人材採用

働き方改革で拡大する採用力格差【主要人材コンサルティング会社アンケート「2019年 企業の人材需要と採用の課題」】

少子高齢化による労働力人口の減少で人材不足が慢性化する中、企業は働き方改革による生産性向上を迫られている。2019年の人材需要と採用の課題を、企業の人材採用を支援する主要人材コンサルティング会社のトップ・事業責任者に聞いた。

目次

採用数の予測は増加するが過半数

●2019年 日本の雇用情勢・人材採用の増減(回答集計)

アンケート

本誌が実施した人材コンサルティング会社への調査では、今年の日本の雇用情勢は「良くなる・やや良くなる」という回答が56%、「横ばい」が35%、「やや悪くなる・悪くなる」が9%となった。採用数の予測でも増加するとの回答が過半数を占め、活発な採用活動が継続する見通しだ。

少子高齢化による労働力人口の減少に加え、4月からは働き方改革関連法の施行で残業規制などが義務化されるため、労働生産性の向上が企業人事にとって最重要テーマとなっている。企業の生産性向上について、リクルートキャリアの佐藤学執行役員は「今まで以上に、採用した人材が定着し、その企業でいかにイキイキ働き活躍してもらえるかが重要」と強調する。

同時に、これまで人が時間と手間を掛けて行ってきた業務にAI(人工知能)やロボットの導入を検討する企業が増えており、今後は人材の質と量をより慎重に見極めて採用する時代になってくることが予想される。人材確保が難しい中で、自社の事業運営に本当に必要となる人材の採用、入社後の定着や育成を強化する企業の動きがより鮮明になる年になりそうだ。

新卒採用

リクルートワークス研究所の20年大卒採用見通し調査によると、採用数が前年より「増える」と答えた企業は13.8%で、9年連続で「増える」が「減る」を上回っている。本誌の今回調査でも20年卒の採用活動は19年卒以上の求人増が見込まれている。

売り手市場の状況が続く新卒採用について、ワークス・ジャパンの清水信一郎社長は「質的転換を念頭に置いた採用改革の途上にあると言ってよいのではないか。働き方改革は企業の生産性向上が前提の取り組みであり、ひいては個人の生産性向上に他ならない。このことからすると人材には、変化への対応力、自ら課題を解決する主体性、チーム力を最大化するリーダーシップが求められるが、そうしたポテンシャル人材を企業がどのように見出して採用していくかが大きな課題。新しい取り組みにチャレンジする企業と踏み切れない企業の間で3年後の成果に大きな差が出てくることは間違いない」と指摘する。

経団連は採用指針の廃止を表明したが、20年卒の採用活動は19年卒と同様のスケジュールが継続される。インターンシップや業界・業種説明会など、3月の広報活動開始前の取り組みに注力する企業が増え、経営者や社員が様々な機会を通して自社の魅力を全社を挙げて伝えていくような採用活動ができなければ、ターゲットとする学生の採用は困難になる。

中途採用

人材コンサルティング会社の約8割が今年の求人は増加すると回答しており、即戦力となる人材の争奪戦はさらに過熱する。

あらゆる業種・職種で人材を奪い合う状況にあり、「伝統的大手企業では『市場の拡大』的発想でM&A経験者、海外展開経験者、海外現地法人CxOなどのニーズが増加。一方、イノベーションこそが生き残りのための重要エレメントと考える革新的企業は、テクノロジーを梃子にした新規事業/新規サービス開発者、既存事業の変革者を採用」(A・ヒューマンの髙橋英樹社長)、「多国間のシビアな競争に勝って企業をさらに躍進へと導けるような、国際的に通用するスキル、経験、人間性、語学力をもつ人材のニーズが継続的に高い」(イーストウエストコンサルティング室松信子社長)など、海外事業や新しいテクノロジーを活用した新規事業を担える人材のニーズは拡大する一方だ。

優れたスキルと経験を持つ人材には複数企業のオファーが集中し、従来の採用手法では人材を確保できない企業が続出している。採用力を高めるためには、外部労働市場を意識した処遇の見直しが必要で、より早いキャリアアップの機会を与えることも候補者には魅力的な条件となる。人材紹介の成功報酬フィーの見直し、リテインド・サーチの活用、採用キャンペーンの実施などに着手する企業も年々増えている。また、全社を挙げたリファラル採用やダイレクト・ソーシングの推進なども必須となろう。

多様な人材の活用

慢性的な人材不足に対応していくためには、これまで以上に多様な人材に活躍してもらうための働きやすい環境を整えていくことが急務であり、働き方改革の推進が採用力の強化につながっていく。

ヒューマンリソシアの御旅屋貢社長は「様々なバックグランドを持つ人材の活用、多様な働き方の採用、IT技術の利用による業務効率化など、人材確保に向けた積極的な取り組みがより一層必要とされる」と訴える。働く時間や場所に制約がある人を意識した業務内容の見直し、テクノロジーを活用してテレワークやモバイルワークなどの導入を本格的に検討していかなくてはならない。

パーソルキャリアの勝野大執行役員は「需給のアンバランスの中で、経験者採用だけでは採用計画が達成しにくい中、未経験や異業種転職などをいかに前向きに取り入れ、戦力化できるか。とりわけ、時短勤務やシニアの方々の活用においては、取り組みレベルに差が大きく、各社開発の余地が大きい」と見ており、的確な人事施策の実現が人材獲得につながると示唆する。

