AI活用の本格化で人材要件の見直し進む【主要人材コンサルティング会社アンケート「2026年 人材需要と採用の課題」】

2026年の人材需要と採用の課題を、企業の人材採用を支援する主要コンサルティング会社の事業責任者を対象にアンケート調査で聞いた。(編集:日本人材ニュース編集部

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目次

中途採用は増加が続く 新卒採用は横ばい

企業の人材採用を支援する主要コンサルティング会社の事業責任者を対象に本誌が実施したアンケート調査では、2026年の日本の雇用情勢は「良くなる・やや良くなる」との回答が69%となった。

中途採用は「増加・やや増加」が8割超と高水準の需要が見込まれる一方、新卒採用は5年ぶりに「増加・やや増加」が5割を下回り「横ばい」予想が多い。アルバイト・パート、派遣も2025年に比べ「増加・やや増加」が減少している。

●2026年 日本の雇用情勢・人材採用の増減(回答集計)

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人材需要については「AIの台頭に代表される変化が激しい現代において、産業を問わず各社はビジネスモデルの変容を迫られている。事業を推進するために求められる人材要件も変化」(インディードリクルートパートナーズ近藤裕執行役員)、「AIで代替できない専門職や管理職の需要が増える一方、定型業務や知識労働は賃金上昇も相まってAIへの置き換えが急加速」(ジェイック近藤浩充取締役)、「手入力していた仕事が自動化するかも知れないが、それをチェックしたり関連部署とやり取りしたりするのは人間が行うので、結果的に人材需要が減るのではなく、業務内容が徐々に変化」(CPAキャリアサポート中園隼人代表)、「採用は量より質へと移行し、AIを活用して価値を生む人材が求められる」(リネアコンサルティング大森崇社長)など、AI活用の本格化でビジネスや業務が変わり、人材要件の見直しが進んでいくことを示唆するコメントが目立つ。

業種・職種特化の人材紹介各社では「コンサルティング力や事業開発視点を持つ営業職」(セレブリックス武拓矢GM)、「M&A関連の経験を持つ人材」(アンテロープキャリアコンサルティング林徹シニアディレクター)、「GX推進に伴う人材」(グリーンタレントハブ井口和宏代表)、「施工管理人材」(ヒューマンリソシア高橋哲雄代表)、「精神障がい者採用を進める企業で就業後の支援を担う人材」(プライマリー・アシスト石山知良社長)などのニーズが見込まれている。

近年、新卒や若手を大量採用してきた大手コンサルティングファームでは「生成AIの業務適用が加速したことで、従来アソシエイト層が担っていた作業領域の一部が自動化され始めている」(THRILLクリスチャンセン洋助CEO)ため、今後の採用動向が注目される。

●職種別doda転職求人倍率(求人倍率が高い6職種、全体)

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(出所)パーソルキャリア「doda 転職求人倍率(2025年11月)

ミスマッチを防ぐ採用プロセスの重要性が高まる

採用力を高めるためには「質の高いエージェント、リファラル、ダイレクトスカウトなどの採用手法の組み合わせと柔軟性を持った採用基準」(KMF PARTNERS吉田亜紀子Director)、「キャリアプランや企業の将来性、経営方針など多岐にわたり情報提供」(よきあす野呂田義尚代表)が欠かせない。

特に新卒や若手は「『自己実現』への意識が一層高まり早期に成長を実感できる環境が重視されているため、入社後のサポート体制やキャリア形成」(コンコードエグゼクティブグループ佐竹尚プリンシパル)を示すことができない企業は採用が難しい。

繋の照沼貴大代表は「採用力は“魅力があるか”ではなく“魅力が伝わっているか”で決まる」と説明する。

採用競争は激しいが「『企業が選ぶ』から「人が選ぶ」時代への変化により需給バランスは崩れ、人材は二極化」(サーチエグゼ西川将紀代表)、「新しい職種や役割が増える中で、既存の職種区分や要件では人材像を定義しにくい場面も増えている」(キャリアビリティ雨宮佑揮社長)ため、ミスマッチを防ぐ丁寧な採用プロセスの重要性はますます高まっている。

また、事業運営に必要な人材を安定的に確保するためには「短期的な母集団形成ではなく、自社にとってのベストターゲットに中長期で選ばれ続ける仕組みづくり」(DRIX長谷川優代表)、「知見や経験が豊富なミドル・シニア人材の転職意向が高まっていることから、採用ターゲットの見直し」(パーソルキャリア桜井貴史doda編集長)、「副業・フリーランスなど外部人材の活用も視野に入れた人材戦略」(アクシスコンサルティング伊藤文隆COO)なども考えなければならない。

●採用を強化する企業の取り組み

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「競争が激しいボリュームゾーンを必要以上に追わず、自社で活躍しうる人材像を精緻にペルソナ化し、効果的なターゲティング」(タイグロンパートナーズ廣重甫エグゼクティブコンサルタント)によって採用に成功する企業がある一方、「上がりすぎた採用難易度を経営者が把握しないままに人事部門に過度な負担を敷いた結果、採用担当が疲弊し退職」(ギークニア齋藤理代表)するような企業もあり、企業間の採用力格差は一層拡大している。

「大企業はゼネラリスト中心の組織からスペシャリスト活用が喫緊の課題」(レックスアドバイザーズ岡村康男CEO)だが、ジェイ エイ シー リクルートメント田崎ひろみ会長兼社長は「メンバーシップ型に紐づけられた従来の人事制度では、優秀な人材の中途採用が難しいだけでなく、優秀な既存社員を手放すことにもなりかねない」と指摘する。

「若手が経験を積むための『下積みの仕事』がAIに置き換わったことで、次世代のハイクラス人材をどう育成するか」(みらいワークス岡本祥治社長)との新たな課題も出てきており、2026年はAI時代の到来を見据えて採用戦略の再構築に取り組む年になる。

主要人材コンサルティング会社アンケート「2026年 企業の人材需要と採用の課題」

回答1.企業の人材需要
回答2.企業の人材採用の課題
回答3.人材業界の展望、自社の事業・サービス展開

フォルトナ 荒井良介 マーケティングマネージャ

フォルトナ 
荒井良介 マーケティング・広報マネージャ

  1. DXやAIを担える人材需要は引き続き高水準で推移する。特に、技術的な実行を担うAI・データサイエンス、サイバーセキュリティ分野の専門家への需要が顕著だ。また、DXの内製化ニーズも強く、プロジェクトマネジメント経験者も引く手あまただ。需要のピークは一旦超えるものの、ハイクラス人材の獲得競争は継続する。
  2. コンサルティングファームは慢性的な人手不足と採用難に直面している。最大の課題は、「コンサル経験者の獲得」と「若手人材の定着」です。労働集約型ビジネスモデルから脱却するため、単なる増員ではなく、即戦力のマネジャークラスと、AI・データなど特定分野の専門性を持つ人材をいかに獲得・育成できるかが鍵となる。優秀層の奪い合いを避けるため、採用ブランディングの強化が急務だ。
  3. AIの台頭により、転職エージェントにも変化の波が訪れている。単なる求人提案・マッチングビジネスはAIに代替できるため、求職者に対する高精度なキャリアプランニングと、企業に対する戦略的な採用アドバイザリーがより一層求められる。当社では、独自ネットワークと求職者との深い信頼関係を活かし、戦略的な採用パートナーとしての役割を追求していく。
キャリアビリティ 雨宮佑揮 代表取締役社長

キャリアビリティ 
雨宮佑揮 代表取締役社長

  1. 「人をどう採るか」に加え、「人にどう投資するか」へも、企業の関心はますます広がっていると感じる。賃金改定や評価制度の見直しだけでなく、何をどう評価するのか、企業のビジョンをどのように定義し、人事評価にどう落とし込むかについて、悩む企業の声を多く聞く。製造業においても、良いものを作れば売れる時代ではなくなり、ニーズの多様化を受けて、モノよりも人の力が競争力を左右する場面が増えている。こうした中で、人的資本経営はますます重要な課題になっていると考える。こうした流れから、人材需要は新規採用の増減だけでなく、企業のビジョンや価値観を軸とした人材戦略全体として捉えられつつあると見ている。
  2. 企業の人材採用を取り巻く環境は、従来よりも複雑になってきていると感じる。事業環境の変化に伴い、新しい職種や役割が増える中で、既存の職種区分や要件では人材像を定義しにくい場面も増えている。また、社内の人材構成や事業の状況を踏まえながら採用を進める必要があり、一律の要件や従来のやり方では対応しにくく、採用判断そのものの難易度が高まっていると感じる。
  3. 人材採用を取り巻く環境は、職種や役割の多様化により、今後さらに複雑化していくと見ている。こうした中で、人材業界ではAIやデータ活用による効率化が進む一方、個別性の高い採用においては人が介在する価値がより重要になると考えている。当社では、複雑化する採用に対し、AIマッチングに依存するのではなく、人が介在することで企業ごとの事情や採用背景を踏まえたマッチングを重視している。特に製造業においては、業務内容や現場環境、求められる役割が企業ごとに大きく異なるため、画一的な仕組みでは対応しきれない領域に注力している。
グリーンタレントハブ 井口和宏 代表取締役

