人材採用

新卒売り手市場は終焉 即戦力人材の採用拡大【主要人材コンサルティング会社アンケート「2021年 人材需要と採用の課題」】

2021年の人材需要と採用の課題を、企業の人材採用を支援する主要コンサルティング会社の事業責任者を対象にアンケート調査で聞いた。

新型コロナウイルスの影響で企業業績が悪化する中、本誌が実施した調査では、2021年の日本の雇用情勢は「良くなる・やや良くなる」という回答が32%、「横ばい」が31%、「やや悪くなる・悪くなる」が37%となった。感染拡大の第3波を受けて予測は難しい状況になっており、今後の収束次第で雇用情勢は大きく左右される。

目次

ポテンシャル人材よりも即戦力人材の採用が優先

企業の人材採用数は、新卒採用が「減少」(43%)、「やや減少」(29%)と減少予測が7割を超え、これまでの売り手市場の終焉を印象づける結果となった。人手不足を背景に拡大してきたアルバイト・パート、人材派遣も減少の見通しとなっている。

一方、中途採用では「減少」(9%)が少なく、「増加」(9%)、「やや増加」(30%)となり、約4割が採用数の増加を見込んでいる。

2021年の中途採用マーケットの特徴について、「より需要の伸びる業界・職種と今後需要の減っていく業界・職種の差が、はっきりしていくものと考えられる」(KMF PARTNERS吉田亜紀子director)、「IT業界、ベンチャー企業など採用ニーズが旺盛な業界では積極的な採用活動が行われている」(MS-Japan井川優介取締役)など、コロナ禍の影響は業種や職種、さらに企業によって差が大きく、採用意欲の濃淡がよりはっきりしてくる。

そして、企業が求める人材については「即戦力性の高い人材に需要が集中すると予想される。コロナショックによるダメージから立て直せず、社内教育コストを減らさざるを得ない企業が多くあると予想されるため」(セールスキャリアエージェント斎藤信人社長)、「OJT等対面での教育が必要となる新卒等の人材の需要が減少し、その分即戦力となるキャリア人材の需要が増加するものと見ている」(プロフェッショナルネットワーク木村善行職業紹介責任者)など、新卒をはじめとするポテンシャル人材よりも、専門性や経験を持つ即戦力人材の採用がこれまで以上に優先されていく傾向が共通の見方となっている。

●2021年 日本の雇用情勢・人材採用の増減(回答集計)

アンケート

DX関連、高度技術者、経営人材、巣ごもり需要で採用ニーズ

2021年に人材需要が期待される分野として多く挙がっているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための人材だ。

「データサイエンティスト、データアナリスト等の優秀人材は引く手数多。AI関連案件・人材ニーズも同様」(エリメントHRC清水潤次執行役員)と、専門人材は引き続き奪い合いとなっている。

コロナ禍によって、本格的にDXを推進する企業がさまざまな業種にわたって増えているが、こうした企業の中には社内の人材育成が十分でないことも多いため、ウィンスリー黒瀬雄一郎代表は「DX系人材は枯渇しており、この分野はかなりの人材需要が出てくる」との見通しを示しており、社外から即戦力人材をスカウトする動きがさらに活発になってくる。

同時に、DXの取り組みを外部から支援するサービスの拡大も進むことから、リネアコンサルティングの大森崇社長は「コンサルティング業界は引き続きDX関連のニーズが増加。今まではDXを活用した業務改革やRPAの自動化などが主流だったが、今後はトップラインを重視した事業開発やIoT、Analyticsなどの専門性の高い人材ニーズが高まる」と説明する。

DX関連以外でも高度技術者や経営人材のニーズは堅調で、「環境問題に対する取り組みを加速させ、例えば、自動車業界ではe-mobilityへの移行が加速する結果、AI、センサー技術、HMI分野の技術者」(キーンバウム ジャパン鈴木悦司社長)、「将来に向けた企業活動の根幹をなす研究開発や先端技術の開発者」(テクノブレーン北川太代表)、「新規事業開発や既存事業の構造改革をリードできる経営人材・即戦力人材」(コンコードエグゼクティブグループ矢田真奈エグゼクティブコンサルタント)など、次世代に向けた事業開発に必要な人材への投資に企業は積極的だ。

また、ロバート・ウォルターズ・ジャパンのジェレミー・サンプソン社長は「在宅時間が増えたことでオンラインサービスとエンターテインメントの利用が急増したため、eラーニング/医療テック/フードデリバリー/ eコマース/ゲーム/モバイルアプリなど」のコロナ下における巣ごもり需要で急伸したサービス分野の求人は2021年も伸びると予測している。

Web面接の導入が進み、採用難易度は上昇傾向に

2021年の採用課題では、感染防止対策で導入が進んだWeb面接を踏まえた採用プロセスの工夫、柔軟な雇用形態を用意するなど、自社が必要とする人材に多くの企業の中から選ばれるための採用への転換が急務となっている。

ワークス・ジャパンの清水信一郎社長は、新卒採用について「経団連が昨年9月に発表した調査では、Web面接は対面より評価が難しいと回答した企業が62.7%に上った。採用人材の成果が見えるのは入社後になるため、少なくとも次年度に向けて選考過程の納得性をより高めるために何が必要か、どんな工夫をするべきかをしっかり検討するべきだろう」と助言する。

中途採用においても、アンテロープキャリアコンサルティングの山本恵亮取締役は「オンラインでの面接が増加していることによって、候補者は気軽に多くの企業へ同時に応募する傾向が増している。よって、採用の見込みのある人材に対しては、面接を通じて自社に興味を持ってもらえるよう働きかけることや積極的に自社についての情報開示・提供して志望度を高めていくことが求められる」と解説する。

また、複数企業からのオファーが集中するDX人材や高度技術者などには、報酬をはじめとして新しい人事制度を用意して迎え入れる必要も出てきている。同時に、既存の社員に対しても魅力的な働く環境を整えなければ優秀な人材から流出していく可能性が高まる。

「これまで以上に業務の効率化や生産性を考慮した採用が重要となり、高い成果に応えられる、より高度なスキルを持つ人材や高い実績を出せる人材の採用(ジョブ型採用など)を、柔軟な雇用形態で採用することが国内全体の企業の課題」(ジェイ エイ シー リクルートメント松園健社長)、「企業はいかにして人材に選ばれるか、いわゆる心理的安全性を提供できるかがリテンションに重要と考えられる。場所、時間、雇用形態にとらわれない採用戦術が差別化のカギ」(レックスアドバイザーズ岡村康男代表)というように、多様な雇用形態で人材を確保する採用や人事のあり方へと見直す時期に来ていることをうかがわせる。

社員自らが選択していく「社員が活きる」時代へ

コロナ禍は企業活動に大きな影響を与え、多くの企業が事業戦略の再考に迫られている。今後の人材マネジメントの方向性について、ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングスの渡部昭彦社長は「イノベーティブな人材獲得のためには、従来の基準に拘らず多様性を持った柔軟な評価軸を持つことが望まれる」とし、人材評価の見直しを示唆する。