採用力の強化に向けて

今年も人材採用が難しい状況は継続するが、MS-Japanの井川優介取締役は「18年の転職希望者の動向として、じっくりと転職先を吟味する傾向が見受けられた。それに伴い企業の採用計画が遅れる状況も発生した」と説明し、採用計画を達成していくためには「組織の状況を考慮して、採用対象の経歴、経験、年齢などを広げる対応」を勧める。

これまで以上に多様な求職者から応募してもらうために、例えば、場所と時間という制約を越えてスマートフォンから応募を受け付け、いつでも面接ができるツールを活用する企業も出てきている。

求職者の活動は多様化しているため、母集団形成に苦しむ企業では採用チャネルの多様化に取り組む必要もある。“待ち”から“攻め”の採用への転換で人材を積極的に発掘する企業が成果を上げるようになっており、これを実現するためには、採用担当者のスキルアップだけではなく、全社で採用に取り組む社内の協力関係を作り上げていくことが欠かせない。

また、ケンブリッジ・リサーチ研究所の荒木田誠社長は「『どうしても働いてみたい』と思わせる、誰が見ても分かりやすいインパクトを転職市場に提示できるかが、採用を勝ち抜くポイント」と助言する。

人材獲得競争が激しくなる中、働く人の創造性をかきたてるような魅力的な仕事を提示し、働き方改革によって生産性の高い職場環境を整えられる企業とそうではない企業の採用力格差はますます拡大していきそうだ。

主要人材コンサルティング会社に聞く「企業の人材需要と採用の課題」

回答(1)企業の人材需要
回答(2)企業の人材採用の課題
回答(3)人材業界の展望、自社の事業・サービス展開

ジェイ エイ シー リクルートメント

ジェイ エイ シー リクルートメント 
松園健 代表取締役社長

(1)海外では、中国で自動車業界における新エネルギー車(NEV) や産業用ロボットなどの生産が増加しており、関連の技術者やIT組込み系の技術者などの人材の需要が予想される。東南アジアでは、ベトナムで内需の囲い込みを目的に小売、不動産開発、飲食などの日系企業の進出によって、関連する人材の需要も高まる見通し。ただし、シンガポールなど一部の国では、外国人の雇用規制による現地採用化と、日本人に関しては高額帯に進むことが予測される。国内においては、昨年に引き続き人手不足が顕著であることから人材ニーズの高まりは継続する。来年開催の東京五輪を控え、関連事業やインバウンド需要が引き続き高いことから、語学力を有する人材ニーズも一層高まる。他業界では先端テクノロジー関連(キャッシュレス促進のためのフィンテック、IoT関連、自動車の自動運転など)の人材需要が引き続き高いまま維持するだろう。

(2)国内全体で人手不足が深刻な状態となる中、新卒だけでなく中途採用を含め優秀な人材をどう確保するかが多くの企業にとって課題となる。中でもグローバル化とイノベーション、地方創生などにかかわる人材不足は顕著であるため、関連する人材の採用と育成も課題。昨年に引き続き、業務や事業モデルの構築をAIなどの先端技術と人の特性を生かした棲み分けが重要となる中、事業化や生産性向上のための人材採用の計画が必要となる。また、グローバル化の促進のためには、日本人のグローバル人材のみならず外国人の採用も考慮するべきだろう。一部の最先端のIT企業では優秀なエンジニア人材を海外並みの高給で採用する傾向もあり、海外の先進国と比べ賃金が低い日本で、給与をグローバル水準にする動きが少しずつではあるが進む可能性もある。また、優秀な人材においては採用競争の激化により採用プロセスにスピードが求められるなど、採用の方法にも変化が求められる。

(3)人手不足が社会問題となりつつある中、人材紹介や人材派遣というサービスや雇用形態に関わらず、人材サービス会社は企業が抱える人材不足の課題を解決することが業界全体の社会的責任または使命という考えを持ち、取り組む必要がある。一方で人材紹介各社は優秀な求職者を確保するコストが高騰し、収益を圧迫する構造になっているため、その対応が急務と思われる。当社では、その中でもIoTで全ての人とモノがつながる社会となりつつある中、ITやデジタル領域の人材紹介を強化する。なお、昨年海外のグループ会社を子会社として傘下に収めたことで、海外事業の生産性や利益体質を向上させることと同時に拡大も進めグローバル企業としてのポジショニングを高める。

イーストウエストコンサルティング

イーストウエストコンサルティング 
室松信子 代表取締役

(1)多国間のシビアな競争に勝って企業を更に躍進へと導けるような、国際的に通用するスキル、経験、人間性、語学力をもつ人材のニーズが継続的に高いと予想する。

(2)上記のような人材を他社に先駆けて国際的なマーケットから探し出し採用するためには、人材のスキルやポテンシャルなどを効率的に見極めることが一番の課題だろう。

(3)効率性とコスト削減を目指す日本およびグローバル企業をサポートするために、さらにスキルの高い人材紹介コンサルタントを確保することが必要不可欠だ。

リクルートキャリア

リクルートキャリア(現リクルート) 
佐藤学 執行役員 本部長

(1)当社が提供する人材紹介サービス「リクルートエージェント」において、18年の求人数は過去最高を更新し、人材不足が顕著だった。経営幹部、次世代リーダー、スペシャリスト、メンバークラスの人材など、全てのクラスに対し採用ニーズがあり、業界でみても全方位的に採用意欲が高かった。特にITや新技術分野のエンジニアのニーズが一段と強まり、過熱度は若干弱まる可能性もあるが19年もこの状況に大きな変化はないと見ている。