グリーンタレントハブ 
井口和宏 代表取締役

  1. 高市首相就任後、GX、フードテック、核融合など17の戦略分野を国家重点領域に位置づけ、研究開発型スタートアップの社会実装を後押しする政策を進めている。また、GX推進法に基づき、10年間で150兆円超の官民GX投資が動き始めている状況だ。これらの政策を追い風として、引き続き脱炭素関連のスタートアップ(クライメートテック、ディープテック)及び大企業のGX推進に伴う人材需要は加速していくものと予想。
  2. 脱炭素領域における専門人材が圧倒的に不足しており、即戦力人材の取り合いになっている状況だ。具体的には、再エネの事業開発職、系統用蓄電池のプロジェクトマネジメント職、プロジェクトファイナンス人材、ディープテックの事業開発人材、プラント・プロセスエンジニア等だ。ターゲットを絞りすぎて採用に時間を要し事業拡大の機会損失を招く懸念もあるため、必須経験、年齢層、語学力など、採用条件を見直し、母集団を広げることを推奨したい。
  3. 競争環境が激化する状況下、候補者及び採用企業に選ばれるエージェントと淘汰されるエージェントのいずれかに二極化していくと予想する。選ばれるためには、「ブランド(第一想起の獲得)」「コンサルタントの質・量」が肝要だ。グリーンタレントハブは、「アジアNo.1脱炭素領域に特化した総合人材サービス企業になる」をビジョンに掲げ、脱炭素領域に特化した採用支援、人材育成支援を提供している。昨年は書籍『グリーン・リスキリング』を発行し、グリーン人材拡充の具体的な施策を整理した。ぜひご覧いただきたい。
タイズ 今井良祐 代表取締役社長

タイズ
今井良祐 代表取締役社長

  1. 政治経済の不透明感は残るが、人手不足を背景とした人材ニーズは今後も旺盛に推移。ただし2026年は、全般的な採用ブームは落ち着き、収益性の高い企業と低い企業で採用意欲に差が顕著に表れる。収益が出ている企業でも内部人員の整理は進む。職種別では、AIエージェント導入に向けたDX人材の需要が製造業へも拡大する一方、教育が必要な新卒や定型作業層はAIに代替されニーズが縮小する可能性がある。代替困難な現場職や、地政学リスクに伴う拠点再編を主導できるグローバル人材の需要が鮮明になると想定。
  2. DX人材の争奪戦は業界の垣根を越えて激化しており、企業には「選ばれる側」であるという強い自覚が求められている。従来の「待ち」の採用ではなく、自らタレントを獲得しにいく「タレントアクイジション」への転換が急務。ターゲットに共感される人事制度設計や、自社の魅力を正しく発信する力(採用広報力)の構築など、人事のみならず組織全体で採用力を高めていけるかが成否を分ける大きな課題。
  3. AI普及により介在価値の低い紹介会社は淘汰される。今後は、企業からは戦略を理解し採用戦略の整理や採用広報の一助となれる力が、求職者からは企業の内部情報などデジタルで収集できない力を持つコンサルタントが求められる。当社は採用広報支援や求人票の磨き込み・見極めに注力し、アナログな介在価値による「ベストマッチング」を追求する。さらに既存媒体に依存せず、転職潜在層を掘り起こす独自のタレントプール構築を通じ、従来の送客だけでは不可能な質の高いマッチングを実現していく。
プライマリー・アシスト 石山知良 代表取締役社長

プライマリー・アシスト 
石山知良 代表取締役社長

  1. 雇用情勢、人材採用の見通しは、少子高齢化が更に加速し、若年労働者不足の影響が大きく、更に人手不足が進み、中小企業や差別化できない企業は母集団獲得に苦戦が続く。企業内医療職の需要については、ストレスチェック義務化のタイミングと政策次第で大きく変化が出てくると思う。
  2. 企業内医療職(主に産業医・保健師/看護師・心理職)を採用する際は、エージェント利用が定着している。メンタルヘルスの課題増加により心理職の需要が徐々に増えてきているが、企業が求める要件と、候補者との調整が大事なポイントになってきている。また精神障がい者採用をすすめる企業も出てきており、就業後の支援を担う人材需要が高まってきている。
  3. 日本が抱える人口課題により、従業員の生産性向上へ向け、医療人材を求める企業が増加している。当社は企業内医療職に特化したサービスを継続し、入社後の活躍をテーマに、企業をアシストするサービスを展開している。特に、中小企業における健康支援は課題が多く、きめ細かく支援するサービスを考えていく。
アクシスコンサルティング 伊藤文隆 代表取締役社長COO

アクシスコンサルティング 
伊藤文隆 代表取締役社長COO

  1. 社会環境として、DXやサステナビリティ、新規事業開発、さらにはAIの台頭など、企業が直面する経営アジェンダはますます高度化かつ複雑化しており、スピードが求められている。そのため経営課題の特定から実行までを推進できる人材や、変革や改善をリードできる人材への需要が一段と高まっている。しかし、供給数は依然として少なく、需給ギャップはさらに広がると見ている。
  2. DX・AI、CxOをはじめとするハイエンド領域の人材は、人材の数が少ないため、採用競争は依然として厳しい状況。採用に成功しても、それらの人材を最大限に活かすには、組織側の定着支援やマネジメント体制の強化が求められる。こうした環境下では、正社員採用だけでなく、副業・フリーランスなど外部人材の活用も視野に入れた人材戦略が不可欠となる。
  3. 労働力不足と高度人材不足が並行して進む中、正社員のみで組織を構築することは難しく、外部人材を組み合わせたハイブリッド型の人材活用が主流になると考える。当社は正社員採用とスキルシェア(兼業・フリーランス)を組み合わせたサービスで企業の経営課題に対応しており、経営アジェンダに最適な人材を最適に配置する考え方は、人的資本経営の潮流とも整合している。
メイテックネクスト 梅津太一 代表取締役社長

メイテックネクスト 
梅津太一 代表取締役社長

  1. 2026年における製造業の人材需要は、専門性の整理が一段と進む年になると見ている。特に半導体、EV、ロボティクスの領域は、工程や構造の設計精度が競争力の源泉となり、企業が求める人材像がより細分化し、より深化していくだろう。また、シミュレーション技術の普及やDX開発の環境進化により、従来の業務経験では測れない「現場知」との掛け合わせが大きな価値となっている。大きく流れが変わる中で、経験の有無だけでなく、工程や構造の意味を含む真の価値を正しく理解したうえで、つねに学習し新たな役割へ挑戦できる人材かどうか、の見極めが企業の競争力を大きく左右するだろう、と考えている。
  2. 採用課題の中心は、単なる候補者の数量確保よりも、企業が必要とする役割を工程のフェーズやレベルごとに正確に説明できるか、そして共感が得られるか、に移っている。技術の掛け合わせで領域が広がる中、従来のポジション定義では業務内容が伝わらず、候補者の思いとのアンマッチが見られる。そのため企業には、採用プロセスでは、役割が伝わる言葉、評価する具体的な成果、さらに育成プロセスなどフリンジベネフィットを含む制度全体を統合的に再設計することが求められている。特に2026年は、全体を技術進化にあわせて、採用と育成も連動させなければならず、難易度も重要性も、より大きく増す一年になるだろう。候補者の強みがどのフェーズやレベルで発揮されるか、を採用段階で見極め、その後の戦力化につなげられる企業ほど、やはり早期活躍が実現している。当社としては、求人要件の工程、フェーズ、レベルの精度を向上させ、マッチング支援の強化を図り、企業の採用課題の解決に寄与する考えだ。
  3. 人材業界は、単なる仲介ではすでに選ばれない。やはり、企業の技術戦略と人材戦略の「戦略インテグレート・エージェント」が求められると考えている。特に製造業では、装置・工程・構造が一体で統合され難易度が増しており、求人票の文章だけでは伝わらない専門文脈や行間が増えている。そのためエージェントにも、製品特有の難しく統合された技術や工程、候補者の経験と思考や意欲、を正しく理解する力をより強めることが求められている。当社は製造業専門の紹介会社として、単なる採用支援にとどまらず、2026年は企業の技術戦略×人材戦略をつなぐ力をさらに強めて、企業に提供する価値をさらに高めてきたい、と考えている。
リネアコンサルティング  大森崇 代表取締役社長