また、経営者JP井上和幸CEOは「ウィズコロナのみならずアフターコロナに向けて、コア人材・幹部候補人材の育成・選抜・採用と余剰人材の代謝マネジメント、オペレーション人材についての自動化・無人化を、それぞれ待ったなしで推し進められるか否かが、イコール企業の存続と切り離せないものとなる」と、一貫した人材マネジメントの必要性を説く。

みらいワークスの岡本祥治社長は「その会社だけでしか活躍できない人材育成をしながらも、業績が悪くなった時にリストラを実施するのは無責任ともいえる」と指摘した上で、「在籍する社員が『人生100年時代』を生き抜くためのサポートをするべきであり、具体的には社員に対して他の会社で戦えるような教育やセカンドキャリアに向けた自己啓発サポートをするといった活動が必要となっていくであろう」と、社員のキャリア形成に対する企業の役割を強調している。

2021年は、新型コロナや働き方改革による社員の働き方の大きな変化を受けて、これまで会社が主体となって標榜してきた「社員を活かす」時代から、社員が主体となってライフキャリアを選択していく「社員が活きる」時代へと本質的な転換が始まりそうだ。

主要人材コンサルティング会社に聞く「企業の人材需要と採用の課題」

回答(1)企業の人材需要
回答(2)企業の人材採用の課題
回答(3)人材業界の展望、自社の事業・サービス展開

ワークス・ジャパン

ワークス・ジャパン 
清水 信一郎 代表取締役社長

(1)観光・旅行、航空業界など新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃している分野を除けば、人材需要は緩やかに回復していくと予測する。ただ、近々のコロナ問題の完全収束が見込めないことで、事業やビジネスの在り方が大きく変質していくことになり、人材に求められる要素も変わっていくことになる。人材不足感が緩やかに高まる一方で、年齢制限のない人員削減が企業の中で静かに進行していくことになるのではないだろうか。

(2)新卒採用に限定した場合、2021年4月入社者の採用活動の総括を厳密に実施しなければならない。期せずして起きた採用プロセスのオンライン化の中で、企業は採用活動上のメリットとデメリットを体感したわけだが、経団連が昨年9月に発表した調査では、Web面接は対面より評価が難しいと回答した企業が62.7%に上った。採用人材の成果が見えるのは入社後になるため、少なくとも次年度に向けて選考過程の納得性をより高めるために何が必要か、どんな工夫をするべきかをしっかり検討するべきだろう。

(3)新卒、中途を問わず、人材紹介手数料に対する企業の不満は多い。高い紹介手数料を支払ったものの短期間で離職してしまう、あるいは期待した成果が見られないなどの理由があがる。ただ、エージェント側が一方的に責められるものではなく、企業側の情報発信不足、求める要件とその背景の説明不足などが影響していることも否めない。 人材マッチングにおいては「理解なき期待」を最大限排除することが望ましい。企業の採用支援を行う立場としては、企業の過去ではなく、これからの社会的役割をいかに伝えていくかという企業ブランディングに着目した事業・サービスを強化し、人材と企業の「共感」の創造に注力していきたい。

ロバート・ウォルターズ・ジャパン

ロバート・ウォルターズ・ジャパン 
ジェレミー・サンプソン 代表取締役社長

(1)コロナ禍であっても、国内では専門性に富んだバイリンガル人材の不足は幅広い業界で常態化が続く。在宅勤務の普及で、テレワーク関連システムのテクノロジー企業でも採用が増えている。在宅時間が増えたことで、オンラインサービスとエンターテインメントの利用が急増したため、eラーニング/医療テック/フードデリバリー/ eコマース/ゲーム/モバイルアプリなどではビジネス需要の急伸にあわせて求人も増えている。この傾向は2021年も続くだろう。また、コスト意識を持ちながらハイスキル人材を補う目的から、派遣・契約社員の採用も増えるだろう。大阪では、BCPの一環でデータセンターの開設が相次ぎ関連するIT職での需要が高まっている。2025年の万博に向けた開催準備に際しては、バイリンガル人材の需要がさらに高まると考えられる。

(2)人材の維持・獲得には、働き方の柔軟性がますます重要になる。旧来型の働き方が長年続いてきた日本でも、新型コロナを発端に柔軟な働き方が急速に普及した。コロナ禍では多くの企業が在宅勤務、時差出勤またはシフト制を導入し、会社員もこうした働き方を好んだため、より多くの会社が仕事の進め方への干渉をせず自主性を重視している。当社の調査によると、国内の会社員の7割がこの1年に時差出勤・テレワークを経験し、今後も継続を望んでいることも分かっている。例年課題とされてきた採用プロセスの迅速化については、コロナ禍で対面面接ができない環境下でリモート面接・リモートオンボーディングが急速に普及している。コロナの収束後もこの迅速性が維持できれば、優秀なトップ人材の獲得も有利に運べるだろう。

(3)当社では世界最大級の日英バイリンガル人材データベースと40の専門分野に特化したチーム体制で、見識の深いコンサルタントが企業の採用ニーズに寄り添ったトータル・ソリューションを提供する。

リネアコンサルティング

リネアコンサルティング 
大森崇 代表取締役社長

(1)コンサルティング業界は引き続きDX関連のニーズが増加。今まではDXを活用した業務改革やRPAの自動化などが主流だったが、今後はトップラインを重視した事業開発やIoT、Analyticsなどの専門性の高い人材ニーズが高まる。また、事業再生、M&A、事業承継などの案件が増え、同領域の専門性を有した人材ニーズが高まる。コロナ禍でリモート勤務が定着する中、改めて人事制度の見直しや働き方改革が進むが、日本に適した仕組みが確立されるにはまだ時間が掛かると思われる。夏に五輪が実施されれば一時的に経済が活性化するが、その勢いが継続するかどうかは世界レベルでのワクチン接種率の向上や医療体制強化に掛っている。

(2)今年の採用における重要課題は期待感の醸成。Webを活用した採用が進む中、企業と応募者の物理的接点が減り、採用プロセスを通じて醸成される期待感が希薄となる。さらに入社後もリモート勤務が続くことで疎外感を感じる方が増え、結果として早期退職者の増加につながる。非対面であっても候補者に会社の雰囲気を伝える工夫や、入社前後のコミュニケ―ションを積極的に行うことで期待感を醸成する施策が求められる。また、不確実性の高い環境下では、即戦力人材の採用倍率が激化するため、予算や労働力を優秀な人材採用に集中させられるかが重要になる。

(3)人材業界においては自社の専門性を生かし、信頼できるクライアントや候補者との関係性を強化する施策が求められる。当社は個々のクライアントや候補者とのつながりを強化し、鮮度の高い貴重な情報を積極的に発信していく。

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ 
岡村康男 代表取締役

(1)「二極化が顕著になる」
 産業界全体では成長分野での採用が旺盛になる一方、旧来モデル企業ではリストラ傾向に。正社員採用は慎重になるが副業増、業務委託雇用で人材流動化は拡大し、高スキルワーカーと現場労働型(物流・建設など)の二極で人材需要は増えると予想。