(2)労働人口は減少の一途をたどっている。一方で企業は引き続き生産性の向上を求められている。今まで以上に、より採用した人材が定着し、その企業でいかにイキイキ働き活躍してもらえるかが重要となる。当社は業界最大のデータの利用や様々なサービスを通じて、採用のみならず、定着、活躍までも支援していきたいと考えている。

(3)求人ニーズ、転職ニーズは引き続き強く推移すると考える。その結果、人材業界自体は活況が続く。その中において、当社は「テクノロジー」と「ヒト」をうまく結びつかせ、より一層求人企業と求職者のマッチング精度を追求し続けることで、事業を進化させたい。

ワークス・ジャパン

ワークス・ジャパン 
清水信一郎 代表取締役社長

(1)当社のマーケットである新卒人材の需要は総じて堅調に推移している。経団連が就活ルール廃止を決定したことで、企業の採用活動の一層の早期化が見込まれるが、大学生は売り手市場傾向を背景に一部の人気企業の早期インターンシップには参加するものの、全体的な動きは企業ほど早まっていない。また理系人材へのニーズが急激に高まっているが、職種、処遇、勤務地などの諸条件がマッチしない企業の採用は苦戦が続くとみられる。

(2)企業の新卒採用は、質的転換を念頭に置いた採用改革の途上にあると言ってよいのではないか。働き方改革は、企業の生産性向上が前提の取り組みであり、ひいては人材個人の生産性向上に他ならない。このことからすると人材には、変化への対応力、自ら課題を解決する主体性、チーム力を最大化するリーダーシップが求められるが、そうしたポテンシャル人材を企業がどのように見出して採用していくかが大きな課題。新しい取り組みにチャレンジする企業と踏み切れない企業の間で3年後の成果に大きな差が出てくることは間違いない。

(3)社会人としてのスキルを持たない新卒人材と企業のマッチングは、相互の将来ビジョンを重ねあわせた合意の上に成り立つものと考える。マーケットではAI、HRテック、スカウトなどの言葉が当たり前のように飛び交っているが、それらはすべて選考最終段階での相互理解を深めるためのツールに過ぎないことをわきまえないと人材投資は無駄になり、個人の企業での成長もかなわないことになりかねない。当社としても目先の成功ではなく、人材と企業が将来的にもWIN-WINになるような採用支援サービスに注力していくことを目指したい。

ヒューマンリソシア

ヒューマンリソシア 
御旅屋貢 代表取締役

(1)19年においても人材需要は高止まりし、雇用形態や業種を問わず人材不足が続くと考えている。正社員採用では、新卒・中途、業種や地域にかかわらず、人材ニーズは活況。また、派遣やアルバイト、パートにおいても同様に、需給ギャップがさらに広がると予測している。

(2)新卒・中途採用、人材派遣、パートやアルバイトなどの雇用形態にかかわらず、従来と同じ採用手法では、必要な人材を確保できないケースが増えてきている。同時に、様々なバックグランドを持つ人材の活用や、多様な働き方の採用、IT技術の利用による業務効率化など、人材確保に向けた積極的な取り組みがより一層必要とされると考えている。

(3)昨今の人材不足、そして少子高齢化・労働力人口の減少を見据え、総合人材サービス会社として、新しい働き方の提案に取り組んでいる。生産性向上に向け、RPA(Robotic Process Automation)を活用し、人材紹介・派遣とともに業務自動化サービスを提案している。また深刻化するIT人材不足については世界各国から優秀なエンジニアを採用し国内企業に派遣する「Global IT Talent サービス」を拡大するなど、引き続き雇用に対する課題解決に取り組んでいく。

ロバート・ウォルターズ・ジャパン

ロバート・ウォルターズ・ジャパン 
ジェレミー・サンプソン 代表取締役社長

(1)東京五輪を前に加速するグローバリゼーションとテクノロジーの進化にともなって、日本でもグローバルやクロースボーダーのビジネスが勢いを増す。そのため業界に隔てなく広範な分野でグローバルのビジネス慣習と英語に堪能な人材を増やしたいという企業が今後さらに増えると予感する。スキルセットへの要求も複雑化する中、業界・職種での専門性が高いバイリンガル人材の供給は需要に対して圧倒的な不足が続くと予想する。

(2)候補者のスキルセットと職務内容が完全には合致しない場合でも、トレーニングを介せば有用になるスキルを持つ人材を代わりに採用するなどの柔軟な姿勢を示すことが有効。同時に採用プロセスを効率化し迅速に内定を出すことで、競合他社に優秀な人材を獲られることを避けなくてはならない。競争力のある給与水準だけでは優秀な人材を引きつけるには足りず、柔軟な働き方を受け入れる制度・企業文化、組織内でのキャリアパスなどを能動的に売り込むことが一層求められるだろう。

(3)当社では世界最大級の日英バイリンガル人材データベースと30の専門領域に特化したコンサルタントで、企業の採用サポートを強化していく。

キーンバウム ジャパン

キーンバウム ジャパン/ K.J.コンサルタンツ 
鈴木悦司 代表取締役社長

(1)足元では企業の人手不足感が一段と鮮明になっている。背景には比較的好調な企業業績、労働人口の減少があるが、結果として、人材確保、リテンションのために正規社員の採用が拡大している。この傾向は19年も続くが、米中貿易摩擦の行く末が一番の不安材料だろう。現に製造設備メーカーである得意先の一社ででは米国向けの輸出減を恐れる中国の得意先が増産計画を凍結し、見込んでいた受注を逃したとのことである。売り上げ減は人材投資に直結する。