リネアコンサルティング 
大森崇 代表取締役社長

  1. 2026年の人材市場は、IT人材や専門人材の不足が続く一方、AI自動化が進み、若手が担ってきた定型業務は大きく代替される。採用は量より質へと移行し、AIを活用して価値を生む人材が求められる。コンサル業界でもAI前提の案件が増え、若手〜ミドル層のリスキリングと役割再定義が不可避となる。業界知識とテクノロジーを横断できるハイブリッド人材の重要性が一段と高まる一年となる。
  2. 企業の採用課題は、採用が従来の人材補充から組織能力の再設計へと役割転換している点にある。DXバブル期の過剰採用の反動により、人材の選択と集中が求められ、採用・配置・育成を一体で考える運用が不可欠となった。また、人的資本開示の本格化により、企業は「採る理由」だけでなく「働き続けられる理由」も示すことが求められている。
  3. 2026年の人材業界は、大量スカウト依存の転職モデルに限界を感じ始め、企業は量より精度を重視するためマス型スカウトの効果はほぼ失われる。生成AIにより候補者検索や一次対応は自動化が進み、ダイレクトリクルーティングが主流となる。人材紹介会社は、単なる仲介ではなく、候補者理解や採用戦略の上流支援など意思決定を支える役割が求められる。量より質の伴走型エージェントが強さを発揮する一年となる。
みらいワークス 岡本 祥治 代表取締役社長

みらいワークス 
岡本祥治 代表取締役社長

  1. 米中関係や関税の問題などによって、世界情勢の不透明感は増しているが、日本経済全体としてはポジティブに捉えている。グローバルビジネスにおいてはプラス・マイナス双方の影響が混在するものの、多くの企業が現在の変化を一時的なものと冷静に受け止めている。むしろ、こうした外部環境からの圧力が、日本企業が長年先送りにしてきた「変化」を断行する好機となり、中長期的にはプラスに作用すると予測している。ジョブ型採用へのシフト、外部人材活用もより進行するだろう。
  2. 生成AIの進化、AIエージェントの登場により、ホワイトカラーの定型業務の自動化が進み、生産性は著しく向上した。一方で、若手が経験を積むための「下積みの仕事」がAIに置き換わったことで、次世代のハイクラス人材をどう育成するかという新たな課題が浮上している。効率を度外視してでも若手に経験を積ませるのか、全く別の育成手法をとるのか。AI活用が進んでいる企業ほど、この「育成のジレンマ」に直面している。
  3. ビジネススピードが加速し、業界を超えたビジネスモデルの構築が求められる今、正社員だけですべての事業を完結させることは困難だ。そのため、即戦力となるスキルフルな外部人材(プロフェッショナル)への需要はますます高まっていくことが期待される。一方で、優秀な人材は「どこでも仕事を見つけられる」状態にあるため、需給バランスは売り手市場に傾いている。当社にとっても、いかにプロ人材を惹きつけ、リレーションを維持できるかが、より重要となっている。
レックスアドバイザーズ 岡村康男 代表取締役

レックスアドバイザーズ 
岡村康男 代表取締役CEO

  1. 多くの業界で人材の流動化が進み、若手層・技術者層を中心とした慢性的な人手不足になるなど、人材の需要は依然として旺盛と思われる。職種に限らずAI活用を進めなければならないが、新たな人材需要と課題が起こり得る。
  2. 大企業ではゼネラリスト中心の組織からスペシャリスト活用が喫緊の課題となり、中小企業では既存社員との報酬バランスなど、個社毎に課題があると思われる。人材のテーマで採用は重要だが、単体ではなく育成・評価・定着・採用広報とセットで考えていけると採用巧者になれる可能性がある。
  3. AIの台頭など産業構造の転換と人材流動化が進み、人材紹介サービスも数重視と質重視のエージェントに二極化していく。当社としては専門特化型の人材サービスとして、人事の目線に立ってマッチングの質にこだわり、採用企業の成長につながる人材を紹介していく。
プロフェッショナルネットワーク 木村善行 職業紹介責任者

プロフェッショナルネットワーク 
木村善行 シニアマネージャー

  1. 企業の人材需要については、ここ数年にわたり人不足感が続いており、需要は依然として高水準を維持している。特にIT化の進展に伴い業務が高度化していることから、高い付加価値を創出できる人材の層は限られており、優秀な人材をめぐる競争は今後さらに激化すると考えている。
  2. 現在の人材採用においては、求職者にとって「売り手市場」となっており、従来のように企業が人材を選ぶのではなく、企業自体が選ばれる立場へと変化してきている。そのため、各種待遇やエンゲージメント施策、多様な働き方への対応など、人事制度を総合的に整備し、求職者から「選ばれる会社」をつくり上げることが急務だと考える。ただし、企業が求職者のニーズに迎合しすぎるのではなく、自社のパーパス(存在意義や理念)に共感できる人材を確保することも重要だ。企業の方向性と価値観に共鳴する人材を採用することで、長期的な成長と持続的な組織力の強化につながると考える。
  3. 企業の人事スタッフは、採用施策の企画や人材戦略の立案など、より付加価値の高い業務に注力していくことが求められている。そのため、私たちがいかに効率的に業務を進められるよう支援できるかという「業務支援力」が重要になる。加えて、リファラル採用やアルムナイ採用など手法が多様化する中で、より効果的かつ効率的な採用手段の「提案力」も不可欠であり、今後の事業展開において大きな鍵になると考えている。
インディード リクルートパートナーズ 近藤裕 執行役員(エージェントサービス事業)

インディード リクルートパートナーズ
近藤裕 執行役員(エージェントサービス事業)

  1. 社員領域での人材不足感は引き続き強く、求人数も増加傾向だ。この数年間では、機械・電気・化学エンジニアを筆頭に、多くの職種で求人が増えていた。AIの台頭に代表される変化が激しい現代において、産業を問わず、各社はビジネスモデルの変容を迫られている。事業を推進するために求められる人材要件も変化する中、キャリア採用は今後も活発化すると考えられる。
  2. 人材獲得競争が過熱する中、採用が進む企業はミドル・シニアの採用に力を入れている。また賃上げが叫ばれる昨今、賃金体系の見直しも重要だ。労働市場での賃金相場の変動をモニタリングした賃金設定を検討するとともに、働く個人にとっても納得感がある「評価・報酬制度」を整備することが重要だ。社会・経済環境の不確実性が高まる中、雇用慣行の変革を進めることで、求職者に選ばれる存在へと変容していくことが重要になる。
  3. 人材獲得競争が激しく、採用課題も高度になっている転職市場において、当社への期待が一層高まっていると感じている。ニーズの高まりに対し、コンサルティング体制を強化・増員、AIなどのテクノロジー活用にも力を入れ、対応可能な領域を拡大し続けながら、多くの期待に応えられるよう尽力していく。創業時から「人の可能性」に向き合い続け、日本最大級のマッチング事例を保持する私たちだからこそできる支援を磨き続け、求職者、企業、産業、ひいては日本経済の発展に貢献できるよう尽力したい。
THRILL クリスチャンセン 洋助 代表取締役CEO

THRILL 
クリスチャンセン洋助 代表取締役CEO

  1. AI・DX分野の人材ニーズは引き続き高まり、コンサルティングファームやSIer、外資系ITベンダーに加えて事業会社まで採用を強化している。生成AIの急速な普及により、データ基盤、AIプロダクト企画、業務改革領域の採用が一段と拡大しており、人材獲得競争は昨年以上に熾烈な状態が続いている。新卒採用やリスキリングを通じた育成戦略にシフトする企業は増えているものの、案件推進や組織運営を担う経験豊富な人材は依然として不足している。「即戦力性」と「将来の育成」を両立させることが業界全体の課題となり、優秀な人材の確保はより長期的な戦略性が求められている。
  2. AI活用の波が広がり、特に大手ファームでは生成AIの業務適用が加速したことで、従来アソシエイト層が担っていた作業領域の一部が自動化され始めている。その結果、若手には従来以上に「論理的思考力」「プロジェクト推進力」「顧客折衝力」など、より高付加価値のタレント性が強く求められるようになった。AI時代において、企業は採用から活躍支援までを一貫して設計し、若手が早期に戦力化できる体制づくりを行うことが成功の鍵となっている。
  3. 採用競争が一層激化する中で、「採用プロセスの最適化」と「候補者満足度の向上」が不可欠だ。具体的には、採用リードタイムの短縮や選考プロセスを通じた候補者との意向醸成が成功の鍵となる。我々は、候補者に「なぜその企業を選ぶべきか」を明確に示し、ミッションベースで訴求することで納得感を高め、企業と候補者を結びつける支援を行っている。この取り組みこそが、競争市場における差別化要因となり、企業の採用成功を後押しする最大の価値であると確信している。
ジェイック 近藤浩充 取締役 教育事業部長

