationが進む中、2017年より採用ニーズは断然増えると予想される。この流れはしばらくは技術者の人材不足が続くため解消されることはないだろう。 一方、デジタルの影響力が低い地方の事業においては営業の採用ニーズが根強い。ある程度の経験値を積んだ企業は採用力強化のために雇用形態を契約社員から正社員に切り替え採用を行い、新規プレーヤーは景気の流動性に耐えるためか、契約社員で採用することが多い。

(2)採用のスピードが大きなポイントになるだろう。この数年、企業の面接回数は2回から3回に変わった会社が多く感じる。理由は2つあって、1つはミスマッチを恐れるために丁寧になったこと。もう1つは企業の権限移譲がうまく行われていないことが挙げられる。どの会社も似たようなスペックの人を欲しがるのであれば、あとはどのように人を惹きつけるのかがポイントになり、採用上はそのポイントがスピードであることが多い。

(3)2018年、人材業界はよりデジタル化が進み、そのサービスの品質に大きな差がなくなってくると推察される。だから我々は顧客から選ばれる存在になるべく、他の人材紹介会社にない個性を持たなければならない。顧客のコミュニケーションスタイル、思考、そして時代にあわせたサービスデリバリーを実現することが2018年度の当社の展望だ。

ダイジョブ・グローバルリクルーティング

ダイジョブ・グローバルリクルーティング
篠原裕二 代表取締役

(1)18歳人口が減少することによって、日本企業の労働者確保はさらに激化すると考えられる。一部金融機関などは収益確保のために中期で採用を制御する動きなどもあるが、産業全体において採用意欲が衰えることはないと予測する。

(2)給与レンジの低い業種についてはさらに採用が難航し、一般レンジ以上の業種についても人材の質を保つことが困難となり、生産性の向上が大きな課題となるだろう。そのため、業務のシステム化を進める動きが今まで以上に加速し、開発・保守・運用のIT人材の獲得も深刻な課題となるだろう。

(3)上記の課題を解決するために、外国人材の活用が大きなポイントとなる。特にIT人材については、政府も積極的に受け入れる方向であり、企業側でも必要な日本語レベルの基準を下げ始めている(当社統計)。また当社の運営するバイリンガル転職サイトでは、IT領域において企業側の外国人採用ニーズが急激に高まっている。当社では日本で希少なAI、セキュリティー系の高度人材の調達ができるため、それに伴い今後も世界各国からの流入を強化していく予定だ。

ブラックピジョン

ブラックピジョン
武藤修一 シニアコンサルタント 事業責任者

(1)2018年は、英語だけでなく中国語などより一層の語学力需要が増すと思われる。そして現時点でそうしたスキルを兼ね備えた候補者だけに目を向けるのではなく、語学力やあらゆるスキルを身に付けられるような企業としての体制を整えることも必要。日本では欧米と比べて既存社員の満足度を高める制度には疎いと言われるので、時代に合った新たな制度を設けるなど、現時点で活躍中の社員の満足度を高めることは活性化を生む一つの方法ではないか。

(2)従来の採用方法では良い候補者を採り逃がすことになるだろう。優秀な候補者であればあるほど時間が無いわけで、書類選考から本社での面接を悠長にしているのではなく、時にはSkypeで面接を行ったり、土日や夜間での面接対応を行ったりするなど、フレキシブルに日程調整を行う採用側企業の歩み寄りは必要だ。こうした対応一つが、その企業の社風や時代に合った体制か否かという候補者の判断基準にもなるだろう。

(3)各法改正に伴い、候補者に開示する案件の情報量の精度とスピード感にはより一層敏感になる必要がある。クライアント企業、候補者の両者に対し期待以上の対応をいかに行えるかが優秀な候補者のプレイスメントには欠かせない。採用する企業側だけではなく、その企業の情報をいかに素早く的確に伝えていくかという、我々エージェント側のフレキシブルさも大きな鍵を握るだろう。アパレル業界の店舗採用のサーチ需要が増加しているため、サーチチームを増員し、登録型サイトにいない候補者のダイレクトヘッドハントをさらに強化する。アパレル店舗採用については地方都市のサーチに力を入れる。

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