(2)「柔軟な雇用、人事制度の見直し」
 正社員以外の雇用形態と人事制度の見直し必須と思われる。企業はDXに向かうが将来が見えにくく、働く人も将来不安で近視眼的に自己価値最大化を目指しがちになる。企業はいかにして人材に選ばれるか、いわゆる心理的安全性を提供できるかがリテンションに重要と考えられる。場所、時間、雇用形態にとらわれない採用戦術が差別化のカギとなる。

(3)「満足と安心安全の提供」
 人材流動化が進み人材サービスへの期待値はより一層あがっていく。他業界からの参入もあり競争も激化するだろう。非接触型の面接・面談がメイン。画一的サービスでは選ばれず、エージェントは候補者スキルの見極めがより重要となる。当社としては「人材活性」をモットーに、引き続きプロフェッショナルの成長機会創造を追求していく。多様な雇用形態でのマッチングサービスを行い、プロフェッショナル人材+スタッフ層活用を、積極的に提案していきたい。

リス

リス 
木村亮郎 代表取締役社長

(1)コロナ感染拡大に伴う急激な景気減速は小売・飲食・宿泊業等に留まらず各分野に波及し、これに海外経済の不確実性が加わり、コロナが追い風になる企業やIT業界を除いて採用活動は大幅に縮小・中止する傾向が高まるものと思われる。求職者に関しては、企業の年齢を対象とした早期退職が募られ再就職支援事業が以前のように活性化するものと思われる。

(2)求人企業の採用基準が厳格化される中、人材会社はよりスピードが求められ、又、条件や待遇だけではなく、企業および職場のイメージをより丁寧に言語化することが必要になる。内定後においてもコミュニケーションを欠かさないため、求人企業と二人三脚での情報提供が必要です。採用後に関してはトラブルは別として、返戻金対象期間の間は企業および就職者への定期訪問も必要になる。

(3)2020年度は法改正対応とコロナ一色につきる。一時的には助成金に頼らざる状況が発生した会社も多々あったものと思う。新規開拓も求人広告の昨対から見るように半減したものと思われる。当社としては次年度に向かって新たなシステムを導入して、自社保有の求人求職サイト”しごとナビ”のマッチング率の向上を図ると共に、テレワーク体制を準備し、営業職のキャリアカウンセリングおよびマッチング能力向上教育を実施し、派遣スタッフのキャリア形成支援体制を整えていく。

Results

Results 
清島雅晃 代表取締役社長CEO

(1)新型コロナウイルスの影響により採用環境は新卒、中途問わず非常に厳しく、特に新卒については2022年新卒者に向けても厳しく、中途についてはより優秀層に絞った厳選採用が顕著となると考える。業績悪化の影響を受けていない業種や成長業種、また採用余力のある中小企業にとってはよりよい人材の採用チャンスとなると考えている。

(2)採用環境の悪化によって絞られた採用人数の中、優秀層の取り合いは激しくなると考えられるため、そうしたターゲットへのアプローチならびに、その中でいかに優秀でそれぞれの企業にマッチした人材を見極め、厳選して採用するかがポイントとなってくると考えている。

(3)営業職人材の採用環境については、人数絞り込みによる厳選採用の傾向に加え、オンライン商談の増加など営業を取り巻く環境変化により必要なスキルが変化、高度化すると考えている。当社ではそうした環境下、営業職人材のスキルを見極められる営業職向け適性検査、ならびにスキルをベースとした営業職に特化したスカウト転職サイトにより引き続き採用のお手伝いをすすめていく。

リクルートキャリア

リクルートキャリア(現リクルート) 
佐藤学 エージェント事業本部 本部長

(1)当社が提供する人材紹介サービス「リクルートエージェント」において、2020年の求人数はコロナの影響を受け、業界職種等で増減に濃淡があった。2021年も大きく傾向は変わらないと見ている。

(2)コロナの影響により、労働市場の需給は一時的に緩んではいるが、中期的な人手不足トレンドは変わらない。企業は引き続き生産性の向上を求められている。今まで以上に、より採用した人材が定着し、その企業でいかにイキイキ働き活躍してもらえるかが重要となる。当社は業界最大のデータの利用や、様々なサービスを通じて採用のみならず、定着、活躍までも支援していきたいと考えている。

(3)コロナの影響により、景況感の不透明度が上がってはいるが、当社は大方針は変えず「テクノロジー」と「ヒト」をうまく結びつかせ、より一層求人企業と求職者のマッチング精度を追求し続けることで、事業を進化させたい。

Youth Planet

Youth Planet 
堀田誠人 代表取締役

(1)コロナによる経済活動への影響度合いに応じ、人材需要の増減に大きくインパクトを与えてしまう状況が続いてしまう。不確実性の高い状況下では、ビジネスを継続・加速させる上で必要な即戦力ポジションや希少人材は積極的に採用し、ポテンシャル人材に関しては様子を見る状況が続くと予測される。

(2)ビジネスの形が変化してきており、経営戦略から落とし込んだ際に、求める人材/職種も今までなかったものを模索しなくてはいけなくなっている。また、求人企業だけでなく求職者も仕事に対する向き合い方がコロナを機に大きく変化しており、母集団形成の手法、求職者の魅力づけの方法も新たなアプローチが必要になっており、人材採用はそれぞれの求人企業がトライアンドエラーを繰り返しながら成功パターンを見つけていく必要がある。

(3)2021年は人材会社も新しい採用の形を模索していく一年になるであろう。当社は得意とする「WEB/SNSマーケティング」の力を活用しながら、優秀な求職者を紹介するだけではなく、求人企業の採用ブランディングにも貢献し、求人企業自体の採用力も向上できるようにコンサルティングまで行うことで貢献していく。

みらいワークス

みらいワークス 
岡本祥治 代表取締役社長

(1)新型コロナウイルスのワクチンが流通し、経済活動は徐々に回復に向かう。ビフォーコロナとは異なる状況となることは間違いないが、2020年に深刻な打撃を受けた飲食・旅行・サービス業などの業界では顕著に回復傾向に向かうだろう。また投資と採用を控えていた企業の一部が動き始めるが、深刻な打撃を受けて投資に向かえない企業や業界再編などの動きなども考慮し、2021年の雇用情勢は「やや良くなる」と考える。

(2)新型コロナウイルスによる深刻な経済への影響もあり、上場企業が希望退職を募ったのは対2019年比較で約3倍へと増加した。新卒一括採用、メンバーシップ型雇用など終身雇用を前提とした制度となっている企業も多いが、その会社だけでしか活躍できない人材育成をしながらも、業績が悪くなった時にリストラを実施するのは無責任ともいえる。高齢化がますます進み本格的な「人生100年時代」が到来することをふまえると、在籍する社員が「人生100年時代」を生き抜くためのサポートをするべきであり、具体的には社員に対して他の会社で戦えるような教育やセカンドキャリアに向けた自己啓発サポートをするといった活動が必要となっていくであろう。