ジェイック 
近藤浩充 取締役 教育事業部長

  1. 新卒・中途共に採用は活発。ここに少子化も加わり、売り手市場はさらに進行する。特に生成AIの影響が決定的で、AIで代替できない専門職や管理職の需要が増える一方、定型業務や知識労働は、賃金上昇も相まってAIへの置き換えが急加速している。企業の人材需要は、単なる労働力の確保から「AIにできない価値」を持つ人材の獲得へと、その質的転換を強めていく。
  2. 新卒採用における初任給含む賃上げ競争は激化の一途を辿り、資金力のない中小企業の採用断念は増加。中途市場では、従来の専門性に加え「AI活用スキル」を持つ人材需要が増加、獲得競争は熾烈。今後はAIによる採用プロセスの効率化や、選ばれるための「人的資本経営」の可視化が、人材確保の成否を分ける。
  3. 人材業界は生成AIによるマッチングの自動化・高精度化とダイレクトリクルーティングの普及で再編が進み、大手・専門特化企業へのシェア集中が進む。当社は、独自の就活AIサービスを発展させつつ、大学や大学生協事業連合、中退者・既卒向けの独自ルートを強みに、新卒・若手採用に苦戦する企業を支援しつつ、AIと人の介在を組み合わせて採用〜定着・育成まで一気通貫で支援する体制を強化していく。
パーソルキャリア 桜井貴史 doda編集長

パーソルキャリア 
桜井貴史 doda編集長

  1. 2026年の採用ニーズは一時期の高水準からやや落ち着くものの、転職市場は活況が続くと推測される。企業は2040年問題を見据え、将来のマネジメント層候補や即戦力となる専門人材の採用を強化する傾向がある。引き続きAIやDX人材のニーズは高く、AIを利用した経験だけでなく、先端技術を活用した事業変革や生産性向上実現などの「AI実績」を評価される傾向が強まり、活躍が見込まれる経験値のある人材の採用が高まると考えられる。
  2. 採用難易度の高い状況が続く中で、中期的な採用ブランディングも含めた採用力強化や定着率向上、人的資本経営の推進の必要性がより高まると考える。具体的には、賃金アップや評価制度の見直し、柔軟なはたらき方の選択肢の提供など、社員が長く安心してはたらける環境整備が重要だ。加えて、知見や経験が豊富なミドル・シニア人材の転職意向が高まっていることから、採用ターゲットの見直しも課題解決の打ち手になるだろう。時間正社員の活用や副業・フリーランスの受け入れも有効な選択肢になると考えられる。
  3. 企業の採用意欲が高まる中で、個人側では価値観の多様化により自分に合ったはたらき方をより重視する傾向も強まっている。転職市場は今後も活況を維持するだろう。また構造的な労働力不足を背景に採用難易度の上昇が見込まれる中で、当社は、主力の転職サービスと副業・フリーランス事業の連携強化や、リスキリングやキャリアメンタリングなどキャリア形成を支援する事業を拡充し、キャリアオーナーシップを育む社会の実現を目指す。
コンコード エグゼクティブグループ 佐竹尚 プリンシパル

コンコードエグゼクティブグループ 
佐竹尚 プリンシパル

  1. 引き続き労働需給は厳しく、多くの企業が人材確保に高い危機感を持つ。特に、AIが事業運営の前提となる環境下で、企業の仕組みを新しい形に作り替えられる実行力を持つエグゼクティブや、AIを業務に実装して価値を創出できるDX/データ人材の需要が一層強まる見通しだ。加えて、賃金上昇の流れが続く可能性が高いことから、報酬だけでなくキャリアパスや働き方の柔軟性といった人材獲得のための総合的な待遇設計が競争力の決め手となるだろう。
  2. 新卒や若手では「自己実現」への意識が一層高まり、早期に成長を実感できる環境が重視されているため、入社後のサポート体制やキャリア形成の見通しを分かりやすく示すことが重要だ。さらに、AI導入が進むことでルーティン業務は自動化され、業務の設計やAIが示す情報や分析結果を意思決定に反映させ、具体的な成果につなげる役割が相対的に重要となる。企業は、仕事内容の中で得られる成長機会に加え、人とAIがどのように連携して仕事を進めるかを具体的に示す採用メッセージに改めつつ、既存人材のリスキリングにも継続的に取り組む姿勢が求められる。
  3. 人材業界もAI活用を経営課題として扱う段階にあり、候補者のマッチング精度向上や定型業務の自動化の動きが加速する。しかし、すべてが自動化で解決するわけではなく、候補者の価値観・キャリア志向を読み解く高度なコンサルティング力は依然として差別化要素だ。人材会社は、AIを精度向上と効率化の中核的ツールとして活用しつつ、企業と候補者の間に立つ人間的洞察と戦略的助言を強化することで、戦略的パートナーとしての価値を高めていく。
ギークニア 齋藤理 代表取締役

ギークニア
齋藤理 代表取締役

  1. 構造的な人材不足はAIやロボットで解消するには至っておらず、引き続き企業の採用意欲は高いと見ている。営業、IT、バックオフィスいずれの領域でも、経験者をAIが補完するような働き方がスタンダード化し、それによって生産性を出す企業が、日本経済を牽引していくだろう。さらに、ここ数年続いたインフレがそろそろ家計の所得増へと波及し始めること、政治主導の減税、ロシア情勢の収束なども起これば、さらなる好景気が期待される。一方で、AIで代替されやすい新卒への採用控えや、トランスフォーメーションについてこられない50代以上のゼネラリストのリストラや退職勧奨の流れは進む可能性がある。
  2. メンバーシップ型からジョブ型スキル型に移行しようとする中で、ポータブルスキルを持つ「通用する」人材に企業の採用ニーズが集中し、より採用の難易度が上がっていく可能性が高い。そんな中、上がりすぎた採用難易度を経営者が把握しないままに、人事部門に過度な負担を敷いた結果、採用担当が疲弊し退職するという「経営の無知が人事部を殺す」状態に陥っているケースは増え、良くも悪くも人事の外部化が進む可能性が高い。IT人材については、あきらかにリーダー・マネジメントレイヤーの需用に集中しており、供給が追いついておらず、シニア・地方人材・外国人の活用が必要となってくる。
  3. AIという黒船が来て、なんなら一番影響を受けるのが、我々人材業界かもしれない。AI化で業務効率化が進む一方で、参入障壁が低くなり、エージェント自体のスキルが希薄化し、差別化もできなくなり、結果的に集客を担う人材プラットフォームが寡占化していく。その中で、当社はIT企業と思われがちだが、データ活用は重視するが、人間が企業や求職者の両面と直接会い、面談でしかわからない、熱量、相性、経験と勘といった部分も含めて、「汗をかくマッチング」を諦めないこと、つまり「人間力」を大切にするが戦略だ。
キャリアインキュベーション 佐竹勇紀 代表取締役

キャリアインキュベーション
佐竹勇紀 代表取締役

  1. 今後6〜12カ月で、特にミドル〜エグゼクティブ領域の人材ニーズは増加傾向と見込む。海外展開、DX、事業承継/PMI等の変革テーマが重なり、変革をリードできる経営人材の需要が高まっているため。同時に、変革を支援するコンサルティングファーム等プロフェッショナルファームの採用需要も堅調に推移する見通し。
  2. 高度人材(ミドル〜エグゼクティブ/専門職)では需要超過が続き、優秀層は獲得競争が一段と激しい。報酬だけでなく「なぜ今その会社で、どんな文脈で挑戦できるのか」を候補者のキャリアストーリーに接続して伝えることが重要。加えて、評価基準の明確化や意思決定の迅速化など、丁寧さとスピードを両立する採用設計が企業競争力に直結する。
  3. AI活用により、若手領域では探索/スクリーニングの効率化が進み、採用市場の透明性・オープン化が進展する。ミドル〜エグゼクティブ領域では、単純なレジュメ読解やスキルマッチングはコモディティ化し、戦略・組織文脈を踏まえた見立て、口説き、リファレンス等の高付加価値領域が重要。当社としては、変革局面における経営人材の獲得支援に加え、投資(企業成長/再編)と採用をつなぐ領域(例:人材DD〜経営チーム組成)へ展開していきたい。
ロバート・ウォルターズ・ジャパン ジェレミー・サンプソン 代表取締役