(2)女性、シニア世代、外国人の採用(あるいは登用)に積極的に取り組む企業は多い。特に今話題になっている専門職外国人人材の採用について報告すると、現時点で、特にエンジア職では外国人エンジニアがいなければ抜き差しならない状況となっている。今後は(入管法改正の如何にもよるが)外国人の採用は間違いなく増えるだろう。彼らを受け入れるコミュニティーの育成と同時に、企業側としては彼らを受け入れる企業文化の醸成、また制度設計が喫緊の課題となる。

(3)概していえば、縮小する国内市場での売り上げの伸びが期待できない中、海外へのビジネス展開を企図する企業は、サービス業、製造業を問わず多い。しかしながら、一番のボトルネックはそれを実現可能にするための人材確保だろう。特に技術、製品力も備えていながら海外進出に躊躇している中小の企業にとって深刻な問題となっている。グローバルネットワークを利し、外資系企業に対する人材サービスを強みとする当社としてはこれらの日本企業を人材面でサポートすること目標としている。

経営者JP

経営者JP 
井上和幸 代表取締役社長・CEO

(1)超加熱状態が続いている人材市場だが、19年はコア人材については質への傾斜が強まり、エリア・現場オペレーションワーカーについては逼迫需要が続くという二極化が明らかになるだろう。幹部人材については再現性ある執行力・マネジメント力の有無がより精査されるようになり、経営人材については構想力やダイナミックな変革力を発揮し事業成果、経営成果を挙げた実績ありきで厳しく登用と降格が峻別されるだろう。

(2)現場スタッフであれ、中核幹部・コア人材であれ、「数は満たしたい、しかし従来以上に質で妥協する訳にはいかない」というジレンマを抱え続けることになりそうだ。業種業態問わず、あらゆる企業各社が「一体、どこに我が社が欲しいと思える、要件を満たす人材がいるのだろう?」という“人材サーチ難民”になりそうだ。

(3)サーチエージェントの立場としても、従来型のチャネルや形式内だけで動いていると、先に述べた通り、「一体どこに、クライアントの人材要件を満たす人材がいるのだろう?」ということになると思われる。当社としては、これまで基盤作りと拡大をしてきた優秀経営者・エグゼクティブ人材のネットワークを、当社独自の事業サービスでさらに拡大深耕すると共に、2019年4月から本サービスに入る予定の「経営人材アセスメント」を個人・法人に提供することで、顕在・潜在の経営人材、幹部人材の最適マッチングと合意形成支援を図っていく予定だ。

MS-Japan

MS-Japan 
井川優介 取締役事業統括本部長

(1)戦後最長の景気回復局面を迎え、求人ニーズは引き続き増加する。成長企業が多い首都圏および名古屋、大阪では、組織の屋台骨となる管理部門でマンパワー不足が顕在化しており、即戦力の30代・40代、更に経験豊富な50代・60代への採用ニーズが高まっている。国際情勢が不安定な中で外需型の企業は採用に慎重になる可能性がある。しかし、内需型の企業やIPO準備企業、新興市場上場企業が全体の求人数を押し上げるだろう。

(2)有効求人倍率は高く、引き続き採用の難易度は高い状況が続くだろう。18年の転職希望者の動向として、じっくりと転職先を吟味する傾向が見受けられた。それに伴い企業の採用計画が遅れる状況も発生した。組織の状況を考慮して、採用対象の経歴、経験、年齢などを広げる対応が求められる。また、採用力の向上、社員の定着性の向上も重要で、労働環境の整備や多様な働き方ができる制度設計が必要になるだろう。

(3)成長企業、成長産業に必要な人材が適材適所で配置する機能として人材業界の役割は大きい。企業が計画通りに成長戦略を実行できるように、タイミング良く人材を紹介できるように転職顕在層はもちろん、転職潜在層を含めた登録者の獲得に注力する。また、転職希望者のキャリアアップやワークライフバランスの実現に貢献するために、正確な情報提供や的確な助言ができるように、質の高いサービス提供にまい進する。

リス

しごとナビグループ運営本部 リス 
木村亮郎 代表取締役社長

(1)「オリンピック・パラリンピック、公共インフラ老朽化、外国人労働者、消費税、年号変更、消費者の老齢化、少子、女性・高齢労働者、自然災害」以上のキーワードに関わる企業の人材需要が高まることは必須。具体的には建築、物流、システム、通訳、介護・医療・福祉、製造等が挙げられる。地域に関しては、雇用チャンスが格段に多い3大都市(外国人労働者も同様)への集中化はより強まるものと思える。

(2)急遽改正された入管法対象の外国人労働者の増大だけではなく、女性雇用、高齢者、障がい者雇用においても、まだまだ働きやすい環境づくりはできてなく、受け入れ実態は制度確立されてはおらず、労働者サイドに立ったものとはいえない。最低賃金の大幅アップ、バラマキ助成金等、反面作用がどういったものかを十分勘案したものとはいえない。労働者においてもスマホ等の利便性がある通信機器により転職を軽く考える風潮になっている。人材会社においては、紹介業においては成約後の6カ月間のフォロー、派遣業においては派遣後のフォローを人対人を中心において他社との差別化を図っていかなければならないと思う。

(3)少子高齢化による人材不足の中、財界寄りの種々の拙速政策が出され、人材大手の寡占化はコスト増となる同一労働同一賃金や教育義務化、5日の有休取得を厳格に求められる派遣業を中心に進んでいくものと思われる。当社においては、中小人材会社の生き残りをかけ自社の求人・求職サイト”しごとナビ(求職者:90万人、求人企業:5300社)”をプラットフォームとして中小人材会社の連携を図るため、FC展開にAIを導入して、よりマッチング精度を高め拡大展開していく。将来的には構築されたこの連携が人材不足の次にくる消費者の激減による需要不足にも対応でき、やがてやってくるAIを強化した中国を中心とした外資のグローバル展開された求人・求職サイト、ハローワークにも対応できるものと思う。