(3)新型コロナウイルスにより本格的にリモートワークが始まり、また企業への帰属意識など「働くこと」と「人生」への価値観の変化をもたらした。ウィズコロナからアフターコロナへと移行するに伴い、2021年にはその価値観の変化を具体的な行動に移す人が増えることだろう。自分自身の価値観に基づいた人生の選択をする人が増えてくる中で、当社が提供する、フリーランスや副業など人生100年時代を生き抜くための働き方を支える各種サービスを活用する人が増えることが予想されるため、その事業展開を加速していく。

プロフェッショナルネットワーク

プロフェッショナルネットワーク 
木村善行 職業紹介責任者

(1)新型コロナの影響もあるため、OJT等対面での教育が必要となる新卒等の人材の需要が減少し、その分即戦力となるキャリア人材の需要が増加するものと見ている。業種で言えば外食・サービス系は壊滅的であるが、その分逆にいわゆる「巣ごもり需要」にマッチした宅食系および生活インフラ系の業種は好調であるため、そちらでは人材の需要が拡大するものと考えられる。また、IT関連人材の需要は常に変わらずあるため、こちらについては例年と変わらず採用が難しいと考えられる。

(2)新型コロナの兼ね合いで説明会や面接をWebで実施することになり、それに伴い例年とは異なる伝え方・伝わり方に苦慮する企業が多かったように見受けられる。ニューノーマルに対応した、かつ自社の要件にマッチした人材を採用することのできる活動の検討・導入が課題であると考える一方、自社にどういう人材が必要かをしっかりと定めることがまず必要である。人事部門が通常業務を回すことで手一杯になっているという企業もよく見かけるため、採用に関するポリシーを定める際に外部コンサルを入れる等も考えた方が良いのではないだろうか。

(3)当社は研修の請負も行っているが、2020年は新型コロナの影響で上半期においては殆どの集合研修が中止を余儀なくされた、下半期においてWEBによる研修を拡大してきたが、その流れは今後も拡大していくことになると考え、コンテンツの充実を目標としている。また、人材紹介事業も求職者からの登録・応募が増えてきているため、当社の強みであるコンサルタントによるきめ細やかなサポートを活かして成約につなげてゆきたい。

プライマリー・アシスト

プライマリー・アシスト 
石山知良 代表取締役社長

(1)コロナにより雇用の冷え込みが発生し、そこから大きく回復することは難しい状況だ。しかしながら、業績好調の業種もあり、人の流動性は継続して発生する。日本の人口構成から、長い目では人手不足は継続するが、ニューノーマルな様式で求められるスキルに変化が生じてくる。

(2)新卒採用の流れに変化はないが、オンラインによる説明会、選考は継続していく。新卒募集は減少する可能性があるが、これまで採用できなかった業界では継続した需要がある。DXなどが加速し、求められるスキルにも変化がでるので、変化に対応できる人材が生き残っていく。

(3)感染症の世界的な拡大により、公衆衛生、産業保健分野はかつてない注目を集めることになった。政府は「予防医療」というキーワードを発信し、感染症拡大も重なり、企業は社員の「健康」にも関心が高まった。生産性を高めて行くために、能力開発と健康施策は両輪と考える。ストレスチェック制度の見直しのタイミングも近づき、職場の環境改善へ向けたサービスと、それらを実践する産業医療職の需要が高まる。

フジキャリアデザイン

フジキャリアデザイン 
森英昭 取締役 人材紹介部長

(1)新型コロナの状況が見えないが、第3波を見ていると、ほとんどの企業の2021年3月期決算が悪くなる中で、4月以降すぐに人材需要が増えるとは思えない。業績が早めに回復する業種・職種から徐々に回復することを期待している。

(2)最終的には面談するとしてもオンラインで面談をするケースが多く、時間もかかり、またコミュニケーションが不足するため企業の長所短所が見えにくく、キャンディデートの心理的負担が増大する。テレワーク希望もそこそこいるが、業種・職種によっては現実的でないケースも多々あり、マッチングの障害になる恐れもある。

(3)あくまでも先の読めないコロナ禍の状況次第。求人が増えない中、企業の対応もバラバラ、それも時々刻々変わっていくと見られる。当社はクライアント企業の状況をよく見ながら、より良いサービスに努める以外はないと考える。

ヒューマンリソシア

ヒューマンリソシア 
御旅屋貢 代表取締役

(1)新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業の経営戦略に大きな変革をもたらした。人材面においてはオンライン採用が定着し、在宅勤務や時差出勤の広がりといった働き方の変化は、ニューノーマルでのスタンダートになると予測されている。事業推進においては、業務プロセスの改革、テクノロジー活用によるDXへの推進が加速するだろう。このような状況下において、DX推進を担う人材や、変化に柔軟に対応できる人材など、従来の職種やポジションにとらわれない人材ニーズが拡大すると考えている。

(2)ニューノーマルでは、働くことへの価値観の多様化や柔軟な働き方がより一層進展すると考えている。企業の人材採用においては、オンライン採用において顕在化しつつあるさまざまな課題への対応が必要になるだろう。さらに、多様な価値観や柔軟な働き方への理解と、それらを受諾しうる制度や仕組みの構築が求められると考えている。

(3)当社はこれまで、教育事業を母体とした総合人材サービス会社として、その時代に社会に必要とされる人材を育成し、クライアント企業に紹介してきた。このような「育成型」人材サービスは、社会全体が大きく変化している今の時代こそ、より一層必要とされると考えている。このような中当社は、全国的に人材紹介サービスを提供できる強みを活かし、厳しい人材採用難が続く地方企業の支援に注力する方針だ。また同時に、海外IT人材活用や、RPAをはじめとしたテクノロジー活用による業務自動化支援などで、クライアント企業の「労働力確保」における課題解決に取り組んでまいる所存だ。

ヒューマン・アソシエイツ

ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(現AIMSインターナショナルジャパン)  
渡部昭彦 代表取締役社長

(1)コロナ収束が見えてきたとしても、採用市場は当面「ウィズコロナ」的なセンチメントが続く。景気の不透明感だけでなく社会の構造変化が予見できない中、企業は選別的で慎重な採用政策の継続を余儀なくされる。需要全体は伸び悩む一方、DX関連等の好況業種の求人需要やAI・事業開発等専門性の高い裁量型人材へのニーズは堅調推移が期待される。

(2)全体的な人材需給は緩むが専門性の高い裁量型の人材は引き続き「人不足」。会社のミッション・ビジョン、人材への期待値・キャリアイメージ、具体的なスペック等包括的な情報提供が必要。イノベーティブな人材獲得のためには、従来の基準に拘らず多様性を持った柔軟な評価軸を持つことが望まれる。

(3)企業HRMにおいてワークエンゲージメントの重要性が増す中、その向上実現をサポートする人材ビジネスは多様化と情報産業化が進む。当社は人材紹介・メンタルヘルスケア・人材育成の3事業を持つが、各事業のノウハウと情報を癒合させた新たなコンサルティングサービスの提供を考えたい。