ロバート・ウォルターズ・ジャパン 
ジェレミー・サンプソン 代表取締役

  1. 2026年も高度専門人材のキャリア採用は高い需要が続き、転職市場は活況を維持すると予想される。円安の影響で日本市場への投資を拡大する外資系企業が増加しており、これに伴い外資系企業による人材ニーズも堅調となる見込みだ。当社の調査では、企業が最も人材不足を感じている分野としてデジタル/IT人材と営業人材が挙げられており、これらの分野での採用活動がさらに活発化すると考えられる。
  2. 高度専門人材の採用競争は依然として激しい。給与水準を市場動向に合わせて引き上げるだけでなく、スキルや年齢などの条件を柔軟に再検討する必要がある。また、フレックス制や在宅勤務といった選択肢を提供することも重要だ。当社の調査では、給与面だけでなく採用ブランディングや企業文化改善に注力したい企業が増加している。AI普及によりスキルやキャリアを見直す候補者も多く、キャリアパスやリスキリング体制の整備が採用力強化につながるだろう。
  3. AI技術によって一部業務や職種が代替・増強され、生産性は向上すると考えられる。しかし、日本全体としては深刻な人材不足が続き、人材獲得競争は激化する見通しだ。このような状況下で当社は、企業向けアドバイザリーサービスをさらに充実させるとともに、候補者が多様な選択肢から最適なキャリアを選び取り、スムーズに転職活動を進められるよう支援していきたい。
エリメントHRC 清水潤次 取締役

エリメントHRC
清水潤次 取締役

  1. 2025年の崖を越え、労働力不足は「経営課題」そのものとなった。ヘルスケア・IT・製造業界では、単なるDX導入から「事業変革(BX)」や「グローバル展開」へフェーズが移行。現場と経営をつなぐ「ブリッジ人材」や、海外拠点を統括できる即戦力への需要が沸騰している。企業は、採用の量から質へと戦略を転換し、事業成長を牽引できるコア人材への投資を惜しまない姿勢が鮮明になる。優秀層の獲得競争は過去最高レベルに達すると予測する。
  2. 「賃上げ」と「パーパス」が採用の成否を分ける。優秀層ほど、給与に加え「社会的意義」や「働き方の柔軟性」を厳しく選別するため、候補者視点も加味した採用プロセスへの転換が急務となる。この転換が遅れる場合、獲得競争において競争優位性の維持が難しくなる。また、外部採用の難化に伴い、「リスキリングによる内部育成」と「リテンション」も喫緊の課題だ。人的資本経営への本気度が問われ、企業間の人材獲得における差別化が不可避。
  3. AI活用が飽和する2026年、業界では効率化とは対極にある「真の対話」の価値が再定義される。当社は地方ブランチ展開を予定しており、主要産業の現場へ物理的に接近する。企業と候補者に、画面越しでは掴めない機微や熱量に、真摯に向き合うためだ。医療・IT・製造の知見を融合し、デジタル活用はしつつも、それだけでは代替できない「人ならではの介在価値」を追求していく。
ワークス・ジャパン 清水信一郎 代表取締役社長

ワークス・ジャパン 
清水信一郎 代表取締役社長

  1. 完全なジョブ型雇用にはならないものの、ジョブとそれに必要なスキルを社内で明確にしていく方向がより強まっていくものと考える。そのため、企業の人材需要は高いレベルで維持されるにも関わらず、専門性を持たない生涯総合職のような人材の社外への流動化が必然となっていくだろう。
  2. 求職者の企業選択軸は、待遇、仕事内容、労働環境が3軸。企業間では過剰な条件闘争が生じているため、求職者との重要な相互理解プロセスが形成されにくく、より希薄になる可能性が生じる。相互理解なき入社が今後も増加していくとしたら、人材投資が生産性の向上につながらないという次の課題を生み出すことになるのではないか。
  3. 何事においても「地に足を着ける」ことが重要と考える。AIの進歩はすさまじく、かつ素晴らしいが、魔法の杖ではないので、何のために、誰のために役立つのかの視座が欠落すると、ただの飛び道具でしかない。周囲の動向に左右されず、じっくりと顧客の課題に向き合っていきたいと考える。
採用と育成研究社 鈴木洋平 代表取締役社長

採用と育成研究社
鈴木洋平 代表取締役社長

  1. 企業の人材需要は継続して底堅く推移すると予想される。ただし、国際・政治情勢の影響により企業収益が悪化する場合、採用計画に調整が入ることも考えられる。
  2. 人手不足だからこそ「採れば終わり」ではなく「入社後の活躍と定着まで含めた成功」が重要だ。採用のときだけアトラクティブに見せても実態と乖離すれば結局は離職につながってしまう。採用と育成・定着・活躍を一体で設計できる企業が成果をあげやすくなる。
  3. 2026年は「定着・活躍」が大きなテーマになると予想される。定着には経営や人事の他に、受け入れ部門の関与が重要である。当社は採用を点で捉えず、入社後の活躍までを一気通貫して設計するパートナーとして企業の問題解決に伴走していく。
エイクエント 杉本隆一郎 ジャパンカントリーマネージャー

エイクエント 
杉本隆一郎 ジャパンカントリーマネージャー

  1. 経済変化とAI進化により、企業は専門スキルとAI活用能力を持つ人材を継続的に求め、雇用の流動性が高まる。米国に本社を置く外資系企業を中心に、採用人数の削減が見られる一方で、雇用においては言語・専門性の高い人材を厳選。正社員採用は堅調だが、採用難から派遣への切替えも見られる。DX推進で事業会社が中途採用を強化し、エンジニア不足から技術と顧客接点の橋渡し的な人材の需要も増加している。
  2. 企業のオフィス回帰とデジタル・クリエイティブ人材のリモート志向側で、ニーズのミスマッチが生じている。特に本社主導で、オフィス出社が進む外資系では、専門職の採用難や社員の離職リスクが高まる傾向がある。多くの企業が応募者(母集団)の確保に苦戦している状況。希少な優秀人材にはオファーが集中するため、企業は競争力を高め差別化が求められる。また、年功序列的な体制が残る企業では若年層の高い離職率が課題となる。
  3. 企業が競合に打ち勝つためには、AIなどの新しい技術への投資が鍵。特に中堅・中小企業は独自の強みによる差別化が必須となる。激化する人材獲得競争においては、従来の媒体依存から脱却し、独自の採用戦略を構築することが必要となる。今後の採用プロセスでは、候補者の選定・マッチングなどといった反復作業をAIで効率化し、人手が関係構築や交渉といった付加価値の高い業務に集中することが求められるだろう。
キーンバウム ジャパン/ K.J.コンサルタンツ 鈴木悦司 代表取締役社長

K.J.コンサルタンツ/キーンバウム ジャパン
鈴木悦司 代表取締役社長

  1. デジタル化と業務変革があらゆる産業で進む中、企業の競争力の源泉は「データを活用して事業を設計・運用できる人材」へと移っている。生成AIの実装、プロセス改革、顧客接点のデジタル拡張など、DX領域は専門性と経験が求められるため、需要は今後も継続的に拡大する見込みだ。
  2. 日本企業の人材採用の最大の課題は、求めるスキルと労働市場に存在する人材の能力が一致しない「ミスマッチ」にある。DX推進やグローバル展開に伴い高度な専門性や実務経験が求められる一方、教育・育成の投資が十分でなく、即戦力人材の獲得競争が激化している。また、給与水準や働き方改革への対応が遅れ、優秀人材が外資系やベンチャーに流出する傾向も見られる。採用だけに依存せず、育成戦略と一体化した長期的な人材ポートフォリオ構築が急務だ。
  3. 人材業界は、人的資本経営やDX推進の加速により、単なる採用支援から「組織変革と人材価値最大化」を支援する領域へ進化している。企業は採用難だけでなく、人材育成・エンゲージメント向上・リーダーシップ開発など包括的な課題に直面している。当社は、欧州で培った組織・人事コンサルティングの知見を基盤に、エグゼクティブサーチ、アセスメント、人材開発、報酬制度設計など統合的なサービスを提供し、企業の持続的成長と人的資本強化を支援する事業展開を推進していく。
ヒューマンリソシア 高橋哲雄 代表取締役

ヒューマンリソシア 
高橋哲雄 代表取締役

  1. 労働力人口の減少という不可避の現実を前に、日本企業は2026年、人材の「量」から「質」への転換へと、本格的に舵を切る年になると予測している。生成AIやGXを担う専門人材は、企業の競争力を左右する戦略的資本として、引き続き強い需要が続くだろう。特に建設領域では、社会インフラ維持や防災力強化といった公共需要に加え、民間の大型投資も堅調で、施工管理人材の不足は構造的な課題として継続する。また建設DXの進展により、デジタルと現場の双方に精通した技術者、さらには国際競争力を有する外国人材への需要は、大手ゼネコンを中心に一段と高まると見ている。
  2. 賃上げが恒常化する中、金銭的報酬だけでは優秀人材の確保が困難となり、企業には、「個の成長」を支え、長期的なキャリア形成を実現できる環境づくりが求められる。建設業界では、働き方改革や技術革新が進む一方、依然として他業界への人材流出が課題となっている。求職者は企業の将来性、スキル習得の機会、働きやすさをこれまで以上に精査しており、「エンゲージメント(働きがい)」の向上や、評価制度の透明性を包含した、採用から育成・定着まで一貫した“人材投資の設計力”が、採用競争力の分岐点になると考える。
  3. 人材業界は、AIによる効率化と、人の介在価値が発揮される専門領域との二極化が進む局面にあり、単なるマッチングではなく、経営課題の本質を踏まえた「最適な人材×ソリューション」の提供が不可欠だ。当社は、建設技術者をはじめとした専門職人材の紹介に加え、生産性向上に直結するDX支援・AI活用サービスを統合的に展開してきた。企業の技術継承やDX推進といった経営課題の解決に資する人材とソリューションを提供することで、建設業界の持続的な発展と、技術者一人ひとりの自己実現に貢献していく考えだ。
セレブリックス 武拓矢 キャリア&リクルーティング事業本部 SQiL Career Agent事業部GM 兼 事業オーナー