エリメントHRC

エリメントHRC 
狩野洋輔 代表取締役社長

(1)比較的景気の波に左右されにくい医療業界では横ばいから若干の伸びが期待できる。製薬業界は過去、雇用の大きな部分を占めていた医薬情報担当者(MR)がシュリンクしていく一方で研究開発、臨床開発系等の専門職の求人数はこれまで同様相当数ある。また医療機器業界もこれまで同様に安定した求人数を持つ。

(2)医療業界においては営業職などの業種間ハードルの低い職種は広く紹介会社を使うことで一定数の採用は見込めるものの、専門職などのピンポイントサーチが必要になるポジションでは苦労する可能性がある。

(3)2019年は医療機関向けダイレクトリクルーティングツール[医療人材ネット]のさらなる開発とともに、これまで主戦場としていた医療機器/製薬以外に、広く医療従事者向けの人材紹介ビジネスを展開していく予定。

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ 
岡村康男 代表取締役

(1)昨今の若年労働力不足を背景に、19年もまた企業における人材の需要はますます高まるだろう。それに伴い企業では、主婦を中心とした女性やシニア・外国人など多様な労働力の活用の検討や、働き方改革の一環として、多様な人材の働きやすさを考えた在宅勤務などの労働環境の整備、人材を採用するための採用チャネルの開拓など、多くの課題を抱えている。また限られたリソースの中で、企業の生産性を高めるべく、適切な配置転換・評価をおこなうための人事システムの導入や、従業員の能力・満足度向上のための研修プログラム検討など、人材における企業の課題もますます多様化していくと考える。

(2)労働力を確保するため、採用チャネルの開拓が企業の一番の課題であると考える。逆求人サイトやSNS型求人など、新たな人材サービスが多数生まれており、それに伴い求職者側の活動方法も多様化していることが要因である。また、リファラル採用といった、社員が人材を紹介するように、社員全員が“人事”として活躍できるよう制度化することが必要である。採用ターゲットである求職者はどこにいるのか、その求職者にはどのようなアプローチが効果的か、といった戦略的な採用の実行が必要不可欠となるだろう。また、優秀な人材獲得のための社内整備も併せておこなっていく必要がある。

(3)企業の中途採用需要は引き続き活況を呈するだろう。様々な採用手法の開発により企業の選択肢は増えるがマッチングの自動化は依然として難しい。最後はお互いに人が選ぶからである。当社としても既存事業を堅持しつつ、新たな分野へのアプローチが適切に行えるよう、自社採用に力を入れてマッチングの質を上げていくことが当社の価値であり、基本であると考えている。

ケンブリッジ・リサーチ研究所

ケンブリッジ・リサーチ研究所 
荒木田誠 代表取締役社長

(1)各社が「採用難。あらゆる手を打っている」と口をそろえる状況を迎えている。その中でも、エンジニアやエクゼクティブ人材などに関しては枯渇状態が著しい。また新卒市場で採用しきれない人材を中途市場で補うという動きも加速している。

(2)以前であれば、働きやすいオフィス、経営方針・ビジョンの提示、報酬面の改定などで差をつけられたが、各社それらの要因に関しても横並びとなりつつある。「どうしても働いてみたい」と思わせる、誰が見ても分かりやすいインパクトを転職市場に提示できるかが、採用を勝ち抜くポイントとなるはずである。週休3日制や、完全在宅勤務などを打ち出す会社も出てきている。

(3)当社は人材紹介のパイオニアとして、サーチ力強化を継続的に行い、経営・中核人財、即戦力人財にこだわって紹介を続ける。日本企業の高度化・グローバル化に寄与する存在として貢献していきたいと考えている。

パーソルキャリア

パーソルキャリア 
勝野大 執行役員

(1)企業の採用意欲は引き続き旺盛。技術革新・デジタル化を踏まえた業務の変革により、ポジションの濃淡こそ変化するが、労働人口の減少も含めて、企業の採用競争は激しく、厳しい環境が続くと予想。首都圏に限らず、地方においても同様の傾向。

(2)需給のアンバランスの中で、経験者採用だけでは採用計画が達成しにくい中、未経験や異業種転職などをいかに前向きに取り入れ、戦力化できるか。とりわけ、時短勤務やシニアの方々の活用においては、取り組みレベルに差が大きく、各社開発の余地が大きい。

(3)業職種、地域を限定せず、幅広く求人ニーズを預かり、個人のキャリアの選択肢を増やすことを主眼に置いて事業展開する。これまで積み重ねてきた正社員を中心にしたマッチングだけではなく、多様なはたらき方やはたらき手を支援できるように取り組んでいく。

プロフェッショナルネットワーク

プロフェッショナルネットワーク 
田口朗 人材紹介事業部長

(1)特定の専門性を持つ人材、グローバルに対応できる人材の需要は今後も旺盛な状態が続くと思われる。

(2)企業のキャリア人材需要は引き続き堅調に推移すると思われるが、特定の年齢層への需要の偏りはなかなか改善されない。このために、需要と供給のアンマッチ状態は続くと思われる。特に専門性の高い職種では人材の争奪戦のような状態となっており、1年かけても採用ができないポストも多く存在する。企業側には、活用できる人材の幅を広げていくダイバーシティの推進と意識改革が更に求められよう。