パーソルキャリア

パーソルキャリア 
大浦征也 執行役員 dodaエージェント事業部長

(1)新型コロナウイルスの状況次第とも言えるが、いずれにしても緩やかに人材需要は回復していく見立て。ただ、2019年度以前の状態に戻るには数年を要すると考えており、また需要の出る業界、職種、雇用形態、ターゲット等も当然に偏りが出る想定。特に、サービス、商品、企業内の業務プロセスにおいてもデジタル化が進むため、エンジニアやサービス開発職ニーズは強いものの、業務置換が進み、定型業務を担っていた事務系およびアナログの中で必要だったサポート系の求人も戻ってこない可能性が高いと見立てている。

(2)求人の動向はITを中心とした技術専門職および高年収帯のニーズが底堅かった。企業として継続的に技術専門職および高年収帯の採用が課題になっていると考えられる。企業内人材での技術専門職へのキャリアチェンジにおける難易度もあり、人材採用での人員補充、人員強化は継続するものと考えられる。

(3)人材業界のマーケットは数年かけてコロナ前の環境に戻ると見立てているため、2021年では働き方の多様化が広がっていくなかで、自らが働くオーナーシップを取っていけるように法人、個人に引き続き貢献していく。

パソナ

パソナ 
岩下純子 常務執行役員

(1)中途採用市場全体が大きく伸長することがない前提ではあるが、一方で、社内における必要なポジションには外部から人材を受け入れるという戦略は今後も続くと思う。中でも、ポテンシャル人材の採用は少し控える傾向が強く、即戦力人材の採用ニーズは変わらず続くと考えている。

(2)労働者が転職に対して慎重になっている中で、転職マーケットに顕在化していない優秀人材をいかに確保するかが大きな課題となってくると思う。

(3)人材紹介のみならず、企業の経営課題を解決するパートナーとして、当社および当社グループのソリューションを提案していく総合的なサービス提供に、より一層、力を入れて取り組んでいく予定だ。

テクノブレーン

テクノブレーン 
北川太 代表取締役

(1)新型コロナウイルスによりビジネスの様相が一変した2020年。その影響が2021年も続き、大きな景気後退、採用抑制の傾向は避けられない。とくに製造業の求人数は大きく減少し、キャリア(中途)採用を抑える動きは継続する。しかし、人材不足を補うための大量採用から将来に向けた企業活動の根幹をなす研究開発や先端技術の開発者など、特定分野の職種で「本当に必要な人材」を厳選採用する傾向が強まると見ている。

(2)ニューノーマル社会の採用活動として、非対面での選考や海外・地方など場所や移動を問わない採用活動が当たり前になっていく。その中でリスクを背負ってキャリアチェンジを行う人材、求職者に向けて、ジョブディスクリプションの明確化や入社後のキャリアプラン提示など、不安や不透明感を解消し志望動機を高めていく丁寧なサポートが採用成功のカギになる。

(3)アフターコロナの「経済ブーム」を見据え、企業は着実に採用を再開させていくだろう。当社はエンジニア向け人材紹介企業として、IoTや自動運転技術に伴うビッグデータ、AI、センシング関連、高画質カメラ用のイメージセンサーや5Gなどの新技術が求められる領域に加え、在宅勤務、リモートワークや配信サービスにおいて動画ストリーミング等、DC(データセンター)向けサーバーの需要が大きく高まったフラッシュメモリ関連の職種の需要に対応していく。

セールスキャリアエージェント

セールスキャリアエージェント 
斎藤信人 代表取締役社長

(1)業界/職種で差異はあるが、2020年と同等もしくはそれ以上に即戦力性の高い人材に需要が集中すると予想される。コロナショックによるダメージから立て直せず、社内教育コストを減らさざるを得ない企業が多くあると予想されるためである。また、新型コロナの再流行も考えられる状況下で経済の冷え込みは、余儀なくされるだろう。そのため、企業/事業の再建が出来る人材、即成果を残せる人材の需要が高まると考えられる。これまで以上に採用したい人材の定義を明確化し、採用したい人材に響く採用アプローチをすることが不可欠となってくる。

(2)これまで以上に採用したい人材に出会えないことが課題になると考えている。新型コロナ流行の影響で転職希望者は確実に増えており求人応募者も増えるものの、前職で実績を残せず退職された転職者は市場に多く、企業が求めない求職者の応募が増えることが予想されるためである。また、多くの業界で人事部門の縮小が進んでおり、これまで以上に数を追った採用活動が難しくなると考えられる。そのため、母集団形成に投下していた金銭/時間を、採用したい人材に直接アプローチできる方法に投下することがより一層必要となってくる。

(3)当社は、全ての業種/業態の営業職に特化した人材紹介会社である。創業以来、「人材紹介業界を変える」という信条を掲げ、求職者/企業の双方に「入社後活躍」を前提とした人材紹介サービスを提供している。新型コロナの影響で大変な時期だからこそ、2021年はより一層企業に寄り添い、どのエージェントよりも信頼頂ける”ファーストエージェント”を目指す所存である。

ジェイ エイ シー リクルートメント

ジェイ エイ シー リクルートメント 
松園健 代表取締役社長

(1)昨年、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業界や企業は復調に時間がかかるが、一方で2021年に回復に向けた人材需要が見込まれる。また従来のグローバル化に加え、コロナの影響もありDX等のデジタル分野の人材ニーズがひっ迫しており、デジタル関連の人材確保と育成が急務となる。海外は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が尾を引く国が多く、各国政府の規制も厳しく回復の兆しが見えない状況。しかしアジアを中心に感染拡大防止効果が出ている国に関しては、回復基調になっていくと思われる。国内では昨年第3四半期以降求人は回復傾向にあり、DX関連やヘルスケアなどの領域の人材ニーズは堅調に推移している。しかし、国内の新型コロナウイルス収束の兆しが未だに見えないことから、主に外食、アパレル等のサービス業は回復への不透明感も残る。新型コロナウイルスが収束し、延期となった東京五輪が開催されればインバウンド需要の回復にともなう人材ニーズが生まれることも考えられる。

(2)昨年は新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が業績悪化による採用の凍結もしくは選考基準を上げることなどを強いられる中、急速に在宅勤務が増え採用選考方法も対面型からリモート型へ移行せざるを得なくなり、採用判断の見極めの難易度が上がっている。また在宅勤務の浸透によりプロセスよりも成果・業績主義を求める傾向が高まったことによる採用基準の見直しや、副業の浸透など働き方の多様化にともなう就業形態も変化しており、採用も変化にともなう対応を求められるようになってくる。今年、企業はこれまで以上に業務の効率化や生産性を考慮した採用が重要となり、高い成果に応えられる、より高度なスキルを持つ人材や高い実績を出せる人材の採用(ジョブ型採用など)を、柔軟な雇用形態で採用することが国内全体の企業の課題となる。さらに、業務プロセスの変革や働く場所を問わず就業を可能とするためのDXの導入と促進はもはや全ての企業の課題となり、関連のスキルや経験を持つ人材の採用はさらにニーズが高まるだろう。