セレブリックス
武拓矢 キャリア&リクルーティング事業本部 SQiL Career Agent事業部GM 兼 事業オーナー

  1. 労働人口の減少という構造的な課題を背景に、企業の採用意欲は依然として全方位で高水準が続くものの、採用基準は「量」から「質」へ明確にシフトすると予測される。特にビジネスの最前線を担う営業職においては、単なる人員補充から「成果の再現性」を問うフェーズへ移行するだろう。AIによる定型業務の代替が進む中、顧客課題を解決に導くコンサルティング力や事業開発視点を持つ人材へのニーズは一層高まり、環境に左右されず成果を出せる「真の即戦力」を求める動きが加速すると思われる。
  2. 有効求人倍率の高止まりを受け、多くの企業が採用ミスマッチを防ぐため選考基準を厳格化している。こうした傾向は全職種に共通するが、とりわけ個人の資質や対人能力に依存する営業職の採用において、その難易度は極めて高い。営業職はスキルが可視化されにくく、表面的な実績だけでは本来の実力との乖離を見抜くことが容易ではないのが実情だ。結果として、真の即戦力を適正に見極められず、採用に苦戦するケースが目立っている。数値化できない候補者の思考プロセスや行動特性といった「見えない資産」を可視化し、選考の中で正当に評価できるかが、企業の採用力を左右するだろう。
  3. AIマッチングが普及する時代だからこそ、エージェントには人と企業の間に立つ「スキルの翻訳者」としての介在価値が問われる。営業職特化型の「SQiL Career Agent」は、1400社・1万2700サービス超の支援実績を基に、多様な営業手法やスキルを科学的かつ高解像度で捉えている点が強みだ。今後は独自の「PROOFメソッド」を用いて候補者の成果プロセスを「視える化」し、事業成長に直結する採用コンピテンシーの定義を支援する。単なる人材紹介にとどまらず、営業職の能力が正当に評価される市場を作り出し、採用要件の最適化を通じて、営業職キャリアのインフラを目指す展開を進める。
unlock.ly(アンロックリー) 武田颯太 取締役

unlock.ly(アンロックリー) 
武田颯太 取締役副社長

  1. 2026年の人材需要は二極化が進むと予想される。AI/DX人材は企業のデジタル変革に伴い高需要で、半導体・テクノロジー分野で採用が活発化。転職市場では給与水準が上昇し、経験豊富なミドル層への需要も増加。一方、AIによる業務代替を懸念する企業も増え、単純業務の求人は縮小。ハイスキル人材の獲得競争が激化する一方、自動化可能な業務は減少する可能性が高まる。
  2. 少子高齢化に伴う若年層の絶対数不足、母集団形成の苦戦、採用競合の増加、採用コスト高騰、採用媒体の増加等、多数の課題が取り巻いている。このような採用難時代において、企業には採用戦略の抜本的な見直しが求められている。「コスト」ではなく「投資」として採用を捉え、データを活用して仮説設定や効果測定を行い、採用改善を行う必要がある。
  3. 人材業界は2026年以降、テクノロジー活用と多様な雇用モデルの定着による変化が見込まれると予測する。AIを使った採用マッチングやスカウト機能の高度化、ジョブ型雇用・副業の拡大が進み、採用支援・RPOサービスの需要も増えると予想される。当社では紹介業としての支援に留まらず、RPOサービスとして企業の採用を内側から支える・改善する支援も得意としている。
ジェイ エイ シー リクルートメント 田崎ひろみ 代表取締役会長兼社長

ジェイ エイ シー リクルートメント 
田崎ひろみ 代表取締役会長兼社長

  1. 人口が減少するわが国においては、多くの企業が「人材不足」を最優先で考えるべきリスクととらえており、「人」の最適配置は日本の経済成長にとって最も重要な課題のひとつだ。特に、企業の意思決定や事業戦略にとって重要な経営者や管理職、プロフェッショナル人材の需要はこれまで以上に高まっていくと考えられる。
  2. 優秀な人材を採用するためには、競合他社よりも魅力的な処遇の提示や、実力に応じた報酬を用意する必要がある。人材の流動性が高まる中、メンバーシップ型に紐づけられた従来の人事制度では、優秀な人材の中途採用が難しいだけでなく、優秀な既存社員を手放すことにもなりかねないため、企業は採用、雇用について柔軟な対応が必要とされていくと考えられる。
  3. 企業の成長ドライバーとなるような新規プロジェクトや主要事業に関する中途採用が増えているが、機密性の高い求人や、幹部の新設・入れ替えなど潜在的な求人、対象が限定され採用難易度が高い求人については、応募の数よりも質が重視されるため、求人企業側と求職者の間を一人のコンサルタントがつなぐ当社のコンサルティング型の人材紹介はその優位性をますます発揮すると考えている。
  1. 人材不足が深刻化しており、対策としてAIによる業務効率化を図る企業でもAIエンジニア需要が拡大している。昨今のサイバー攻撃対策をはじめとするセキュリティ関連の需要も継続するだろう。一方、製造業では縮小領域の技術者が転職活動で苦戦もしくは他業界に移ることを強いられている現象も見受けられるため、成長産業との格差が感じられる。また、複数のメーカーでは製品に搭載するデバイスを自社開発できる技術者を採用し、デバイスメーカー依存から脱却を模索する動きも広がりつつある。
  2. 多くの企業が同じようなターゲット人材を求めるため、認知度の高い企業や優位性を示せる企業から人材を獲得する中で、採用に苦戦している企業は多い。人事は自社の認知度を上げるためさまざまなメディア露出や、優位性を示すための工夫なども担うようになるが、コロナ禍で変化したリモートワーク・副業希望など新たな環境準備も他社比較で大きな要因となっており、人事制度の変化も求められている。このため、人事のみではなく経営層や現場も含めた変化が必要となってくるが、就業環境の変化や求める人材の条件緩和がなかなか認めてもらえず、人材獲得に苦戦している人事担当者の悩みは増えそうだ。
  3. 企業によるダイレクトスカウト、AIによる大量スカウトや求人との自動マッチング等により求職者側が得られる情報が飛躍的に増え、求職者にコンタクトを取ることが難しくなり続ける。成果報酬のスカウトサイトでは決定数での料金設定が多く、独自の求職者獲得やデータベースを保持していない少人数の紹介会社は淘汰されていくと考えられる。当社は技術者経験・業界知識からハイクラスエンジニアや、エグゼクティブ層の実績を強みに、企業の新規事業立ち上げや組織強化に貢献し続ける。
クレドス 田中 潤 代表取締役 CEO

クレドス
田中 潤 代表取締役 CEO

  1. 日本国内では、デジタル化・グローバル化の加速に伴い、ホワイトカラー人材への需要が高まっている。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進、データ分析、経営企画、海外事業展開などの分野で高度な専門知識とマネジメント能力を兼ね備えた人材が求められている。また、AIやクラウド技術を活用した業務効率化や新規事業創出に対応できる柔軟な発想力を持つ人材への需要も拡大している。
  2. 採用課題としては、即戦力となる専門人材の不足が深刻化している。特に中堅層の転職市場では優秀人材の争奪が激しく、給与水準やキャリア形成支援などで企業間競争が進んでいる。また、リモートワークや副業容認など柔軟な働き方への対応が遅れている企業では、優秀人材の確保が難しい状況にある。さらに、採用後の定着や育成体制の未整備も課題となっている。
  3. 人材業界は、デジタル化や働き方の多様化に対応し、単なるマッチングから「成長支援型サービス」へ進化する必要がある。AIを活用した精度の高いマッチングが重要であり、当社でも昨年導入後、売上が2.5倍になった実績もある。当社は、DX人材・経営企画など専門領域に特化し、企業の採用課題と個人のキャリア形成を両面から支援する“共創型プラットフォーム”を目指している。
繋 照沼貴大 代表取締役