(3)中国の企業への人材紹介については中国国内の景気の減退等により、中国企業の選考基準が厳しくなってきている。新年度については国内自動車業界を中心にあらたな紹介先の開拓ときめ細やかな対応(企業側にも紹介人材側にも)を心がけていきたい。

A・ヒューマン

A・ヒューマン 
髙橋英樹 代表取締役

(1)国内市場が縮小していく過程で、その市場に参加しているプレーヤーの数も徐々に少なくならざるをえない。こうした外部環境の中で経営者はどのような事業戦略をとるのか。人材採用はこのような事業戦略(事業をどのような方向に導くのか、どのような手段で実現させるのか)に基づいて考えられる。
 こうした中、伝統的大手企業では「市場の拡大」的発想でM&A経験者、海外展開経験者、海外現地法人CxOなどのニーズが増加すると予想している。一方、イノベーションこそが生き残りのための重要エレメントと考える革新的企業は、テクノロジーを梃子にした新規事業/新規サービス開発者、既存事業の変革者を外部から採用すると見ている。

(2)全体感としては需給のギャップが続いている。企業側からの人材需要に対して供給が追い付いていない状況が続くと思われる。とりわけ技術革新の分野での AI、IoT、バイオ、半導体などの分野では、グローバルでの争奪戦が行われている。

フジキャリアデザイン

フジキャリアデザイン 
森英昭 取締役人材紹介部長

(1)東京五輪に続いて大阪万博と、景気の先細り感が少し遠退いてくるため、人材全体では需要が増してくるのではないか。建築関連、AI関連はもちろん、スポーツ&娯楽等のクリエイター関連の比較的高度なスキルを持つ人材も求められていくと思う。同一労働同一賃金への流れの中、比較的短期の契約社員が重宝されるかも知れない。

(2)企業にとって必要な人材と、そのスキルのある人材の嗜好がマッチしていない傾向は今後も続き、人材不足は変わらないと思う。そして、ミスマッチを防ぐために、また働き方改革に向かって細かな求人条件が求められ、人材の確保や入社までのフローが複雑になり、より手間がかかるようになっていくのではないか。

(3)人材会社への要求レベルがより高くなり、システム化等の費用負担もどんどん増える上に、もともとの人材不足に加えて業界での候補者の取り合いが増し、人材会社の健全な経営が難しくなる。大手の傘下に入るか、親会社に守ってもらうかに分化する傾向がもっと活発になっていくのではないか。当社自身はやるべきことをやるだけと考えている。

島本パートナーズ

島本パートナーズ 
秦一成 常務執行役員 パートナー

(1)19年の企業経営戦略における2大キーワードは、昨年に続き“多角化(事業面と地域面)”、そして“デジタル化(AI/IoT、EC等)”である。その進展に伴い、職種やポジション等を問わず自社内人材では対応できない分野では、外部の即戦力人材に対する需要がさらに過熱する。

(2)19年は業種、企業規模を問わず、上記のような人材需要の超過状態が激化するだろう。そうした環境下で、企業が適切な人材採用を実現するためには、特に雇用形態や報酬面等で、従来の慣習や体制にとらわれない、相対的に魅力ある人事制度等を策定・導入することが必要となる。経営陣の危機感と、それに基づく変革に対する本気度・覚悟が一層問われることになる。

(3)企業の戦略的強化分野における外部人材需要拡大に伴い、当社が得意とする「特命案件」が相対的に増加することが見込まれる(2018年の当社同案件受託数は前年比倍増)。それに応じて、我々エージェントが提供するサービス品質に対する企業からの要求水準は格段に高まると見ている。当社は、特に人財発掘力や内定実現力等を一段と強化することで、顧客満足度のさらなる向上に取り組む。

リネアコンサルティング

リネアコンサルティング 
大森崇 代表取締役社長

(1)19年も人材の需給バランスは崩れ、超売り手市場の傾向が継続する。即戦力の採用が難しいため、若年層やミドル、シニア層、外国籍人材などの活用を進めつつ、RPAを活用した効率的な経営を模索する企業がさらに増えるだろう。大きなトレンドとなるモバイル決済サービス関連企業、AIやブロックチェーン技術を活用した新サービスが注目され、大手企業のCVC投資、海外や地方を含めたM&Aの流れが加速する。一方で消費税増税の影響や五輪に向けた投資が一段落する時期に景気の潮目を迎える可能性もある。

(2)人材の質が企業業績に直結するため、採用力の強化が重要な経営課題となり、ダイレクトソーシング、ATSの活用、AIを活用した組織改革などの取り組みが増えていく。企業はリスクを取り主体的かつ積極的な採用活動ができるかどうか、経営者視点で採用活動ができるかどうか、人事部門の意識改革こそが最大のテーマとなる。

(3)19年も人材業界は好景気が続くと思われるが、異業種からの参入が増えると共に、企業のダイレクトソーシングが定着していく中で、優秀な人材の獲得合戦は更に加速する。当社は一時的な転職支援にとどまらず、企業向け勉強会、業界の情報交換会、個別の採用セミナーなどを実施し、企業と密に連携した採用支援を行う。

アクシアム

アクシアム 
渡邊光章 代表取締役社長/エグゼクティブ・コンサルタント

(1)テクノロジーのみならず、雇用形態・働き方・組織や社会のデザインが革新的に変わろうとしている。そんな中、変化をリードする人材が圧倒的に需要を下回っている。その一方で、変化に対応できず組織や社会のニーズにとり残された人たちが、年齢に関わらずあふれ始めている。まだ雇用統計上の失業率は低水準で維持されているが、ひとたびリセッションが起こると、一気に失業率が跳ね上がることが予想される。

