2021年1月5日

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答1)

2021年の人材需要と採用の課題を、企業の人材採用を支援する主要コンサルティング会社の事業責任者を対象にアンケート調査で聞いた。【回答社名:ワークス・ジャパン、ロバート・ウォルターズ・ジャパン、リネアコンサルティング、レックスアドバイザーズ、リス】

回答(1)企業の人材需要

回答(2)企業の人材採用の課題

回答(3)人材業界の展望、自社の事業・サービス展開

 (28611)

ワークス・ジャパン 清水 信一郎 代表取締役社長

(1)観光・旅行、航空業界など新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃している分野を除けば、人材需要は緩やかに回復していくと予測する。ただ、近々のコロナ問題の完全収束が見込めないことで、事業やビジネスの在り方が大きく変質していくことになり、人材に求められる要素も変わっていくことになる。人材不足感が緩やかに高まる一方で、年齢制限のない人員削減が企業の中で静かに進行していくことになるのではないだろうか。

(2)新卒採用に限定した場合、2021年4月入社者の採用活動の総括を厳密に実施しなければならない。期せずして起きた採用プロセスのオンライン化の中で、企業は採用活動上のメリットとデメリットを体感したわけだが、経団連が昨年9月に発表した調査では、Web面接は対面より評価が難しいと回答した企業が62.7%に上った。
 採用人材の成果が見えるのは入社後になるため、少なくとも次年度に向けて選考過程の納得性をより高めるために何が必要か、どんな工夫をするべきかをしっかり検討するべきだろう。

(3)新卒、中途を問わず、人材紹介手数料に対する企業の不満は多い。高い紹介手数料を支払ったものの短期間で離職してしまう、あるいは期待した成果が見られないなどの理由があがる。ただ、エージェント側が一方的に責められるものではなく、企業側の情報発信不足、求める要件とその背景の説明不足などが影響していることも否めない。
 人材マッチングにおいては「理解なき期待」を最大限排除することが望ましい。企業の採用支援を行う立場としては、企業の過去ではなく、これからの社会的役割をいかに伝えていくかという企業ブランディングに着目した事業・サービスを強化し、人材と企業の「共感」の創造に注力していきたい。
 (28614)

ロバート・ウォルターズ・ジャパン ジェレミー・サンプソン 代表取締役社長

(1)コロナ禍であっても、国内では専門性に富んだバイリンガル人材の不足は幅広い業界で常態化が続く。在宅勤務の普及で、テレワーク関連システムのテクノロジー企業でも採用が増えている。在宅時間が増えたことで、オンラインサービスとエンターテインメントの利用が急増したため、eラーニング/医療テック/フードデリバリー/ eコマース/ゲーム/モバイルアプリなどではビジネス需要の急伸にあわせて求人も増えている。この傾向は2021年も続くだろう。
 また、コスト意識を持ちながらハイスキル人材を補う目的から、派遣・契約社員の採用も増えるだろう。大阪では、BCPの一環でデータセンターの開設が相次ぎ関連するIT職での需要が高まっている。2025年の万博に向けた開催準備に際しては、バイリンガル人材の需要がさらに高まると考えられる。

(2)人材の維持・獲得には、働き方の柔軟性がますます重要になる。旧来型の働き方が長年続いてきた日本でも、新型コロナを発端に柔軟な働き方が急速に普及した。コロナ禍では多くの企業が在宅勤務、時差出勤またはシフト制を導入し、会社員もこうした働き方を好んだため、より多くの会社が仕事の進め方への干渉をせず自主性を重視している。
 当社の調査によると、国内の会社員の7割がこの1年に時差出勤・テレワークを経験し、今後も継続を望んでいることも分かっている。例年課題とされてきた採用プロセスの迅速化については、コロナ禍で対面面接ができない環境下でリモート面接・リモートオンボーディングが急速に普及している。コロナの収束後もこの迅速性が維持できれば、優秀なトップ人材の獲得も有利に運べるだろう。

(3)当社では世界最大級の日英バイリンガル人材データベースと40の専門分野に特化したチーム体制で、見識の深いコンサルタントが企業の採用ニーズに寄り添ったトータル・ソリューションを提供する。
 (28617)

リネアコンサルティング 大森崇 代表取締役社長

(1)コンサルティング業界は引き続きDX関連のニーズが増加。今まではDXを活用した業務改革やRPAの自動化などが主流だったが、今後はトップラインを重視した事業開発やIoT、Analyticsなどの専門性の高い人材ニーズが高まる。また、事業再生、M&A、事業承継などの案件が増え、同領域の専門性を有した人材ニーズが高まる。
 コロナ禍でリモート勤務が定着する中、改めて人事制度の見直しや働き方改革が進むが、日本に適した仕組みが確立されるにはまだ時間が掛かると思われる。夏に五輪が実施されれば一時的に経済が活性化するが、その勢いが継続するかどうかは世界レベルでのワクチン接種率の向上や医療体制強化に掛っている。