 
照沼貴大 代表取締役

  1. 生成AIやAIエージェントの普及により、企業はAI知識ではなく、事業・業務・技術・組織を横断し、意思決定の前工程と運用設計を担える人材を求めている。特にDXやAIを事業戦略に接続し、経営課題を解決できる構造的思考力を持つ部長~経営層の確保は競争力の中核だ。需給バランスは売り手市場が続き、即戦力層は複数の選択肢を持つため、採用難易度は一段と高まっている。
  2. 採用は報酬やキャリアパス等の比較環境にあり、競合他社との争奪戦が激化している。求人票に要件を並べるだけでは企業の本質的な魅力は届かない。採用力は“魅力があるか”ではなく“魅力が伝わっているか”で決まる。市場動向と候補者視点を踏まえ、役割の本質を言語化し、採用スピードと情報の透明性を担保することは、内定承諾率を高めるのみならず、入社後の定着・活躍を促進する人材マネジメントの起点だ。
  3. 人材業界は単なる紹介から採用課題解決パートナーへ進化している。当社は求人票に現れない企業の強みを市場動向・競合比較・候補者視点から抽出・言語化し、適切に届けることに徹している。需給ギャップが拡大する中、内定承諾~オンボーディングまで伴走し、採用力を構造的に高める。DX時代の採用は人材獲得ではなく、事業戦略を実現するための構造設計であると考える。
CPAキャリアサポート 中園隼人 代表取締役

CPAキャリアサポート 
中園隼人 代表取締役

  1. AIやDX化によって奪われる仕事が確実に生じるとは思うものの、全体的な視点で見ると生身の人間に任せたい仕事は減ることがないと予測。実際に手入力していた仕事が自動化するかも知れないが、それをチェックしたり、関連部署とやり取りしたりするのは人間が行うので、結果的に人材需要が減るのではなく、業務内容が徐々に変化していくというようなイメージを持っている。
  2. 応募者が殺到する企業と、全く応募がない企業との差が鮮明になると予測。大手企業は自社のブランドが多くの候補者に認知されていると錯覚しているが、実際に応募者は認識していないことも多いと思われるし、スタートアップのような企業なら更にその傾向は強い。転職市場を的確に把握して平均水準以上の報酬条件を準備し、求職者に認知されるためのアクションが重要。
  3. 有料職業紹介事業全体の市場規模は更に拡大していくと思われるが、ブティック系の多くは大手のダイレクトリクルーティングサービスへの依存度がさらに高まってくるので、経営のコントロールがし難い状況になると思う。つまり、今後の勝敗を分けるのはどれだけオリジナルの人材データベースを自社で構築できるかになる。当社は日本最大の合格実績を誇るCPA会計学院を母体に、公認会計士をはじめとした豊富な会計ファイナンス人材のオリジナルデータベースを有しており、大きな差別化に成功している。
NEWOLD CAPITAL 塚田壮一朗 取締役COO

NEWOLD CAPITAL
塚田壮一朗 取締役COO

  1. 当社が専門としている成長企業群における経営幹部ポジションについては、引き続き経営を推進する経営幹部ポジションの採用ニーズが強化されている。その背景の一部には、M&Aの増加や、引き続きのPEファンド投資の台頭が挙げられ、多くの中堅企業において経営革新が行われているからだ。
  2. 優秀な人材をどのように自社に魅力付けするかという観点、優秀な人材の中長期キャリアパス創出の観点から各社の競争が熾烈だと考える。
  3. 金融経済が堅調であることからも、引き続きホワイトカラーにおける人材採用市場は活発化していく年になることを想定。一方で、AIやロボティクスの台頭が進み、労働力のリプレイスが始まる分岐点となる年になるとの見立ても想像している。当社としては引き続き、成長企業群に対する経営幹部を中心とした支援を推進していく。
サーチエグゼ 西川将紀 代表取締役

サーチエグゼ
西川将紀 代表取締役

  1. 2021年以降、企業の求人需要は堅調な拡大を続けており、とりわけ当社が専門とするIT・DX領域のエグゼクティブ層において需要増が顕著だ。AI技術の適用範囲拡大により、従来の若手開発エンジニアへの依存度が低下する反面、より上流の工程を掌握し、AIと現場のリソースを最適にオーケストレーションできる高度マネジメント人材が不可欠となってきた。こうした人材を巡る獲得競争は、今後さらに激化する見通しだ。
  2. 企業は高度な業務適性とカルチャーマッチを求めるが、売り手市場の現在、主導権は候補者側にある。「企業が選ぶ」から「人が選ぶ」時代への変化により、需給バランスは崩れ人材の二極化が生じている。もはや外部からの獲得のみに依存することはできない。今こそ自社で人材を一から育てる「育成重視」の原点に回帰し、教育制度と組織の価値観を再定義する必要性がある。
  3. 人材業界への参入増加とAIの実用化により、既存業務の淘汰と獲得競争は激化の一途をたどる。この環境下で、「人が企業を選ぶ基準」は劇的に変化している。報酬などの条件面から、「企業の文化・歴史・価値観」、そして「共に働く人」そのものへの共感が重視されるようになった。限られた人生の時間を誰と過ごし、共通の目的を追う喜びに投資するのか。一方で、組織に属さず個人の幸せと自由を追求する副業・独立志向の層も拡大しており、働き方は明確に二極化している。だからこそ当社は、人文学と歴史を学びの礎とする。スペックや条件の表層を超え、企業で働く人と候補者の「人間性」に深くフォーカスし、本質的なマッチングを追求していく。
よきあす 野呂田義尚 代表取締役

よきあす 
野呂田義尚 代表取締役

  1. どの業種でも人材不足感はあり、採用条件緩和や雇用条件を上げる傾向が見られ、今後もこの状況は続くと考えられる。他方、AIの活用により人員を減らす動きも並行してみられるため、全体感としては変わらないものの、採用の取捨選択が鮮明になると思われる。また、業種問わず専門的スキルに特化した人材は今後も高い需要があると推測され、企業間での競争は激化の一途を辿ると推測される。
  2. 即戦力人材の採用競争は激化しているため、求人同業他社にどのように勝っていくかが大きな課題になると考えられる。採用条件もさることながら、今後のキャリアプランや企業の将来性、経営方針など多岐に渡り情報提供することが必要不可欠になってくる。また、働き方の柔軟性などを高め、定着に向けた従業員のエンゲージメントを向上させる取り組みも併せて行うことが急務となることが予想される。
  3. 人材業界は、慢性的に人手不足の継続から市場拡大は当面継続すると見込まれる。そのような状況下で即戦力かつ高度専門人材のニーズは今後も続くため、ハイキャリア紹介や専門スキル人材紹介の価値が向上すると思われる。この状況下で当社は、各インダストリーに特化したチーム編成を行い、専門的ナレッジを蓄積、共有し求職者の転職ニーズを満たしながらエージェントとしての介在価値向上に努めていく。
DRIX 長谷川優 代表取締役

DRIX
長谷川優 代表取締役

  1. 様々な社会課題により人手不足が常態化する中で、採用は「単なる増員」ではなく、事業成長に直結する人材獲得へと確実にシフトしている。加えて、不確実性の高い環境下ではテクノロジーに強く、かつ自ら推進できる人材の価値がより一層高まっていくと考えている。
  2. 採用の課題は「どれだけ集めるか」ではなく、「どう選んでもらうか」に移行している。短期的な母集団形成ではなく、自社にとってのベストターゲットに中長期で選ばれ続ける仕組みづくりが重要だ。採用広報から候補者毎の体験を一気通貫で設計していくことがこれからの採用成功の鍵になると考えている。
  3. 人材業界は「人×AI×データ」の融合が進み、より再現性のある採用が求められる時代に入っています。当社では、採用を点ではなく経営の一部として捉え、戦略設計から実行まで一気通貫で支援するサービスをさらに進化させていく。
アンテロープキャリアコンサルティング 林徹 シニアディレクター