(3)新型コロナウイルスにより世の中が大きく変化し、それにともない産業構造も変化している。これからの人材サービス業界は変化に柔軟に対応しながら、企業や経済の成長に貢献できる人材を紹介することが求められる。当社では昨年末より「経営課題解決アウトソーシングサービス」と「採用代行サービス(RPO)」を開始した。長年にわたる人材紹介事業の強みとノウハウを生かしながら2つの新サービスの拡大を図り、さらなる成長と拡大を目指す。さらに、DX人材紹介に特化したJACデジタルのブランドによるサービスの強化も継続してゆく。

島本パートナーズ

島本パートナーズ 
秦一成 代表取締役社長

(1)昨年は「米・中経済戦争」と「新型コロナウイルス感染症」による企業業績悪化に伴い、人材採用市場は急速に冷え込んだ。そうした環境下でも、中長期的視点から人材採用を戦略的に実施する企業もあったが少数に留まった。今年は上記2大要因の改善が見えてくるに従い、グローバル競争を勝ち抜くうえで必要となる革新をもたらすことができる人材を中心に、需要は徐々に回復軌道に乗ると考える。

(2)“多角化”や“DX”に関連する人財の採用は年々難易度が高まっており、マネジメント・クラスはもとより従来は公募で採用可能であったリーダー・クラスでも、採用計画未達に陥るケースが少なくない。とりわけDX分野では、その具体的な運用・活用戦略を描けない企業が苦戦している。また候補者の“内定後の円満退社実現”や“入社後の定着率アップ”も課題となっている。

(3)企業はエージェントと建設的な協調体制を構築し、ワンチームとして採用プロジェクトを遂行する必要性が高まっている。当社の強みは、対象人財の“要件定義”から“スカウト”、入社前後の“フォローアップ”に至るまで、精鋭チームが一貫して支援/対応できる体制にある。社員一同、顧客企業のさらなる成長・発展の一翼を担う責任感、そして転職者の人生の一端を背負う覚悟を常に持ち、「凡事徹底」を旨とし業務に邁進していく。

KMF PARTNERS

KMF PARTNERS 
吉田亜紀子 Sales&Marketing division director

(1)周知のとおり、コロナの影響により多くの企業が、影響を受けている。全体の人材需要を捉えたときは、確かに厳しい印象があるが、業界・職種ごとに見ていくと、需要の伸びている業界・職種が出てきている。より需要の伸びる業界・職種と今後需要の減っていく業界・職種の差が、はっきりしていくものと考えられる。

(2)企業側の課題としては、コロナの影響を前提としての労働環境の提供が必須となるだろう。リモートワークはもちろんだが、転勤、出張など、これまでの当たり前から、アフターコロナの労働環境をいかに作っていけるかが、課題になると考えられる。また、採用職種においても、これからの社会環境に対応できる職種や人材の採用が企業の成長にとって、大変重要になってくると思われる。

(3)人材業界自体は、今後より競争が激化していくものと考えられ、大手、中小を問わず、いかに需要のある業界や企業に強くなれるかによって人材紹介会社の業績も大きく左右されると思われる。当社は、これまでの外資系企業(一般消費財、IT、BtoB業界等)に加え、製薬、医療機器などのメディカル領域も強化していき、アフターコロナにおいても活躍できる人材を提案できるよう体制を強化していく。

コンコード エグゼクティブグループ

コンコードエグゼクティブグループ 
矢田真奈 エグゼクティブコンサルタント

(1)コロナ禍を背景に、新規事業開発や既存事業の構造改革をリードできる経営人材・即戦力人材へのニーズは引き続き高くなることが見込まれる。特に、DXを担うマネジメント層の採用は緊急度を増している。また、一時期低下した若手採用については2020年後半以降、徐々に熱気を取り戻してきている。ただし、リモートワークが進み人材育成がしづらくなる中、ポテンシャル人材の採用について慎重な姿勢を続ける企業もあり、企業毎の採用方針の違いが大きくなることが想定される。

(2)新型コロナウイルスの影響で、働き方や生活を大きく見直す流れを受け、場所や時間に囚われない柔軟な働き方や副業可能な環境へのニーズが高まっている。一方で若手人材にとっては、リモート勤務へのシフトに伴う、入社先での育成面・人間関係面の希薄化が懸念視される。勤務形態の自由度を上げ、豊富な経験や専門性を持つスキルフルな人材にとって魅力度の高い環境を整えながら、若手の戦力化や社内のエンゲージメント強化を両立できるかが、人材獲得・活用の成否を分けるポイントになると想定される。また、経営人材やポストコンサルへ提示される条件は近年高騰しており、採用に際しては上述の勤務自由度に加え、高い年収提示が重要となる。

(3)国内大手企業、外資系企業、ベンチャー企業、コンサルティングファームから幹部採用に関する問い合わせを数多く頂いている。コンサルタントをさらに積極的に採用し、数多くの次世代リーダー、エグゼクティブのキャリアを支援できる体制を拡充させる。また、コンコードベンチャーズでのスタートアップへの投資や、大学生を主な対象とした若い世代へのキャリア教育活動をさらに加速していく予定だ。

経営者JP

経営者JP 
井上和幸 代表取締役社長・CEO

(1)新型コロナの影響は2021年通期にわたって残るだろう。2020年の経済活動の落ち込みの影響が最も色濃く出るのが2021年上半期と思われる。新卒・中途・非正規共に需要の落ち込みは否めない。特にアルバイト・パートおよび派遣領域は相当厳しい1年が続く。中途も若手~中堅のボリュームゾーンは引き締め傾向が続きそう。一方で幹部層はニッチな領域の中での優秀人材争奪戦が続くと思われる。

(2)新型コロナは図らずもビフォーコロナから内在的な課題であった生産性アップ、労働人口減少も相まっての自動化・無人化への対応必要性について時間を早回しした。企業各社はウィズコロナのみならずアフターコロナに向けて、コア人材・幹部候補人材の育成・選抜・採用と余剰人材の代謝マネジメント、オペレーション人材についての自動化・無人化を、それぞれ待ったなしで推し進められるか否かが、イコール企業の存続と切り離せないものとなる。

(3)当社対象領域の経営層・幹部層採用は厳選モードを強めながら活発に推移している。顧客接点を引き続き厚くし、当社独自の幹部採用選考支援、個人幹部人材へのキャリア・転職支援コンサルティングを展開。それを支援するTech基盤の引き続きの強化、「経営チーム最適化」のための新事業のローンチなどを予定している。また法人・個人両面での顧客会員プラットフォーム「KEIEISHA TERRACE」についてもさらなるコンテンツとソリューションの拡充を行い、自社ネットワークを極大化していく。

キャリア・デベロプメント・ アソシエイツ

キャリア・デベロプメント・ アソシエイツ 
田辺晃 代表取締役社長

(1)2021年も半ばまでは新型コロナウイルスの感染が続くと思われるので、人材需要はIT等の一部を除いて現状の厳しい状況が継続すると思われる。ワクチンが流通してくると思われる後半からは経済状況の回復から人材需要も回復するであろう。ただ世界的にワクチンが普及するのには時間がかかると思われるので全般的には急激な回復はないのではないかと思う。