(2)今年の採用における重要課題は期待感の醸成。Webを活用した採用が進む中、企業と応募者の物理的接点が減り、採用プロセスを通じて醸成される期待感が希薄となる。さらに入社後もリモート勤務が続くことで疎外感を感じる方が増え、結果として早期退職者の増加につながる。非対面であっても候補者に会社の雰囲気を伝える工夫や、入社前後のコミュニケ―ションを積極的に行うことで期待感を醸成する施策が求められる。
 また、不確実性の高い環境下では、即戦力人材の採用倍率が激化するため、予算や労働力を優秀な人材採用に集中させられるかが重要になる。

(3)人材業界においては自社の専門性を生かし、信頼できるクライアントや候補者との関係性を強化する施策が求められる。当社は個々のクライアントや候補者とのつながりを強化し、鮮度の高い貴重な情報を積極的に発信していく。
 (28639)

レックスアドバイザーズ 岡村康男 代表取締役

(1)「二極化が顕著になる」
 産業界全体では成長分野での採用が旺盛になる一方、旧来モデル企業ではリストラ傾向に。正社員採用は慎重になるが副業増、業務委託雇用で人材流動化は拡大し、高スキルワーカーと現場労働型(物流・建設など)の二極で人材需要は増えると予想。

(2)「柔軟な雇用、人事制度の見直し」
 正社員以外の雇用形態と人事制度の見直し必須と思われる。企業はDXに向かうが将来が見えにくく、働く人も将来不安で近視眼的に自己価値最大化を目指しがちになる。企業はいかにして人材に選ばれるか、いわゆる心理的安全性を提供できるかがリテンションに重要と考えられる。場所、時間、雇用形態にとらわれない採用戦術が差別化のカギとなる。

(3)「満足と安心安全の提供」
 人材流動化が進み人材サービスへの期待値はより一層あがっていく。他業界からの参入もあり競争も激化するだろう。非接触型の面接・面談がメイン。画一的サービスでは選ばれず、エージェントは候補者スキルの見極めがより重要となる。
 当社としては「人材活性」をモットーに、引き続きプロフェッショナルの成長機会創造を追求していく。多様な雇用形態でのマッチングサービスを行い、プロフェッショナル人材+スタッフ層活用を、積極的に提案していきたい。
 (28640)

リス 木村亮郎 代表取締役社長

(1)コロナ感染拡大に伴う急激な景気減速は小売・飲食・宿泊業等に留まらず各分野に波及し、これに海外経済の不確実性が加わり、コロナが追い風になる企業やIT業界を除いて採用活動は大幅に縮小・中止する傾向が高まるものと思われる。求職者に関しては、企業の年齢を対象とした早期退職が募られ再就職支援事業が以前のように活性化するものと思われる。

(2)求人企業の採用基準が厳格化される中、人材会社はよりスピードが求められ、又、条件や待遇だけではなく、企業および職場のイメージをより丁寧に言語化することが必要になる。内定後においてもコミュニケーションを欠かさないため、求人企業と二人三脚での情報提供が必要です。採用後に関してはトラブルは別として、返戻金対象期間の間は企業および就職者への定期訪問も必要になる。

(3)2020年度は法改正対応とコロナ一色につきる。一時的には助成金に頼らざる状況が発生した会社も多々あったものと思う。新規開拓も求人広告の昨対から見るように半減したものと思われる。
 当社としては次年度に向かって新たなシステムを導入して、自社保有の求人求職サイト”しごとナビ”のマッチング率の向上を図ると共に、テレワーク体制を準備し、営業職のキャリアカウンセリングおよびマッチング能力向上教育を実施し、派遣スタッフのキャリア形成支援体制を整えていく。

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答2)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答2)
回答社名:Results、リクルートキャリア、Youth Planet、みらいワークス、プロフェッショナルネットワーク

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答3)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答3)
回答社名:プライマリー・アシスト、フジキャリアデザイン、ヒューマンリソシア、ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス、パーソルキャリア

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答4)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答4)
回答社名:パソナ、テクノブレーン、セールスキャリアエージェント、ジェイ エイ シー リクルートメント、島本パートナーズ

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答5)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答5)
回答社名:KMF PARTNERS、コンコード エグゼクティブグループ、経営者JP、キャリア・デベロプメント・ アソシエイツ、キャリアエピソード

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答6)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答6)
回答社名:エンワールド・ジャパン、キーンバウム ジャパン/K.J.コンサルタンツ、エリメントHRC、クレドス、MS-Japan

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答7)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答7)
回答社名:EPIC Partners、A・ヒューマン、ウィンスリー、アンバース、アンテロープ キャリアコンサルティング
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レックスアドバイザーズ 吉岡 美香 HRコンサルティング部 マネジャー