(2)人材採用において、「人数」「質」「スピード」の3点を担保することに苦戦している企業を多く見受ける。その解決のためには、採用プロセスそのものを抜本的に改善する必要がある。例えば「スピード」だが、従来通りのプロセスでは売り手市場であるがゆえ、審査中に他社に意思決定をされてしまうケースが頻発。しかしながら審査プロセスをやみくもに省くだけでは、「質」の低下という別の問題が起きてしまう。3つの指標を意識し、それらについてバランスの取れた改善策を実行することが重要だろう。

(3)今後も景気後退がなければ、紹介業務をはじめとする人材関連ビジネス全体は好調のままだと思われる。しかしながら、リセッションが起きた場合のシミュレーション/対策は取っておくべきと考える。

キャリアエピソード

キャリアエピソード 
備海宏則 代表取締役

(1)雇用形態は時代に合わせて多様化してくると思う。これまで業務委託・嘱託のような形態はあったものの、「副業」が企業・個人双方にニーズが出てきており、今後労働力が低下する中注目されると思う。また、業種・職種に関してはIT業界というよりは「テクノロジー」を軸に業界を越えてフィンテック、ヘルステックなど拡大していくと思う。

(2)一部採用難易度の高いポジションについて、どう既存のメディア・人材紹介などの採用方法を越えて採用まで至るか課題になってくると思う。また同時にエージェントフィーについても高くなってきており、「採用コスト」について企業も改めて考えてくることになると思う。

(3)人材業界自体は、世界経済・マーケットがある程度安定していれば、ここ数年の好調さを持続できると思う。その中で当社としては大手の人材バンク・メディアでは採用できないような難易度高いポジションに強みを持ち続け他サービスと差別化できればと思う。

テクノプロ・キャリア

テクノプロ・キャリア(現テクノブレーン) 
北川太 代表取締役社長

(1)新技術の発達に伴うエンジニアの採用ニーズは高まる一方と思われる。自動運転AI、走行制御・画像認識の組み込みソフトウエア、IoTやIoE等の「超製造業」、それらの設備投資の増加などを背景に、自動車や産業用機械をはじめ、幅広い業界で人材獲得競争が続く。生産技術、制御設計、品質管理に関わるエンジニアも求められる。幅広いレイヤーでの経験者の獲得競争が一層激化し、特に専門的な技術分野ごとの採用難度に差が生じていくだろう。

(2)採用難が著しい昨今、「採用の成功」に向けた課題として、採用手法の最適化が挙げられる。求める人材の要件を経営者から採用担当者まで統一し、候補者目線に立った情報・条件・入社後の姿を明確に候補者へ提示する必要がある。「Talent Acquisition」と呼ばれる人材の育成、採用部門の「リクルーター」の育成、登用を進めるといった手法をはじめ、経営、現場のリーダーが採用を牽引し、採用体制の改善などの改革を進める必要は引き続き求められる。

(3)テクノプロ・グループでは、外国人技術者の就転職ニーズと企業をWeb上でマッチングするオンライン採用プラットフォームサービス「talent hub」との資本提携をはじめ、外資系を中心としたエグゼクティブサーチを行うBoyd&Moore Executive Searchの買収、シンガポールを拠点とし、アジア各国に強みを持つHRnetGroupへの出資、業務提携によりアジアを中心とした海外人材獲得力の強化を進めている。また、東南アジアに拠点を持つ「Helius Technologies Pte Ltd」、欧州における技術者派遣・紹介を行う「Orion Managed Services Limited」をグループに迎え、成長戦略である「グローバル化の推進」と技術系人材プラットフォーム化を進めている。

BRANDING ASSOCIATES

BRANDING ASSOCIATES(現KMF PARTNERS) 
吉田亜紀子 セールス&マーケティング、 デジタルマーケティングディレクター

(1)人材需要全体として捉えると、19年は前年に引き続き高い需要が予測される。背景には大企業を中心に好調な業績、IT技術の発達による新しいビジネスチャンスの拡大、転職人材の業界横断化などが挙げられる。また、行政の後押しもあり、都心部だけでなく、地方都市の人材の流動化も少しずつではあるが、進んでいくものと考えられる。

(2)市況全体から見ると、ITエンジニア、特にAI技術やそれに準ずる技術職の獲得は引き続き困難な状況が続くと思われる。他社と比べ何が自社の強みなのか、社員にとって何が有益なのかを伝えることが大きな課題となるだろう。またマーケティング領域は昨今のデジタル化の波が加速しており、デジタル・マーケティング経験者のニーズは業界を問わずあるが、需要に対し供給できる候補者(経験者)が少ない傾向にあるので、いい候補者を獲得するには、スピーディーな採用プロセスが重要になると思われる。

(3)中途採用に関しては、昨年に引き続き活発になるものと思われる。当社は外資系業界をメインフィールドとし、コアビジネスとして注力をしながらも、国内のグローバル企業や、新興のベンチャー企業、変化を求めているオーナー企業など、サービスの範囲を拡大していく。また強みであるエグゼクティブクラスとのネットワークやデータベースを活用し、他社エージェントとは異なる人材提案やサービスを心掛け、クライアントのビジネス発展に寄与していく。

プライマリー・アシスト

プライマリー・アシスト 
石山知良 代表取締役

(1)少子高齢化が年々進み、景況に関わらず生産労働人口は減少し続けている。特に若年労働者の確保は年々厳しくなる傾向があり、大手を中心に人材獲得競争は激しくなり、中小規模法人は一層の企業努力をしないと人材確保は難しい状況。健康経営、働き方改革により、就業環境を整える会社は増加し続けているが、取り組み内容についてまで問われる時代がすぐそこまで来ていると感じる。