(2)全般的には新型コロナウイルスの影響が続き大幅な採用回復はできないであろう。ただ各企業がDX化の取り組みに迫られているが、DX関連の人材には限りがある中いかにその人材を採用できるかが課題であろう。また今後拡大が大きい分野、例えば新エネルギー関連、自動運転、AI関連等なども人材の絶対数が少ないので採用は簡単ではないであろう。ここで外国人の採用も考えていく必要があるであろう。

(3)前半は人材業界も厳しい状況が続くであろうが、ワクチンの流通とともに間違いなく全般的に採用は増えるので、展望としては楽観的に見ていいだろう。当社としては従来の技術系およびIT系の先端企業分野に事業を拡大していく。経験、専門性の豊かなコンサルタントを抱える当社として、各企業の発展に必要なアドバイスを与えながら、優秀な専門人材の紹介をさらに展開していく。

キャリアエピソード

キャリアエピソード 
備海宏則 代表取締役

(1)2021年は未だコロナウイルスの影響を受け全体的に人材需要は低迷すると思う。特に影響を受けやすい飲食・ホテル・アパレル(店舗メイン)などは相当厳しく、上手くネット・ECを活用して売り上げを確保できている企業とできていない企業の格差は広がると思う。また一部オンライン診療、ワクチン、EV、エコなどトレンド的に盛り上がるところはあると思う。

(2)昨今の在宅勤務中心の働き方が影響し、より経験の豊富な候補者を各社求める中、同じような経験を求めるため、一部採用の競争が激化すると思う。同時に「課題」としては経験の浅い、未経験に近い人材を採用した後にこのような状況下でどう研修トレーニングをさせて育てていくか、が挙がってくると思う。

(3)しばらく人材業界も厳しいと思う。特にこれまで対面中心に候補者と企業を結びつけていた人材紹介会社はオンラインでのビジネスプロセスを活用していかないといけないと思う。当社としてもこれまで手触り感のあった対面での紹介事業を効率的に進められるオンラインでのプロセスを中心に進めて行きたいと思う。

エンワールド・ジャパン

エンワールド・ジャパン 
ヴィジェイ・ディオール 代表取締役社長

(1)2021年は新型コロナウイルスのワクチンが普及し、通常の生活に戻り始めることが考えられるため、採用市場も回復すると予測している。日本は依然として人材不足の市場であるため、早期回復した企業は、新型コロナウイルス発生以前の競争水準に戻る前に積極的に人材獲得を行うことが重要になるだろう。また、Web、Eコマース、デジタル関連の特定の業界や職種においては、急激に採用が増えることが考えられる。

(2)2021年の採用市場は回復基調にあるが、直ちに新型コロナウイルス感染症流行以前の水準に戻ることは難しく、ゆっくりと回復するだろう。採用企業は引き続き、オンラインコミュニケーションなどの手段で対面の交流を減らしたり、さまざまな働き方に対応する必要がある。また、現在内部TAや採用担当者によって行われている日常的なオペレーションコスト削減のため、さらに自動化が進むだろう。また、IT系部門などでは、人材紹介会社への依存度を減らすため、内部TAチームの編成が進むと予測される。

(3)新型コロナウイルスのワクチンの供給開始による2021年の景気の回復は、人材業界にもプラスの影響をもたらすと見込んでいる。しかし、景気はゆっくりと回復するため、少なくとも前半は事業発展のため生産性を上げ、投資やコストコントロールを慎重におこなう必要がある。当社ではそのような状況下、採用精度と効率を上げるソリューションの提案を可能にするため、グループ会社エン・ジャパンが保有するHRテックツールの提供を開始した。これにより、採用~入社後の定着までワンストップでのサービス提供が可能となっている。今後も当社ミッションである「入社後活躍」を様々な角度から実現していく。

キーンバウム ジャパン

キーンバウム ジャパン/K.J.コンサルタンツ 
鈴木悦司 代表取締役社長

(1)現下の状況が続く限り、人材需要の急速な回復は望めない。ただし、コロナ禍の中、DXの進展が加速することは間違いなく、結果として、ワークフローシステム、SFA、RPAなどの知見を持ったIT技術者の人材需要が伸びるであろうし、また、(米国の民主党政権誕生もあり)環境問題に対する取り組みを加速させ、例えば、自動車業界ではe-mobilityへの移行が加速する結果、AI、センサー技術、HMIの分野で技術者の需要が伸びることが予想される。

(2)企業人事について言えばHRDXへの移行が不可避であると同時に採用プロセスの見直しが迫られるだろうし、実際に多くの企業が取り組んでいる。求められる人材も言わばDX Readyな人材となるであろう。またリモートワークがある程度常態化した職場では「ジョブ型雇用」がより有効であり企業側も企業文化(ソフト)面でも人事制度(ハード)面でも「ジョブ型人材」を受け入れる体制の構築が必要である。別の視点から、海外子会社の現地社員の役割も大幅な変更が予想される。今まで海外駐在員が担っていた役割を、海外駐在が難しい現在、現地社員が担わなければならないからだ。現地社員に求められる人材をいかに発掘するかも「企業の人事採用の課題」といってよい。

(3)2021年の人材業界は引き続き厳しい状況であることに変わりはない。ただし、企業人事がこれまで以上にドラスティックな変革を求められているときにあって、人材業界としてもこの企業活動を人材面でサポートすることができれば、業界として付加価値を生むことができると信じる。上述のような「企業の人事採用の課題」に、当社としてもこの課題に的確な解を提供することでクライアント企業の発展に貢献したい。特にクロスボーダーの案件を多く手掛ける当社としては、人材を国内、国外を問わず、異文化コミュニケーション能力に富み、その中でリーダーシップを発揮できる人材を発掘することで企業価値を高めることを企図する。

エリメントHRC

エリメントHRC 
清水潤次 執行役員 Principal

(1)経験者採用(即戦力)は加速する。特にDX人材は需要増。新型コロナウイルスに端を発する各社のリモート推進や、ミーティングもWebにシフト等、IT化はさらに進む。データサイエンティスト、データアナリスト等の優秀人材は引く手数多。AI関連案件・人材ニーズも同様。全体感としては、コロナ収束(見込み含む)が無ければ、厳しい状況は続くと予想されるが、ワクチン開発なども順調に推移しつつあり、マーケット回復を期待したい。

(2)2020年はITやスーパー小売、介護等、日常生活に直結する以外のマーケットは、一気に採用ニーズが鈍化(もしくはフリーズ)し、全体的には冷え込んだ。2021年は、ウィズコロナを見据えた採用活動をいかに機能させるか、経験者をいかに取り込めるか等が鍵となる。例えば、オンラインインタビューの難しさ・双方温度差を埋めるため、2回のうち1回は対面などを取り入れる。企業を変革できるエグゼやDX推進担当の起用等。