アンテロープキャリアコンサルティング 
林徹 シニアディレクター

  1. 当社がカバーする金融業界では、依然として非常に強い採用ニーズが続いている。新卒採用数を中途採用数が上回る大手金融機関もあり、今後もこの傾向は続くと見ている。また、コロナ禍で採用を控えていた外資系金融機関でも再び採用ニーズが高まっており、日系から外資への転職事例も増加している。特にM&Aに関連する経験を持つ人材への需要は高く、業界を問わず引き合いが強い。事業会社からのニーズも非常に多く、M&A人材は金融・非金融双方で今後も高い需要が続く分野といえる。
  2. 専門性の高い人材を確保するため、従来より高い報酬を提示できる人事制度を整備する金融機関が増えている。一方で、制度は整ったものの、実際の運用面では社内のコンセンサスが十分に取れていない企業も見受けられる。また、候補者の価値観が多様化しているため、何を重視しているのかを丁寧に見極めることも従来以上に重要になっている。自社にとって必要な専門性を持つ人材に対し、スピーディーかつ柔軟に条件提示ができる意思決定体制や組織風土を整えることが、採用の成否を大きく左右すると感じている。
  3. AIの発達により、基本的な情報は人材会社を経由せずとも得られるようになり、レジュメ添削や選考対策もAIにより的確かつスピーディーに実施できる状況になっている。そのため、転職希望者が人材エージェントを利用する理由は変化しつつあると感じている。そのような中で、AIでは得られない生の情報を提供することがエージェントとしての価値になると考えている。当社としては、金融業界・コンサルティング業界において企業側との関係性をより一層深め、価値ある転職エージェントとして企業・個人双方に貢献していきたい。
アイムファクトリー 平山穰一郎 取締役

アイムファクトリー 
平山穰一郎 取締役

  1. IT分野の人材需要は2026年も引き続き高い水準で推移すると見込まれ、生成AIやクラウド、セキュリティなどの分野を中心に「質」を重視した採用が進むと予測している。一方で人材供給は依然として不足しており、企業には即戦力採用だけでなく、新卒や未経験人材の育成やリスキリングを組み合わせた体制づくりが求められている。
  2. 慢性的な人材不足に加え、近年はスキル要件と求職者ニーズのギャップが採用課題としてより顕在化している。企業は高度なスキルや即戦力を求める傾向が強まる一方、求職者は働き方の柔軟性や成長機会を重視しており、両者のズレが選考長期化や内定辞退につながるケースも増えている。要件の最適化や育成前提の採用設計が重要。
  3. IT人材市場は採用支援だけでなく、定着支援や独立、起業支援を含めた“総合的なキャリア支援”が求められる段階へ進んでいる。当社としては、AIエージェントを活用したスキル可視化によるマッチング精度の向上に加え、フリーランスへの転身、またフリーランスから社員、副業なども含めた多様な働き方支援を強化し、エンジニアの中長期的な成長に寄り添うサービスを展開していきたい。
タイグロンパートナーズ 廣重甫 エグゼクティブコンサルタント

タイグロンパートナーズ
廣重甫 エグゼクティブコンサルタント

  1. 企業の人材需要は依然として高水準で推移しており、今後も売り手市場の継続が見込まれる。その背景には、少子高齢化および労働力人口の減少といった構造的な要因に加え、DX推進やAI活用の加速に伴い、自社に存在しない高度な専門性を外部から調達する必要性が一段と高まっていることが挙げられる。AIの導入により、一部職種において業務の代替が進む可能性は否定できないが、実際にはAIによる効率化・高度化を前提とした新たな事業機会の創出が進み、それに付随して採用ニーズが増大している。このような環境の中、企業内では人材の選別が従来以上に厳格化している為、高度な専門性と卓越したヒューマンスキルを兼ね備えたエグゼクティブ人材の希少価値は一段と高まっており、とりわけ、経営とテクノロジーに精通し変革を主導できるエグゼクティブ人材は市場でも極めて高い需要が見られる。
  2. 売り手市場が続く中、企業が優秀な人材を獲得する難易度は年々上昇している。特にDX・AI領域に代表される高度専門人材には複数企業からのオファーが集中するため、従来型の採用手法では候補者との接点確保や選考通過率の向上が困難となっている。営業職、コンサルタント等、一定の採用ボリュームが必要な職種であればリファラル採用、アルムナイ活用といった採用手法の見直しも有効だが、エグゼクティブ/ハイクラス採用においては、タッチポイント拡大、選考プロセスの最適化、採用ターゲットの再定義といった包括的な採用戦略の再構築が求められる。採用に成功している企業の共通点として、競争が激しいボリュームゾーンを必要以上に追わず、自社で活躍しうる人材像を精緻にペルソナ化し、効果的なターゲティングを実行している点が挙げられる。また、人事部のみならず経営陣や外部パートナーを巻き込んだ全社的な採用体制を構築し、意思決定の質と速度を高めている企業ほど、競争優位性を確保している傾向が昨今は顕著に見られている。
  3. 当社のヘッドハンティングの特徴は、日本の人材紹介会社の手法と、外資系のエグゼクティブサーチ会社の手法の両方を用いていることだ。採用するポジションや予算、採用の難易度に応じて、候補者のサーチ手法やサーチ対象を柔軟に組み替えるなど、当社ならではのメソッドや知見を活かし、CxO人材の採用を成功へ導く。最近の採用支援例には、プライム上場大手IT企業のCMO、年商1兆円超のプライム上場大手エネルギー企業の役員候補の採用支援などがある。重要なポジションの採用は企業にとって大きな決断となるので、経営者や経営ボードの目線に立ち採用するポジションに求められる役割を本質的に理解した上で、最適任者を探し出していくという覚悟を持って臨んでいる。過去にヘッドハンティングがうまくいかなかったり、初めて検討したりする企業からの相談も増えている。
デアゼイン・コンサルティング 村上航平 代表取締役社長

デアゼイン・コンサルティング
村上航平 代表取締役社長

  1. 直近の正社員転職率は高い水準を維持しており、2026年もこの傾向は続く。特にIT・AIが扱える人材やそういったスキルをキャッチアップできる若手ポテンシャル人材は奪い合いが激化すると予想する。
  2. 直近の高い賃上げの流れは継続するため、給与テーブルの引き上げや採用単価の上昇が課題だ。そのため選考スピードの上昇や求職者への効果的な訴求が必要となってくる。
  3. 人材の流動性がより活発になるため市場規模は上がり続ける。その中で当社は優秀なコンサル人材にミスマッチなく転職してもらうことを意識している。転職先の選択肢が多くあるからこそ細かい志向性まで確認し、温度感の高い状態で企業へ紹介可能だ。
MS-Japan 松林俊 執行役員 JS関東事業部長

MS-Japan 
松林俊 執行役員 事業企画div長

  1. 構造的な人手不足とDX推進が需要の二大潮流だ。最も求められるのは、AIやシステムに代替されるのではなく、それらを活用し業務設計やオペレーション再構築を主導できる人材。事業戦略に基づき既存プロセス全体を刷新できる能力が、業種問わず必要となってきている。また、少子化で新卒採用の難易度が極めて高いため、第二新卒や既卒など若年層の中途採用・育成による組織の若返りも多くの会社の経営課題となっている。
  2. 圧倒的な売り手市場のため、採用競争が激化しています。企業は候補者を惹きつけるため、年収や報酬水準、フレックスやリモートワークといった柔軟な働き方などの条件面を他社以上に引き上げることが不可欠だ。この高水準化と競争激化は、採用競争力のある会社とない会社を大きく二分し、「採用力の企業間格差」を拡大させている。特に中小企業や知名度の低い企業にとって、優秀な人材の獲得はますます困難になっている。
  3. AIの進化により、人材業界は情報マッチング機能が自動化され、コンサルタントの提供価値が厳しく問われる時代になる。当社は特化型として、その深い専門性を活かした真のコンサルティング価値を追求する。同時に、特化領域で蓄積された独自のデータを活用し、テクノロジーを駆使したサービス開発を推進する。具体的には、AIによる高精度なターゲティングと、専門性の高いキャリアパス設計支援を融合し、顧客と候補者双方に、より深い価値と最適なソリューションを提供していく。
KMF PARTNERS 吉田亜紀子 Sales&Marketing division Director

KMF PARTNERS 
吉田亜紀子 Sales&Marketing division Director

  1. 全体としては、堅調な推移が続くものと思われる。業界で見れば一般消費財、サービス全般、IT、製造などは需要の高い傾向が見られる。しかしながら中国の景気減退やアメリカの関税の影響を受ける業界や企業に関しては、昨年ほどの人材需要が期待できない見通しと思われる。
  2. ここ数年の状況は変わらず、どの企業も採用には苦戦をしている。要因としては人材データベースへの登録が広がり優秀な候補者へのスカウトの集中や若い世代の意識変化や世の中全体のスピード感の変化などが影響を与えている。採用競争が激しくなってくる中で、企業としては、質の高いエージェントの活用、リファラル採用、ダイレクトスカウトなど、複数の手法の組み合わせと、柔軟性を持った採用基準や手法の活用が重要になる。また長期に渡って採用できないポジションに関しては、採用基準の見直しも大事な手段のひとつになる。
  3. ここ数年で、人材紹介事業者は増加傾向となっており、紹介会社間の競争は激化していると思われる。転職市場がより拡大するということの裏付けになるだろう。当社は今後も変わらず、質の高いサービスの提供を第一に考え、マッチングの高い提案、難易度の高い採用の手伝いなどを、高いサービスレベルで提供することを約束する。

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