(2)昨年は、人手不足倒産が前年比で急増したように、新卒をはじめ、既卒の若年労働者確保はますます厳しくなる。職種を問わず、大手企業への関心度が高まる中、中小規模法人の採用活動は厳しくならざるをえない。70才雇用延長による高齢者の活用や、外国人労働者の活用、RPA導入などの環境整備が必須の時代といえる。産業医療職は時代の変化により、求められる能力の変化がおきておりそれに対応することが重要だ。

(3)健康経営の普及促進、働き方改革による過重労働対策強化により、産業医療職の需要は拡大している。当社は創業時から「健康経営」の普及活動を行い、単なる人材リソースの提供ではなく、健康経営の実践を目指すためのソリューション全般についてコンサルティングサービスを展開している。中小企業向けには、健康管理自体をアウトソースで受託するなど多様な需要に対応している。

マンパワーグループ

マンパワーグループ 
池田匡弥 代表取締役社長

(1)マンパワーグループ雇用予測調査では、19年第1四半期の雇用について、調査対象組織1093社のうち、「増員する」と回答した組織が30%、「減員する」が4%、「変化なし」が39%という結果になった。これは調査を開始した03年以来、最も好調な値。業種別では特に「鉱工業・建設」「サービス」「運輸・公益」が好調な予測値となっている。

(2)世界各国が過去に例がないほどの人材不足に陥っている中、企業は、その場しのぎの採用戦略ではなく、現在そして未来の人材を育成することに目を向け採用に取り組む必要がある。また、デジタル化による情報流通経路の発展により、人材の採用のためには、マーケティング・営業の視点が欠かせなくなっていることを忘れてはいけない。人材を確保したいのであれば、人事部門はマーケティングの達人でもあるべきだ。

(3)マンパワーグループでは、テクノロジーが推進する激しい環境変化を前に、育成、採用、外部活用、配置転換の4要素を組み込んだワークフォース戦略を企業に展開する。

アンバース

アンバース 
宇都宮聖士 代表取締役社長兼CEO

(1)19年も引き続き人材の需要は高止まりすると思う。少なくとも東京五輪が開催されるまでは政府としても万策を尽くしてくるだろう。

(2)人材のニーズがこの数年高止まりしていることから、企業は採用に関して今まで採用に躊躇していた層の採用可能性を模索する必要があると思う。具体的には社内業務を因数分解し、業務難易度を下げることで、採用可能層の母数を増やすということで実現できると思う。ただそれだと人件費が高止まりするので、同時に自動化などの施策を進める必要がある。今までの業務のあり方とは異なる業務設計を行うことで、取りこぼしていた層から採用を行っていくことが必要だと思う。

(3)引き続きポストコンサルタントの支援に注力をしようと思っている。

エススリー・ジャパン

SThree 
ハブグッド・グラント 代表取締役

(1)当社がサービスを行うライフサイエンス、IT、そして金融サービスの分野では、専門領域の強化を目的とした採用傾向が強まると考えられる。その一方で、日本には専門的な知識や経験のある人材のプールが少ないため、需要と供給のギャップは広がっていくことは避けられないだろう。

(2)海外から日本に進出する企業が増える中で、バイリンガルかつ専門的な知識を持つ人材の需要が増え、そのような人材の確保が難しくなることが見込まれる。一方で優秀な人材は複数のオファーを受けることとなり、給与に加えてワークライフバランスや福利厚生など、企業は様々なサポートを充実させることが課題の一つとなると考えられる。

(3)リクルーティングの需要はますます高まっていき、ITの分野では海外からの人材採用の需要も増えていくことが予想される。当社のグローバルなネットワークを生かしながら、日本のローカルな採用市場を知り尽くした専門性の高いコンサルタントが、今後もより質の高いサービスを提供する。また、新たに立ち上げたファイナンスと会計を専門とするチームにより、既存のクライアントとの関係をさらに強化していきたいと考えている。

コンコード エグゼクティブグループ

コンコードエグゼクティブグループ 
朏徹 ゼネラルマネージャー

(1)18年に引き続き、戦略・ITコンサルタントや即戦力の経営者、事業開発・企画職といった事業を推進していく人材を求める傾向は一層強くなるだろう。企業の大小を問わず、海外進出やM&Aによる業容拡大、AIやIoTを活用した新規事業創出や業務の抜本的な効率化を余儀なくされている。こうした各分野でビジネスを加速させることのできる人材は、さらに売り手市場となっていくことが予想される。

(2)近年、経営者人材やポストコンサルへ提示される年収水準は高騰しており、採用のためには非常に高い条件の提示が必要不可欠となってきている。加えて1日選考会など、選考プロセスを短縮する取り組みも増えており、選考スピードも重要になっている。このような採用市場の実態を踏まえて、柔軟で多様な働き方・勤務形態を整備し、専門スキルを持つワーキングマザーや即戦力となるシニア人材を活用する方策も有用だろう。

(3)国内大手企業、外資系企業、ベンチャー企業、コンサルティングファームから幹部採用に関する問い合わせを数多くいただいている。コンサルタントをさらに積極的に採用し、数多くの次世代リーダー、エグゼクティブを紹介できる体制を拡充させる。また、昨年までも大学でのキャリア設計の授業や名門高校での講演などを行ってきているが、今年も東京大学をはじめ若い世代にむけたキャリア教育活動をさらに加速していく予定だ。

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