(3)2020年はリーマンショック以来、大きな打撃を受けた年であった。(ただ、リーマンショック以来、人材業界・マーケットは好調であったため、色々学び・課題が多かったといえる年ともいえる)。2021年は人材業界としては、跳ねる前の準備期間となるであろう。当社の事業としては、2020年はファーマ(製薬)ではニーズは前年とほぼ変わらず、また特に医療従事者ニーズ(COVID-19対応・最前線の看護師等)は高い状況であった。当社としては、2021年も、医療に関わる法人【主に製薬・医療機器・医療サービス(医療IT含む)・医療機関】/個人の支援を最大化し、WIN-WIN-WINを目指す。

クレドス

クレドス 
田中潤 代表取締役 CEO

(1)DX系の人材需要については、コロナ禍の影響が改善した後も、根強い需要増が見込まれているも、需要全体としては、やや減少している状況は否めない。

(2)多くの企業が変革期を乗り切るべく、戦略系コンサルティング会社への依存度が増している傾向にあり、その状況を反映してか、業績上位のコンサルティング会社の採用意欲は衰えを見せていない。一方、大手広告代理店グループの採用については鈍化しているも、トップクラスの広告代理店についてはある程度、継続的に採用を続けている。

(3)多くの人材紹介企業が厳しい経営を強いられる中、当社は前年比500%の実績を計上できた。2020年は戦略系コンサルティング会社、広告代理店、ベンチャーキャピタルに人材を紹介していたが、2021年は日系、外資系問わず、各ブランド事業会社との取引を拡充する予定となっている。

MS-Japan

MS-Japan 
井川優介 取締役 人材紹介事業本部長

(1)コロナ禍で、2020年は春先に大きく求人数が減少したが、年末にかけて緩やかに回復していった。一部の業界では、引き続き求人採用を控えている一方で、IT業界、ベンチャー企業など採用ニーズが旺盛な業界では積極的な採用活動が行われている。2021年も緩やかな回復は続いていくことを見込んでいる。

(2)コロナ前の圧倒的な売り手市場と比較して、現在は求人数の減少により求人倍率が低下している。上述の通り、求人数は緩やかに回復するものの、コロナ前の状態に戻るほどではないと考えている。ただし、専門性の高い実務スキルを有する人材、貴重な経験を積んでいる人材、難関国家資格を持つ人材などは、引き続き採用ニーズが多く、売り手市場の状況が続いている。採用対象に合わせて、募集要件の緩和や数ある採用手段を使い分けるなどの工夫が必要だ。

(3)今年も、管理部門・士業専門特化の採用支援サービスとして、優秀な人材の確保とサービス品質の向上を図り、求人依頼に応える。また、これまで多くの企業に利用いただいている人材紹介事業に加えて、ダイレクトリクルーティングメディアの事業でも貢献できるように取り組んでいく。

EPIC Partners

EPIC Partners 
松岡明子 取締役

(1)専門領域を持つ人材にとっては良い流れが続くと思うが、ジェネラリストの需要は減少、もしくは現状維持と想定される。

(2)買い手市場により一層進むと思う。多様な人材の中からの見極めが、より難しくなるのではないか。良い人材が埋もれてしまわないかの懸念を感じる。

(3)2021年早々に新規サービスのリリース予定。コンサルタントの採用の強化を検討している。

A・ヒューマン

A・ヒューマン 
髙橋英樹 代表取締役社長

(1)新型コロナという外的要因から短期的にはサステナビリティ( 継続)ということになるだろうが、何年後か先には大きな波動のサイクルの中で2021年が変革期であったと振り返ることになるのではないだろうか。石油の時代の終焉、地方銀行の終わりの始まり、働くこと観など…、長期的に進むべき方向性を考える機会の年になりそうである。

(2)変革期に求められる人材は「ゲームチェンジャー」「戦略的思考」「チェンジエージェント」である。ただし、こうした人材はごくわずかである。なぜならば従来日本の企業はそうしたマネジメント教育を施してきていないから。海外でそうした経験をしたビジネスパーソンがターゲットになるだろう。

(3)人材業界はプライヤーの数が過剰な状態が数年続いていたが、2009年のリーマンショック後にみられた淘汰の局面に入るだろう。当社は昨年グループ会社のOptia Partnersと合併した。これにより、外資企業、バイリンガル人材、グローバル人材をカバーするようになった。

ウィンスリー

ウィンスリー 
黒瀬雄一郎 代表取締役

(1)DX推進に伴う業務効率化が率先され、スペシャリスト以外の人員の需要はかなり減少していく。一方、DX系人材は枯渇しており、この分野はかなりの人材需要が出てくる。

(2)余剰人員のリストラと、優秀な人材の積極採用という痛みの伴う人員改革が行われる。DXなど貴重な人材採用は従来にまして難易度が上がっており大きな課題となっていく。

(3)専門的な知見を持っているブティック型人材紹介会社が伸長する。また働き方の変化に伴い、正社員だけではなく業務委託の仲介など紹介のバリエーションが増え、当社専門領域であるデジタル人材はその動きは顕著となっており、業務委託仲介サービスのローンチを予定している。

アンバース

アンバース 
宇都宮聖士 代表取締役

(1)コンサルティング業界を専門に取り扱っていると、経済が上向いているときは上向いているなりの採用ニーズが、下向いているときは下向いているなりの採用ニーズがある。これはコンサルティング業界がなにがしかの社会課題の解決を行っている側面があるからで、その意味においては2021年の人材需要は変わらず一定以上あると思う。

(2)社会課題が複雑化しているなか、コンサルティング業界に求められる人材は、自分なりの解をしっかりと持っている、かつ、それを論理的に説明できる人材だと思う。一方で、様々な情報が世の中にあふれている現在は、目の前の情報をそのまま鵜呑みにするような方が増えてきている印象がある。ステレオ方式にインプットした情報を吐き出すのではなく、頭の中で整理をしたうえで、自分の言葉として表現する。このような人材の確保についてはどこの企業も課題感を持っていると感じる。

(3)少数精鋭で事業を行っているので、既存のお付き合いのある顧客に満足いただける品質の人材のみを提案できるよう、慢心せず粛々と事業運営する。いたずらに規模の拡大を志向せず、地に足のついた支援を心がける。

アンテロープキャリアコンサルティング

アンテロープキャリアコンサルティング 
山本恵亮 取締役

(1)DX化推進に必要な人材をはじめ、専門性の高い人材および募集職種に関する実務経験がある若手~中堅の人材に対するニーズは堅調に推移すると思われる。一方で、専門性やスキルが乏しい人材に対する募集ニーズは低調となると懸念される。

(2)オンラインでの面接が増加していることによって、候補者は気軽に多くの企業へ同時に応募する傾向が増している。よって、採用の見込みのある人材に対しては、面接を通じて自社に興味を持ってもらえるよう働きかけることや積極的に自社についての情報開示・提供して志望度を高めていくことが求められる。

(3)当社は投資ファンド(PE、VC等)をはじめ、経営コンサルティングファームや投資銀行、金融機関のフロント職を中心に取り組みつつも、併せてスタートアップなどの事業会社へのプロフェッショナル人材の紹介にも力を入れていく。

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